こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学のみどころ、落とし穴などを紹介する
るるぶ高校数学のシリーズです。
今回は、
数B 数列 その11 漸化式(実戦編)
です。
→前回
引き続き、前々回、前回扱った漸化式が基本になります。
等差 an+1=an+d
等比 an+1=ran
階差 an+1=an+(nの式)
線形 an+1=pan+q
の漸化式は、パッと解けるように練習しましょう。
特に、
線形 an+1=pan+q
の漸化式には、色々な処理が詰まっています。
この漸化式の練度が、漸化式全体の練度に繋がっていきます。
これらの漸化式をおさえたら、
「いろいろな漸化式の解き方を、パターンで覚える」
段階に入ります。
今回は、いくつかのパターンをピックアップして紹介します。
サクサクと方針だけ示していきますね。
ポイント① an+1=pan+(nの1次式) 型
この型は、2つの解き方があります。
解き方① 階差型へ帰着
番号をnをn+1に置きかえた漸化式と、
元の漸化式を用意します。
an+2=pan+1+(n+1の1次式)
an+1=pan+(nの1次式)
辺々引き算して、bn=an+1-anとおくと、
線形型に帰着します。
解き方② 直接、等比型へ帰着
与えられた漸化式を、
an+1-(n+1の1次式)=p(an-(nの1次式))
と変形して、等比数列へ帰着させます。
解き方①と解き方②ですが、圧倒的に解き方②がオススメです。
両方の解き方で練習すると、計算量の差にビックリするハズです。
実戦では解き方②を使えるようにしたいですね。
一般的な参考書は、解き方①で書いてあるかもしれませんが……。
ポイント② an+1=pan+qn 型
この型も、複数のアプローチがあります。
解き方① 両辺をqn+1で割る
an+1 / qn+1=(p/q)(an / qn)+1/q
となるので、bn=an / qnとおけば、
線形型に帰着。
解き方② 両辺をpn+1で割る
an+1 / pn+1=an / pn+qn/pn+1
となり、bn=an / pnとおけば階差型に帰着。
解き方③ 直接、等比型へ帰着
与えられた漸化式を、
an+1-aqn+1=p(an-aqn)
と変形して、等比数列へ帰着させます。
この型も、解き方③が圧倒的に優秀です。
一般的ではないかもしれませんが、できれば知っておきたい解法です。
解き方①と解き方②は、どっちもどっちです。
どちらを選ぶかは好みでOKです。
線形型好きなら解き方①を、階差型が好きなら解き方②でさばきましょう。
そうそう。
この型は、p=qのとき、特別な挙動をします。
迷わないように、p=qのときの処理も整理しておきましょう。
ポイント②、③の漸化式が基本型からの派生です。
解き方によって、正確さとスピードに差がでる型です。
地味ながら、大学受験の数学で差が出る漸化式かもしれません。
さて、次の2つは「式操作一発」タイプです。
式操作の仕方さえ知っておけば、対応可能です。
ポイント③ an+1=an/(pan+q) 型
この型は、漸化式の両辺の逆数を取ります。
1/an+1=q/an+p
となるので、bn=1/anとみれば線形型です。
注意点は、逆数をとる関係上、
an≠0 を先に確認する
ことです。
ポイント④ an+1=panq 型
ポイント③と似た雰囲気で、「式操作一発」タイプです。
両辺の対数をとれば、
log an+1=q log an + log p
となるので、bn=log an とおけば線形型です。
理論上、対数の底はなんでもいいのですが、
pを底に取った方が計算が楽になります。
ポイント③と同様に、対数をとる関係で、
真数条件 an > 0
を先に確認する必要があります。
最後に1つ、難しめの漸化式も紹介しておきます。
今までの型の知識は使いますが、派生型ではありません。
特別な解法を知っておく必要があります。
ポイント⑤ 3項間漸化式 an+2+pan+1+qan=0
初手から、いきなり特殊な動きをします。
an+2をx2
an+1をx
anを1
にそれぞれ置きかえた方程式を考えます。
x2+px+q=0
この2次方程式の2解α、βを使って、
an+2-αan+1=β(an+1-αan)
an+2-βan+1=α(an+1-βan)
と、元の漸化式を2通りに変形します。
bn=an+1-αan
cn=an+1-βan
とおくと、bnとcnは等比数列です。
bnとcnの一般項を求めて、
bn-cn
などの組み合わせから、anを求めます。
ややこしいですね。
文章で表現してもややこしいですが、
実際に計算するのも中々ややこしいです。
さらに。この三項間漸化式は、
x2+px+q=0
が重解を持つ場合は、ちょっと異なる動きが必要になります。
非常にややこしいです。
色々な型を紹介してきましたが、残念なことに、
これらがすべてではありません。
ちょっと、大変ですね。
一気に習得するのは厳しいです。
少しずつ習得していきましょう。
コツなのですが……
「解き方が似たパターン」
をまとめていくといいです。
今回紹介したものだと、
ポイント①、ポイント②の2つは
「ダイレクト等比帰着」
という共通の発想で解けます。
ポイント③、ポイント④の2つは
「式操作一発型」
です。逆数をとったり、対数をとったりで一発でした。
また、目指す大学によっても
必要な漸化式のパターン
は変わってきます。
一気にすべてを習得するのは骨なので、
自分のレベルに合わせて少しづつ練習していましょう!