るるぶ高校数学 数Ⅰ ④三角比 その3 三角比の拡張|大学受験エリート

るるぶ高校数学 数Ⅰ ④三角比 その3 三角比の拡張

こんにちは!

大学受験エリートのSuuです。

 

高校数学の勉強のポイント、みどころなどを紹介する

るるぶ高校数学のコーナーです。

 

今回は、

数Ⅰ 三角比 その3 三角比の拡張

です。

前回

 

さて皆さま、三角比の計算練習は順調でしょうか。

少し確認しましょう。

tanθ=cosθ/sinθ

cos2θ+sin2θ=1

あたりは、体に染みついていますか。

 

そんな式あったなあ……という人、危険信号です。

その式なら知っている! と言う人も、危険信号です。

分数の約分・通分のように、「知っている」ではいけません。

体の一部のように動かして、活用できるようになりましょう。

 

30°、45°、60°の三角比はすぐに思い出せますか?

おっと、これは暗記するようなものではありません。

訓練を重ねて、

何度も図をかいて考える

→頭の中で図をかいて考えられるようになる

→さらに繰り返して、一瞬で思い出せるようになる

という段階まで到達しましょう。

 

さて、では今日の話題に入っていきましょう。

 

ポイント① 鈍角の三角比を導入する狙い

円を使って、90°をこえる角に対しても三角比の定義を広げます。

 

先に定義拡張の目的を知っておきましょう。

この後、図形の問題に三角比を応用していくのですが、

一般の図形問題では、鈍角が出てくることがあります。

そのときに、

鋭角ならいいけど、鈍角になると三角比は使えない……

では非常に不便です。

 

逆に、一般の図形の角度を処理するなら180°までの三角比があれば十分です。

そのため、数Ⅰでの三角比の拡張は

0°~180°までの間で終わりです。

 

ポイント② 単位円を使った定義で理解するのがオススメ

三角比の定義ですが、教科書や先生によって色々なスタイルがあると思います。

ただに数Ⅱで習う「三角関数」や、後々の汎用性を考えると

単位円を使った定義

で覚えておくのがオススメです。

 

半径が1の円を「単位円」といいます。

(ここでいう「単位」とは、そのまま「1」という意味があります。)

最初は聞きなれない言葉ですが、今後は頻出の用語なので、自然と慣れていきます。

 

単位円の周上で、点(1,0)からθ回転した点の

x座標をcosθ

y座標をsinθ

とするのが単位円を使った定義です。

 

タンジェントについては、

tanθ=sinθ/cosθ

を定義と思ってもいいですし、

角度θの直線の傾き

をtanθと思うのも実用的です。

上記2つの見方が両方できるのが理想です。

 

三角関数になると、いずにせよ単位円を使った定義を使うことになります。

今のうちから、単位円を使った三角比の扱いに慣れておくのがオススメです。

 

ポイント③ 有名角の三角比で、定義の確認! 暗記は絶対禁止!

今までは30°、45°、60°の三角比を扱っていました。

鈍角に拡張されると、

120°、135°、150°の三角比も扱います。

 

この三角比も、当然暗記厳禁です。

単位円を使った新しい三角比の定義にもとづいて、

毎回きちんと図をかいてその値を考えましょう。

ノートが単位円だらけなってしまいますが、それが正常です。

むしろ、単位円をかかずして三角比を習得することはできないと言っていいです。

 

……それでも、暗記がしたいですか?

数Ⅱの三角関数になると、

210°、225°、240°、270°、300°、315°、330°

の三角比も出てきますが、これらのsin,cos,tanもすべて覚えるのでしょうか。

仮に暗記できたとして、正確に使えるのでしょうか。

大学入試の実戦的には

これらの有名角の三角比の値を間違えたら、不合格の可能性大

といっていいぐらい、非常に重要な数値です。

1つとして間違えることは許されません。

 

暗記ではなく、素早く思い出す訓練をした人なら、

有名角の三角比を間違えることはまずありません。

仮に間違えたとしても、確かめをして正しい値に修正できます。

 

大学入試の数学対策の視点からも、暗記は危険です。

また、数学を理解する、定義を習得するという観点からも、

暗記は危険です。

 

厳しいことを言いますが、

有名角の三角比を暗記しようとしたら、三角比は苦手確定

と言っていいです。

 

暗記ではなく、

定義を理解するため、定義にのっとってきちんと計算する

という訓練をしていきましょう。

だんだんと早くなっていきますし、何度も使うので結果的に暗記していきます。

 

ポイント④ 三角比の相互関係を再度練習、練習!

三角比の定義が鈍角まで拡張されたら、三角比の相互関係を使った計算を再度練習しましょう。

ここまででしっかり計算練習をしてきた人は、スムーズに対応できると思います。

cosとtanに負の値が出てきますが、基本的な計算の構造は変わりがありませんからね。

むしろ、

「θが鋭角だから」

という謎文言の意味が分かり、スッキリするかもしれませんね。

ここまでの計算練習が不十分だった人は、しんどいでしょう。

他の人の倍以上の練習が必要だと思って下さい。

ここで踏ん張らないと……この先は、苦手へ急降下待ったなしです。

 

ポイント⑤ 三角比の絡んだ方程式、不等式で「定義」の確認!

三角比が絡んだ方程式や不等式も登場します。

これも、絶好の定義確認の練習台です。

毎回毎回、円をかいて考えることになります。

円をかいて、直線をひいて……

1/2が絡むから、30°か60°関連かな?

cosはx座標で、sinがy座標だから……

と、ちくちく考えていきます。

 

むしろの、この思考過程が本当に重要です。

毎回毎回、三角比の定義を復習しているようなものです。

このような思考や練習を繰り返すことで、

しだいに三角比の定義そのものが、体にしみついていきます。

 

 

三角比は、くっきりと得意・不得意の明暗が分かれます。

というより、「三角比が得意」という人に会ったことはありません。

(私自身も、三角比が得意という感覚はありません。)

ただただ、「sin,cosが苦手」という人がいるだけ……という気がします。

 

三角比は、ただ定義にのっとって処理するだけです。その精度が問われています。

三角比を普通に扱える人は、計算練習を繰り返し、なんとなく三角比の定義が体にしみついた人です。

一方で、

何か公式を覚えればうまく行く

と思っている人がここでつまづくのではないでしょうか。

 

この単元は、教科書通り・参考書通りの地道な計算練習を繰り返すことが勉強の生命線です

ここまで複雑な公式は1つも出てこないので、

キッチリ練習すれば結果的にはすべて覚えてしまいます。

暗記するしかないのは、三角比の定義ぐらいですが……

これも、練習の中で体にしみついていきます。

 

有名角の三角比なんて、絶対暗記しない!

毎回毎回、定義にもどって確認する!

三角比の方程式・不等式も、単位円を考えて定義から解く!

 

これを守って、1つ1つの問題演習に取り組みましょう。

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