早稲田大学の総合型選抜(旧:AO入試)を学部ごとに徹底解説!|大学受験エリート

早稲田大学の総合型選抜(旧:AO入試)を学部ごとに徹底解説!

 

 

初めに

早稲田大学で総合型選抜(AO入試)を考えている方に向けて、各学部がどんな試験形態なのか、出願時期はいつごろかといった疑問に対して集中的に解説していきたいと思います!

 

「WASEDA VISION 150」が入試に影響している

早稲田大学には「WASEDA VISION 150」というものがあります。

これは早稲田大学が創立150年を迎える2032年までに目指す目標のことで、沢山の数値目標が設定されています。

 

そこには「英語による授業を50%以上」や「外国人留学生10000人以上受け入れ」、そして「外国人教員400人」といった内容が含まれています。

それに対応して、選抜における方針にもグローバルな視点を重視していることが入試にも表れています。

英語力というのが早稲田大学でかなり重視されていることがわかると思います。

 

総合型選抜を行っている学部は?

では、早稲田大学で総合型選抜を実施しているのはどの学部でしょうか。

具体的に列挙すると、政治経済学部、国際教養学部、創造理工学部(創成入試)、先進理工学部、社会科学部、スポーツ科学部、文化構想学部、人間科学部の8つです。

 

後述しますがこれに加えて新思考入試という異なる試験形態もあり、これは法学部、文化構想学部、文学部、商学部、人間科学部、スポーツ科学部の6つで実施されています。

ということで、各学部の入試システムについて詳しく紹介していきます。

 

①政治経済学部

この学部では「グローバル(海外就学経験者)入学試験」という入試が行われています。

2021年から始まった入試で、文字通り、帰国子女生を受け入れる入試方式となっています。

 

出願条件として、「日本国外に所在する外国の中等教育機関」に「継続して2年間以上在籍した者」か「最終学年の1年間を含めて、中等教育における期間を通じて通算で2年間以上在籍した者」のどちらかに該当する必要があり、語学力重視の傾向が伺えます。

 

7月から出願が始まります。まずは提出書類をもとに、今までの活動実績を記した活動記録報告書、そして日本語能力を問う小論文のテストを経て1次試験の合格者が決まります。

2次試験では15分〜20分程度の面接で選抜が行われます。

ちなみに、出願書類にはTOEFLかIELTSのスコアカードの提出が義務づけられています。

1次選考〜2次選考の合格発表まで、9月中に行われます。

 

②国際教養学部

この学部は政治経済学部と同様、語学力のある学生を選考する傾向にありますが、帰国生に限定した閉鎖的な入試形態ではありません。

語学力に自信があれば、海外での生活がなくても合格は狙える学部です。

 

出願は9月に始まり「中学卒業以降の国際体験」、「中学卒業以降に一番力を入れて取り組んだこと」、「今までのご自身の経験と将来の夢をつなぐ場としてSILSを選んだ理由」の3つの短い文章と、英検、TOEFLなどの成績を提出するのが条件です。

 

2次試験では英語力を試す筆記試験を行い、合格者が決まります。

この学部では面接は行われません。2次選考が10月、合格発表が11月に行われます。

 

③創造理工学部(創成入試)

上記した2学部は英語力重視の選抜でしたが、この学部では、建築の分野において将来性のある人材を選抜する傾向があります。

そうした理由から、この学部では2次試験でドローイングが課されます。

 

出願条件は専願であることと、数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bの履修と理科の履修をしていることで、理系の生徒であればほとんどの生徒がこの基準を超えられるものです。

 

9月に出願が始まり、志願理由書と活動実績を記した報告書の提出が必要で、これを基に10月に2次試験を行い、11月に合格発表という流れです。

2次試験ではドローイングに加えて自己PR面接も行われます。

 

④先進理工学部

この学部は理系分野で優れた実績を持つものを選抜する傾向にあります。

 

出願条件として成績による基準は求められていませんが、数学オリンピックや科学グランプリなどでの明確な結果を基準として定めています。

 

1次試験は志願理由書の提出によって、そして2次試験ではオンラインでの面接によって合格者が決まります。

出願は10月から始まり、11月に2次選考を行い、12月に合格者が発表されます。

 

⑤社会科学部

この学部は英語力重視の選考で、合格までのハードルが非常に高いです。

英検、TEAP、TOEFLなどから一つ提出が求められていますが、英検でいえば1級程度の語学力は最低条件となっていて熾烈な入試であることが伺えます。

その他に、エッセイ、海外活動報告書、海外活動経歴証明書が出願書類となっています。

 

9月に出願が始まり、10月に1次の合格者発表、11月に2次試験で筆記試験を行い、12月に2次試験の合格者が発表されます。

 

⑥スポーツ科学部

学部の名前の通り、スポーツに秀でた人物が求められます。

募集要項には「全国大会出場等の優秀な競技成績(高校日本代表および同候補を含む)を有する者」と記載がされており、競技にもよるが高いレベルの成績が必要となります。

 

9月に出願が始まり、こうした実績書を基に選抜が行われ、10月に1次試験の合格者発表、11月に小論文と面接で2次試験を行い、同月に合格発表が行われます。

実績は最低限必要ですが、それをどのように表現するか、過程の点でどう伝えるかは対策ができるのではないでしょうか。

 

⑦文化構想学部

この学部は英語力を必要としていますが、同時に「日本文化を理解し、発信すること」を求めています。

日本文化に造詣が深く、かつそれを世界に伝えられる能力のある人材を求めています。

 

提出書類も英語で行わなければならず、英語系の資格提出も求められます。

2次試験も英語による口述試験が課され、選抜過程においては英語力が必須能力だと言えます。

 

出願は9月から始まり、1次試験合格者は11月に発表されます。12月に2次試験とその合格者発表が行われます。

 

⑧人間科学部

FACT入試(Fundamental Academic Competency Test)という、早稲田オリジナルの入試形式が行われている学部で5つの力(対話力・論理力・表現力・分析力・省察力)を持った学生を選考する入試のこと。

 

具体的に必要とされるのは、国語と理科の能力です。出願条件として、評定平均3,9以上に加え、国語と理科は4,1以上が必要となります。

またデータの分析能力というのも、求められる能力の一つとされます。

 

国内生活者と帰国子女者でそれぞれ募集が分かれており、一次試験で提出するのは志願理由書、英語検定試験のスコア、そして「データの読み取り力」を審査するためのレポート課題です。

 

2次試験は面接と論述試験が行われています。

論述試験では、英文読解の問題と、データ解析を試す試験内容が課されます。

出願時期は11月で、11月中に1次試験の通過者発表と2次試験を行い、12月に合格者の発表が行われます。

 

⑨新思考入試というのもある!

新思考入試とは、今まで見てきたような各学部の総合型入試とは異なる入試形態で、文学部・文化構想学部・商学部・人間科学部・法学部・スポーツ科学部の6つの学部が同じ試験内容を課して選抜するというシステムです。

 

地域に貢献する人材を選抜する狙いがあり、こうした観点で小論文を書くことになります。

「地域貢献」だからといって地方である必要はなく、大学側も居住地や出身地による制限はないとしています。

 

1次試験は課題レポートと今までの活動記録を示したもので審査されます。

そして2次試験は2時間かけて総合力を検査するテストを行います。

 

それに加えてこの入試では共通テストの結果も最終決定のために必用とされており、学部ごとに差はありますが、8割以上の点数を超えない限り、問答無用で落ちてしまいます。9月から出願が始まり、1次試験合格者発表と2次試験は10月に行われ、11月に2次試験合格者が発表されます。

 

その後、共通テストの結果を踏まえて2月に最終的な合格者が発表されていきます。

 

終わりに

ここまで、8つの学部で行われている総合型選抜の内容について見てきましたが、参考になったでしょうか。

「WASEDA VISION 150」という目標に向け、総合型選抜では、語学力(特に英語力)に力を入れた入試を行っている学部が多い印象を受けます。

学部によっては帰国生しか出願できないような学部もあるので、各自で確認しておく必要があります。

他にも、各学部が独自の狙いで入学者を選抜している例も多く、興味深い入試形態だと思います。

早稲田大学で受験を目指しているみなさんは、独特な入試に物怖じせずに、可能性を高めるためにもチャレンジしてみることをお勧めします!

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