このカテゴリーでは、参考書・問題集おススメ4選を使って学習する際に、前もって知っておきたいことをIzu(いず)が質疑応答形式でお話しします。
第16回は、小論文【語彙力強化/文章構成理解】編です。
これからの小論文の学習にお役立てくださいね。
① 小論文対策=推薦入試対策(公募推薦等)と考えていいですか?
総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では、小論文が課されることが多いですね。
ただ、必ず課される訳ではありませんので、まずはご自身が受験したい学部・学科の入試要綱を確認するようにしましょう。
小論文が課される場合は、もちろん最低3か月程度の準備期間が必要になります。
また、一般受験でも入試方式によっては小論文を課す大学・学部や、小論文がマストとなる大学・学部も少ないながらも存在します。
入試直前期になって「ここも併願したいけど小論文がある…まぁ小論文ならどうにかなるでしょ。」なんて考えて受験したとしても、合格は極めて難しいです。
ですので、小論文対策は必ずしも推薦入試対策ではないと考え、高3の1学期中にはご自身で【小論文いる or 小論文いらない】を把握し、必要であればそこからある程度の時間をかけて小論文完成に持っていってください!
② 小論文って難しいイメージがありますが、何からやればいいですか。
【小論文≠作文】ですからね、簡単に書けるようにはならないです。
また、小論文の基本を学んだとて、ご自身の「引き出し」が少ないと、どうしても稚拙な文章になりがちですよね。
小論文の具体的な書き方に入る前に、ご自身の引き出しを持っておきたいところです。
意識してやってほしいことを2点、お伝えしますね。
◇ 現代社会のニュースに敏感になる
小論文の土台となる「教養」を得るためには、毎日ニュースに常に敏感でいましょう。
特に、ご自身が志望する学部・学科に関係するようなニュースは、小論文を展開する上での具体例になったりもしますので、必ず抑えておきたいんですね。
そこで、「ネタ帳」を作るやり方をおススメします。
ノートを1冊用意し、小論文のネタになりそうな時事ニュースを「切り貼り」しておくのです。
新聞の切り貼りでもいいですし、インターネットニュースをプリントアウトして貼ってもいいでしょう。
出来上がった「ネタ帳」の内容を頭に入れることで、タイムリーな話題を小論文の展開の中で利用することができ、説得力を持つ文章を書くことができます。
受験生の場合、どうしても社会のニュースへ関心を持つための時間が不足しがちですので、小論文が課される受験生は「意識的に」ネタ集めを行いましょう。
◇ 語彙力を強化する
小論文を書く時は、当たり前ですが自分の言葉で書くことになりますよね。
そうすると、「漢字の間違い」「漢字が使えずひらがなに」「正しく用語が使えていない」などのミスが発生する可能性があります。
このようなミスがあると、どうしても全体として稚拙な文章に見えてしまいます。
小論文の完成イメージは、現代文の学習でしょっちゅう読むことになる「論説文」だと思ってください。
理路整然と主張を展開していくために、正しく用語を使うことは不可欠なのです。
ですので、現代文の基礎学習と同様、語彙力を強化し「正しい用法」で「適切な文脈」で使えるようにしておきましょう。
そうすることで、作文からの脱却が図れます。
③ 過去問を中心にまずは書いてみるという勉強法でいいですか。
まずは書いてみる、これが簡単そうで難しいです。
ご自身の思ったことをただ書き連ねていくだけだと、おそらくそれは「感想文」のようなものになってしまいますね。
小論文は、ご自身の主張を読み手に受け入れてもらう・納得してもらうための文章です。
ですので、ご自身の主張したい結論に向かって、どう文章を展開していくかが大切になります。
その展開の仕方の「引き出し」をまずは、参考書で習得した方が上達は早いはずです。
問題提起の仕方、具体例の出し方、正反対の意見の使い方、視点の切り替え…
展開の仕方ひとつで、小論文の評価は大きく変わります。
小論文の参考書には、「いまいちな例」「良い例」などが載せられている場合が多く、どこがマイナス評価になるかが具体例の中で指摘されています。
ここを理解することが、合格ボーダーラインを上回る小論文を書くための土台となるのです。
いきなり練習に入る前に、小論文の良い例・悪い例を比較する学習をし、ご自身が「良い例」に沿った展開ができるよう、まずは参考書学習から始めましょう。
④ 完成段階ではどのような学習をすればいいですか。
小論文の考え方が理解できたら、いよいよご自身で本番を想定した演習に入ります。
完成期は、以下の練習を通して「時間内」に「論理的に主張を伝える」文章を書けるようになりましょう。
◇ 論説文(現代文)の要約
短くまとめても主張が伝わるようにするためには、文と文をどうつなげればいいかを中心に考えることになると思います。
その過程で、筆者の主張を正確に掴もうと、文章を隅々まで理解しようとしますよね。
この要約は、文系志望の生徒であれば「現代文演習」の一環としても行うことができます。
この作業を繰り返すことで、小論文でもご自身の主張を読み手に分かりやすく伝える技術が養われます。
◇ 問題集での演習
小論文の場合は、問題集は学部系統別になっているものが多いです。
極端な例ですが、医療系の小論文で国際政治がテーマの小論文を書くようなことはまずないですので、完成期は「学部」を意識したテーマで演習するようにしましょう。
これまでに貯めてきた「ネタ帳」もここで有効活用してみてください!
◇ 過去問での演習
過去問を通して、時間内に書き切る感覚を養います。
最後の結論にたどりつく前に制限時間がきてしまうようですと、その小論文は何の意味もない文章でしかなくなってしまいます。
キッチンタイマーを用意し、残り時間を意識しながら文章を展開する訓練をしてください。
◇ ご自身の文章の添削
せっかく書き上げた小論文、改善点を知ることで、さらに上達が見込めます。
ですので、小論文のアドバイスができる先生が周りにいましたら、活用しない手はありません。
形式的なことに関しては国語の先生、内容の正誤に関してはその内容に関係する科目の先生(医療系で生物がテーマであれば生物の先生)に見てもらえるといいですね。
その評価を参考に「書き直す」ことで、文章構成力が増していきます。
書きっぱなしではなく、信頼できる先生にアドバイスをもらうようにしましょう。
以上、よくある小論文の「語彙力強化/文章構成理解」に関するQ&Aでした~!
小論文は、理解~演習の一連の流れに短く見積もっても3か月程度はかかりますので、必要な方は余裕を持って学習を始めるようにしましょう。