るるぶ高校数学 数A 特別編 もしも「2進法」で算数を習ったら 小1編その2|大学受験エリート

るるぶ高校数学 数A 特別編 もしも「2進法」で算数を習ったら 小1編その2

こんにちは!

大学受験エリートのSuuです。

 

高校数学の勉強法、見どころなどを紹介する

るるぶ高校数学のシリーズです。

 

今回は、

数A 特別編 もしも「2進法」で算数を習ったら 小1編その2

です。

前回

 

前回の内容はバッチリでしょうか。

1桁の足し算、引き算、かけ算をマスターしました。

……と聞くと、かなり学習が進んだような気がします。

しかし、実態はかなり厳しく、

まだ

「りんごがある」か「りんごない」としか認識できていません。

このままでは日常生活に大きな支障が出そうです。

 

 

注意!

以下、この記事のアラビア数字はすべて「2進法」での表記です。

漢数字については、通常通り十進法での意味で使います。

アラビア数字を十進法で表すときは、

13(10)のように、「(10)」を末尾につけます。

 

いよいよ登場! 二桁の数!

みんな、足し算・引き算・かけ算はマスターできたね!

じゃあ、今日は新しい数を勉強しよう。

 

ーりんご1個の絵を見せながらー

はい、りんごが1個ありますね。

ここに、新しくりんごを1個加えたらどうなるかな?

 

ーりんご二個の絵に変えてー

どうだろう。

りんごは確かに「ある」けれど、

「1個」とは違うね。

「1」の次の数で表現したいね……

 

「1」の次の数を、

「10」と書きます。

「ジュウ」と読みましょう。

 

1個のりんごに、さらに1個のりんごを加えた状況を、

「りんごが10個ある」

と言いましょうね!

 

【解説】

二進法で使う数字は「0」「1」の二つだけです。

そのため、「二個」という状況を表すためには工夫が必要です。

そこで……

桁数が上がる

ことになります。

 

2進法世界の小学生は、始めからこの考えで数を学んでいます。

私たちが「九」の次は「十」とパッと浮かぶように、

2進法世界の人たちは「1」の次が「10」とパッと浮かびます。

何で? ……みたいなことは考えません。

そういうルールだと教わったし、そういう中で勉強をしていくのです。

 

また、この記事では(二進法の)「10」を、「ジュウ」と読むことにしましょう。

(実は、この2進法の「10」は、私たちにとっての「十」と同じような働きをします。)

 

二桁、三桁と勉強していこう!

じゃあ、もう少しりんごの数を増やして考えていこう!

りんご10個に、新しくりんごを1個加えた状況を……

りんご11個と言います。

そして、りんご11個に、また新しくりんごを1個を加えると……

あれれ、数字を書く場所が足りないね。

そういうときは、新しい「場所」を作ってあげて、

りんご100個と書きます。

読み方は「ヒャッコ」だよ。

「100」だったら、「ヒャク」と読んでね。

 

数を数えるときは、こういう風に大きな数を作っていこう。

1 (イチ)

10 (ジュウ)

11 (ジュウイチ)

100 (ヒャク)

101 (ヒャクイチ)

110 (ヒャクジュウ)

111 (ヒャクジュウイチ)

……

もっと数が大きい場合でも、同じように考えてね。

 

【解説】

少し哲学的な話になりますが、十進法でも「十」を1文字で表すことはできません。

9(10)の次の数……になると、桁数を増やして10(10)と表記します。

そして、

99(10)の次は100

999(10)の次は1000

のように、各桁の数が9(10)で埋まっているときに、

その次の数は仕方なくさらに上の桁を使って表現します。

 

2進法で算数を習う小学生は、

1の次の数が10

11の次の数が100

111の次の数が1000

……

というように、

各桁が「1」で埋まっているときに、

その次の数はさらに上の桁を使って表現します。

「なんで?」とかは考えません。

私たちが十進法の表記に「なんで?」を考えないのと同じです。

そうやって習ったから

今までそれでやってきたから

という認識でしょう。

 

 

二進法が常識の世界では、日常生活で「基準となる数」が全然違う

授業から離れて、ちょっとした思考実験をしてみましょう。

二進法で算数を習い、二進法で生活する人たちの文化圏を想像してみます。

 

私たちの十進法の生活では、

十、百、千、万、……

がよく基準として使われる数になります。

 

実は、それ自体は二進法の世界でも同じだと思います。

10,100,1000,10000,……

が分かりやすく、取り扱いやすい数です。(二進法の表現であることに注意!)

そのため、これらが色々な基準として使われる可能性が高いと思います。

 

例えば……

十進法の世界で、

「お風呂に入って十数える」

という場合。

同じ言葉を、二進法の文化圏でかけるなら……

「お風呂に入って、1000数える」

になるような気がします。

 

ちょっと分かりにくいので、説明しますね。

まず、二進法の小学生に「お風呂に入って、10数えて」と言うと、

1 (イチ)

10 (ジュウ)

と数えて終わりになってしまいます。

ちょっと短すぎますね。

一方で、「十」を二進法で表すと「1010」なので、

「お風呂に入って、1010数えて」と言ってみましょう。

1 (イチ)

10 (ジュウ)

11 (ジュウイチ)

100 (ヒャク)

101 (ヒャクイチ)

110 (ヒャクジュウ)

111 (ヒャクジュウイチ)

1000 (セン)

1001 (センイチ)

1010 (センジュウ)

といった具合に、確かに十回数えてくれるでしょう。

 

ただ、1つ問題があります。

それは、

「1010」という数が、二進法の感覚で非常に中途半端

な数であることです。

例えて言うなら、

十進法の世界にいる私たちが

「十三を数えて」

と言われているような感覚だと思います。

なんで十三という、半端な数字なの?

十で良くない?

と不思議な気分がしますよね。

同じように、二進法で算数を習った小学生や、

その文化圏で生きている人にとって、

1010は非常に中途半端な数なのではないでしょうか。

だったら、

1000でよくない?

と考えて、

「お風呂に入って、1000数えて」

という言葉になるのではないでしょうか。

 

 

なんとなくですが、

二進法や十進法が、あくまで

「ルールの違い」

であることが伝われば幸いです。

具体的にどのルールが違うかと言うと、

授業部分で見たように

「繰り上がりのルール」

です。

九の次で繰り上がれば、十進法。

1の次で繰り上がれば、二進法。

どちらが正しくて間違っているということはありません。

あくまで、ルール決めや文化の違いだと感じて欲しいです。

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