こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の勉強のポイント、落とし穴などを紹介していく
るるぶ高校数学のシリーズです。
今回は、
数B 数列 その10 漸化式(基本編)
です。
→前回
等差・等比・階差型の漸化式は、
今までの知識から一般項が分かります。
これらの漸化式は、
「一瞬で見抜けて、サクサク解ける」
必要があります。
何故なら。
これから紹介する漸化式は、
等差・等比・階差型の漸化式へ帰着させる
ことで解いていくからです。
では、行きましょう!
ポイント① an+1=pan+q 型の解き方
等差と等比の漸化式が、合体したような漸化式です。
p=1なら、等差なのに。
q=0なら、等比なのに。
と、惜しい感じですね。
個人的に「線形型」と呼んでいますが、
一般的な名前はあるのでしょうか。
これぞ基本!
という感じの漸化式で、漸化式を解く手法が詰まっています。
具体的に、
a1=4
an+1=2an-3
という漸化式を解いてみましょう。
Step0 a2, a3あたりを実験しておく
漸化式を見たら、とりあえず実験しましょう。
a2=5,a3=7
ぐらいは求めておきます。
Step1 魔法の数αを求める
このステップ1が鬼門でしょう。
突然、謎計算が始まります。
【謎計算】
元の漸化式で、an+1=an=αとおくと
α=2α-3
これを解いて、
α=3
突然どうした?
と感じるのは、普通の感覚です。
安心して下さい。
この計算の意味について色々と説明はされると思います。
ですが、
「そういうもの」と割り切る
のがオススメです。
どの説明も、後付け感が否めないからです。
理由はわからんけど、こう計算するとうまく行く。
「気持ち悪い」感覚をおさえて、とりあえず割り切りましょう。
訳も分からず練習して、とりあえず
「できるようにする」
のが大切です。
ちなみに、非常に天下り的な謎計算なため、
参考書にのっている計算なのに、
記述答案では省いた方がいい
という意見もあります。
記述なら、直で次のステップの変形を書いてもいいと思います。
Step2 魔法の数を使って、漸化式を変形する
元の漸化式
an+1 = 2an-3
を、魔法の数「3」を使って変形します。
an+1-3 = 2(an-3)
と変形できます。
初見では謎の変形です。
ただ、展開して移項すると元の漸化式と一致しています。
そのため、「ただ変形しただけ」です。
この変形で使う数を求めるために、ステップ1がありました。
Step3 置き換えで、等比数列に帰着
bn=an-3
と置きましょう。
すると、
an+1-3 = 2(an-3)
は
bn+1=2bn
となります。
これで、bnは等比数列と分かりました。
今の置き換えで、
bn+1=an+1-3
となることに注意が必要です。
この辺りの「添え字の扱い」がスラスラとできないと、
ちょっと苦しくなります。
このbnへの置き換えですが、
慣れてきたら省略しましょう。
置き換えを省いて、次のステップの計算をした方がスムーズです。
Step4 bnの一般項を求める→anに置き戻す
b1=a1-3=4-3=1
と計算できるので、
bn+1=2bn
とあわせて、
bn=2n-1
と分かります。
bn=an-3
でしたから、
an=bn+3
=2n-1+3
が答えです。
Step5 実験の数を使って検算
漸化式を解いたら、必ず検算をします。
これも、クセにしましょう。
n=1,2,3を代入して、正しい値が出るか確認します。
a1=4, a2=5, a3=7
となり、実験結果と一致すればOKです。
ポイント② an+1=pan+q 型は徹底練習!
最初は、
an+1=pan+q 型
を解くのは大変です。
謎の方程式を解いて
謎の式変形をして
数列を置きかえて
計算して、置き戻す
の1つ1つの操作が、簡単ではないハズです。
だからこそ、徹底した反復練習をしましょう。
繰り返し演習をして、
サクサクと、無意識に解ける
レベルまで、この計算に習熟しましょう。
1つ1つの記号の意味、数式の意味は分かっている必要があります。
ですが、計算の背景などは分からなくてOKです。
理解するところは……そうですね、
漸化式は、変形して解ける漸化式にする
ぐらいのイメージで十分でしょう。
とにかく、ここは理解よりも練習を重視して取り組むのがオススメです。
ポイント③ 「置きかえ」の省略を目指そう
練習を繰り返し、慣れてきたら
数列を置きかえる
部分を省略してみましょう。
特に、ハイレベルを目指す人は必須の技術と思ってOKです。
具体的に、さきほど例に出した数列を解いてみます。
a1=4
an+1=2an-3
an+1-3 = 2(an-3)
に変形するところまでは同じです。
ここから、「(an-3)が等比数列」と考えて、
an-3=2n-1(a1-3)
としましょう。
後は、代入して移項するだけです。
置きかえは、省けるなら省いた方がスムーズに進みます。
最初の練習のための補助輪のようなものですね。
慣れるにしたがって、徐々に補助輪は外していきましょう。
この
an+1=pan+q 型
の漸化式には、色々な基本が詰まっています。
とりあえず実験する
漸化式を変形する
簡単な漸化式に帰着させる
数列を置きかえる
置きかえたものを戻す
検算する
これらの感覚や手法は、他の漸化式を解くとくにも重要です。
徹底的に反復して、漸化式の基本を習得しましょう。