こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の勉強法、見落としやすいポイントなどを紹介する
るるぶ高校数学のシリーズです。
今回は、
数B 数列 その8 基本の確認
です。
→前回
前回では、階差・群数列について紹介しました。
この辺りが数列の中盤戦です。
序盤戦で勉強法を間違えていた人は、ふるい落とされるころです。
階差・群数列あたりでつまづく人は、
数列の「勉強法」から見直して、復習しましょう。
おさえるべきポイントは、「るるぶ高校数学」で確認して下さいね。
さて、そろそろ数列も終盤戦に入っていくのですが……
この辺りで、一回基本の確認・紹介をもう一度しようと思います。
また、ここまで拾いきれなかったポイントも補足します。
数列の本番、終盤戦目前です。
しっかり基本を確認しましょう。
ポイント① 文字「n」の式は、複数の関係式をまとめたもの
数列では、文字「n」が頻出します。
この文字「n」の感覚を、今一度確認しておきましょう。
一般項 an=3n+1
という式を見たとします。
このとき、
n=1, 2, 3, ……, 100, ……
を代入した式をイメージしましょう。
a1=3×1+1
a2=3×2+1
a3=3×3+1
……
a100=3×100+1
……
これらの無限の関係式が、
一般項 an=3n+1
には詰まっています。
地味ながら、
「1つの式」
というふわっとした理解ではなく、
「無限の関係式をまとめたもの」
という意識がこの後大切になります。
具体的には、数学的帰納法を勉強する際、
この感覚がないと苦しみます。
ポイント② 添え字の番号はズラせる
ポイント①から続く感覚です。
一般項 an=3n+1
という一般項の式ですが、
「添え字」の「n」は柔軟にカスタマイズ可能です。
具体的には、
an+1=3(n+1)+1
や、
an-1=3(n-1)+1
としても、元の式と同じ意味になります。
nに具体的な数を代入して確かめてみましょう。
a1=3×1+1
a2=3×2+1
a3=3×3+1
……
と同じ関係式の集まりを表していることが分かります。
実際の操作としては、
n に n+1 や n-1 を代入する
という操作です。
この代入操作はかなり自由です。
一般項 an=3n+1
に、n=5nを代入して
a5n=3×5n+1
とすることもできます。
上級者は、この添え字の調整をすると、
nの動く範囲が変わる
と言う点にも注意しておきましょう。
ポイント③ 「n」には好きなものを代入できる
ポイント①、②をまとめましょう。
文字「n」には、好きなものを代入できる
と言えます。
数でもいいし、数式でもいい。
とにかく、
文字「n」に好きなもの代入できる
という感覚が重要です。
ポイント④ 「……」をみたら、個数に注意
添え字のほかに、数列で頻出する記号がもう1つあります。
省略記号の「……」です。
1+2+……+100
のように使いますね。
この「……」ですが、大事なのは
「何個?」を意識することです。
例えば、
1+2+……+100
ですが、この場合は1~100までの「100個」の足し算を、
省略して書いています。
他の例として、
1, 2, 3, ……
のような使い方なら、「無限個」の数を省略しています。
毎回必要なわけではありませんが、
具体的な計算では「個数」が重要なケースがほとんどです。
「……」をみたら、「結局、何個?」がスッと浮かぶかどうがポイントです。
ポイント⑤ 足し算の「個数」は、具体例でチェック
ポイント④からの続きです。
では、具体的に足し算の「個数」はどう数えましょうか。
例えば、
50 + 51 + …… + 100
の計算を考えます。
何個の足し算か?
さえ分かれば、等差数列の和の公式からすぐに計算できます。
このとき、
100-50=50
だから、50個
とやりたい気持ちは分かりますが、間違いです。
正しくは、
100-50+1=51
だから、51個
とします。
うっかりやすいですよね。
こういうときは、
「数が少ない具体例」
でチェックするのが大切です。
先ほどの例だったら、
50+51
という簡単な例で考えてみます。
これは2個の足し算ですね。
すると、
51-50=1
は誤りで、
51-50+1=2
と考えなきゃいけないな、と分かります。
文字が絡んでいても一緒です。
文字に具体的な数を代入したり、個数の少ない場合で考えたりして、
「個数」を正確に把握しましょう。
ポイント⑥ 「数列の和」と「階差」は逆の関係
数列anに対して、
Sn=a1+a2+……+an
bn=an+1-an
などを、これまでの学習で考えてきました。
このSnやbnも、新しい数列になっていますね。
Snを数列の和、bnを階差と言いました。
この2つの操作ですが、互いに逆の関係になっています。
例えば、
数列の和Snの階差
を考えてみます。
Sn+1-Sn
が数列Snの階差です。
Sn+1=a1+a2+……+an+an+1
Sn =a1+a2+……+an
ですから、
Sn+1-Sn=an+1
となります。
数列の和の階差は、元の数列
という意味です。
逆に階差の和がどうなるか考えてみましょう。
実は、これはすでに学習済みです。
an=a1+Σbk
という階差数列の一般項の考え方から、
階差数列の和は、元の数列
と言えます。
このように、「数列の和」と「階差」は、
互いに対になる操作になっています。
和の階差は、元にもどる
階差の和は、元にもどる
という関係です。
(微分と積分の関係に似ていますね。)
今更ながら、基本的な内容の確認をしました。
「基本」と言いましたが、
「記号の意味」「記号に慣れる」を意識しないと、
習得できない内容です。
特に添え字の扱いはかなり重要です。
ポイント⑥では、
Sn =a1+a2+……+an
から、
Sn+1=a1+a2+……+an+an+1
としました。
この辺りがサラリとできるのも、添え字の扱いです。
同時に、
「……」は何個?
も意識して処理しています。
地味ながら重要で、ひっかかりやすいポイントです。
すぐに習得するのは難しいので、
普段の問題演習で意識して、習熟していきましょう。