こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の見どころ、落とし穴、勉強ポイントを紹介する
るるぶ高校数学のコーナーです。
今回は、
数Ⅰ 数と式 その2 因数分解
についてご紹介します。
前回では展開、今回は因数分解がメインの内容で、
これらは高校数学を通じての「基本的な式の取り扱い」になります。
習った計算を使いこなせるか?
非常に重要なのですが、実はそれ以上の意味があります。
それは、
高校数学で求められる、「式の見方」ができるか?
ということがポイントになってきます。
式の見方って何よ?
という人は、ぜひ続きを読んでもらえると助かります。
因数分解
るるぶ数学の第2回ですが、早くも山場に来ています。
因数分解自体は中学数学でも扱いましたが、高校の因数分解はかなり難易度があがります。
色々と新しいことを学ぶからこそ、中学校から変わらない大前提を最初に確認しましょう。
因数分解では、最初に共通因数でくくる
です。
これ、本当に忘れがちです。
『最初に』というのがミソです。
必ず最初に、「共通因数でくくれないか?」を考えて下さい。
これ、本当にうっかりしやすいです。
ポイント① 2次の因数分解 たすきがけ
新しく学ぶ計算に、「たすきがけ」があります。
〇x2+◇x+△
のような、2次式の因数分解で使う計算です。
たすきがけでは、「かけて△」「足して◇」の条件を満たす数の組を、
「手あたり次第」という原始的な方法で探すことになります。
原始的な方法だからこそ、実はコッソリ、実力差が出やすい部分です。
「手あたり次第」探すといいましたが、うまい人ほど、
最初からアタリを付けています。
そうですね、たすき掛けがうまくいくコツですが……
先に符号を決める
あたりは鉄板でしょうか。
定数項△が+→「+、+」か、「ー、ー」かを、1次の項◇から判断
定数項△が―→「+、-」の符号ペアで固定
と自動で決まります。
たすきがけは、まずは符号を決めよう!
ということを意識しながら、計算練習をするのが、
習得を早める1つのコツです。
ポイント② 3次の因数分解
3乗の因数分解公式を覚えるのは大前提です。
練習を通じて、きっちり覚えましょう。
そのうえで、3次の因数分解を見抜くコツは、
「数字の3乗を知っておく」
ことです。
1=13
8=23
27=33
64=43
125=53
216=63
あたりは、よく見かけるので知っておきましょう。
逆に、これらの数字をみたら
「3乗の因数分解じゃないか?」
と疑ってかかってOKです。
ポイント③ 置きかえの利用
展開に引き続き、因数分解でも「置きかえ」の利用が出てきます。
ポイントは展開と同様で、
「カタマリ」を認識する能力
を鍛えることが重要です。
「カタマリ」については前回の記事に詳しく書いたので、そちらも参考にしてください。
(前回→
https://juku-elite.com/contents/id/189/)
さて、この辺りから、実は
「式の見方」
というテーマになっています。
カタマリ認識というのがまさに、「式の見方」という内容ですよね。
x2+x+1
を、
『x2+x+1』 ←全体で1つ、A=x2+x+1
『x2+x』+『1』 ←B+Cの形、2つの和
『x2』+『x+1』 ←C+Dの形、2つの和
『x2』+『x』+『1』 ←E+F+Gという、3つの和
という風に、色々な形、色々な「カタマリ」として認識できるか?
が問われていきます。
これは、因数分解や展開の問題だけでなく、
今後の高校数学、大学受験の数学全体で重要になる力です。
因数分解の問題演習通じて、「カタマリ」で見る力を育んでいきましょう。
ポイント④ 1つの文字について整理
文字が複数あるときの因数分解で使う内容です。
文字が複数あるときは、
「1つの文字に注目して整理」
を行うのが基本です。
これは、
文字が複数で困る!
→代表して、1つだけを「文字」と思い、他は「数」と思う!
→実質、文字が減る(?)
というテクニックです。
これは「式の見方」の領域のテクニックで、
今後も様々なところで利用することになります。
非常に重要かつ、地味に高級な内容なので、掘り下げて説明しましょう。
中学校の数学で考えてみます。
1次関数 y=ax+b
で、「文字」は何種類でしょうか?
a,b,x,yの4つ。
そうですね、そうなのですが。
これを、
a,bは数で、x,yが文字
と思えるか?
というのか大切です。
y=ax+bを、
y=xa+bとか、y=b+axとは(普通)書きませんよね。
これは、aの方がxより若い文字だから……ではなく、
a,bは数のようなものだから、
2xをx2とは書かないように、「数×文字」の順で表そう
という気持ちがあるからです。
このような、「この文字は、実際は数だと思う」操作を、
「自由自在に行う」ことが高校数学では必要になってきます。
ハイレベルを目指す人なら、
y=ax+bを、a,bを文字だと思って(x,yを数字だと思って)、
b=-xa+yと整理する
ようなこともあるかもしれません。
こういった、自由自在な「式の見方」ができるか?
を訓練するのが、本当の目的です。
1つの文字に注目して整理
という作業をするとき、心のどこかで、
注目した文字以外は、数なんだ
と思いながら、操作をしましょう。
気持ちの問題なのですが、この気持ちの差が、
今後の学習習熟度の差になってきます。
この因数分解あたりから、
あれれ、高校数学は難しそうだぞ?
と多くの人が感じるハズです。
公式を覚えて、覚えて……あれれ、解けない?
という場面も出るでしょう。
それもそのハズ。
ここで求められているのは、
『カタマリを見抜く』
『文字を数だと思う』
などの、『式の見方』に関する能力が求められているからです。
計算練習は、『式の見方』への意識をもって取り組むのがポイントです。
この意識が今後も重要になってきます。
→次回