中学受験算数の「仕事量」は1時間あたりの仕事量で攻略しよう!|大学受験エリート

中学受験算数の「仕事量」は1時間あたりの仕事量で攻略しよう!

 

「仕事算」は文章問題でよく使われます。

「文章題は苦手」「読む前から分からない」などの声も聞かれます。

 

「仕事算」とはその名の通り、仕事量を求めるものです。

社会人になればリアルな話。

生産性とでもいいましょうか「何人いればこの仕事を効率的に回せるか」そのような世界が10年後に待っているなんて子どもは想像できないかもしれませんね。

 

ただ「1つの仕事を1人でやるより2人でやった方が速く簡単に終わる」のは小学生も感覚的に分かるはず!

そこがポイントです。

 

文章を読む前から苦手意識があると、その内容も頭に入ってこないでしょう。

今回は例えば「仕事算」の何をどう読み取ればいいのか、それをまず解説します。

キーワードは「1時間あたりの仕事量」です。

 

実際に問題を解くことによって「仕事算」そのもののイメージもつかみましょう。

 

1時間あたりの仕事量って何?

【例題】花子さんはどんな作業でも4時間で仕事を終えます。

友子さんは6時間でできます。2人で力を合わせればどのくらいの時間で終わるでしょう。

 

「意味分からない」「合わせればいいから4+5?」「う〜ん平均算みたいな感じ?(4 + 6)÷2で4.5時間」などさまざまでしょう。

 

例えば花子さんと友子さんに地域のお年寄りに向けた「48枚のカードづくり」を依頼したとします。

この場合の仕事量は「48枚のカードづくり」。果たして(4 + 6)÷2で平均値を求めればいいのでしょうか?

 

花子さんは「48枚のカードづくり」を4時間で終わらせるとします。

1時間何枚になりますか?

 

48÷4で12枚。つまり1時間あたりの仕事量は12枚です。

 

では友子さんはどうでしょう。

「48枚のカードづくり」を6時間で終わらせるとしたら、1時間あたりの仕事量は?

 

48÷6で8枚。つまり1時間あたりの仕事量は8枚になります。

 

2人一緒にやるのですから1時間で「花子さん12枚」と「友子さん8枚」の20枚。

2人でやれば1時間20枚作れます。

 

実際は48枚作ります。

つまり48枚を「1時間あたりの枚数20枚」でわって時間を求めます。

48÷20=2.4

 

2.4時間で仕事が完了しますね。

2.4は2時間と0.4時間。0.4を「分」に直す場合は1時間が60分ですから、0.4×60と計算します。

よって答えは24。

 

2時間24分となります。

(4 + 6)÷2の平均値とまったく異なります。

2人でやればずいぶん早く終わるのです。

・・・・・・・・・・・

お分かりのように「1時間あたりの仕事量」を求めれば、全体の仕事時間が見えてきます。

くどいですが「1時間あたり」の量を求める点は忘れないでください。

 

「でも、その数を何にしたらいいの?」「適当でいいの?」と疑問ですよね。

実は秘密があります!48の数字は今回の場合12でも構いません!

今回はあえて大きな数字にしたのですが…。

 

4と6の最小公倍数を「1時間あたりの仕事量」にすればOK!。

つまり12で計算しても同じ結果を得られます。

時間があるときに確かめてみてください。

 

「カード48枚」でなく「仕事を1」にして考える?!

先ほどの例題を使って、別のやり方を考えましょう。

 

【例題】花子さんはどんな作業でも4時間で仕事を終えます。

友子さんは6時間でできます。2人で力を合わせるとどのくらいの時間で終わるでしょう。

 

前の章では”例えば”ということで「48枚のカードづくり」を例に挙げました。

ただ、この問題に48の数字は一切ないですよね。

 

実は48も100も使わない方法があります。

それが「仕事を1」にする考え方。48ではなく1です!

 

先ほど計算するとき、花子さんだったら48÷4=12、友子さんだったら48÷6=8のように計算しましたね。

そして12 + 8=20というように、2人で一緒にやった場合の1時間あたりの量が分かりました!

 

それは「仕事を48」にしたからです。

でしたら「仕事を1」にしたらどうなるでしょう?

 

そうです!花子さんだったら「1÷4=1/4」、友子さんだったら「1÷6=1/6」になります。

つまり1時間あたりの仕事量は1/4 + 1/6となります。

 

通分して計算します。つまり分母は4と6の最小公倍数12。

1×3 12 1×2 12 ですから 5 12

ここで「あれ?何を求めてたんだっけ?」と思うかもしれません。

抽象的な考え方で問題を解いているので「カード48枚」という具体物の考え方より混乱します。

 

整理しましょう。

この5/12 は、「2人の1時間あたりの仕事量」。

実際は「48枚のカードづくり」ならぬ「1の仕事量」ですから、48÷20と計算したと同じように、1÷5/12 

と考えます。

5 12 = 12 5

つまり2時間と2/5時間。2/5時間は24分になります。

よって2時間24分と答えが出ますね。

 

このように今回は、仕事量を「48枚のカードづくりという仕事量」あるいは「1という仕事量」と考えて求めました。

ポイントは「仕事量を何とするか決める」「決めたらそこから1時間あたりの仕事量を求める」の流れです。

 

これをしっかり確認して、次の問題に挑戦しましょう。

 

【応用編その1】仕事の途中で交代する場合はどうなるの?

 

【問題1】太郎さんがある仕事をやり終えるのに5時間、次郎さんは4時間かかります。太郎さんが2時間だけして残りは次郎さん1人でやることになりました。次郎さんはどれだけの時間がかかるでしょうか。

 

ある仕事を「100枚のカードづくり」としましょう。

2時間はがんばった太郎さんの1時間あたりの仕事量をまず求めます。

 

太郎さんの1時間あたりの仕事量は100÷5=20(枚)。

2時間の働き分は20×2で40枚となります。

つまり100-40=60。残り60枚を次郎さんが作るのですね。

 

 

次郎さんの1時間あたりの仕事量は60÷4=15(枚)なので

60枚すべて作るには60(枚)÷15(1時間あたりの枚数)=4。

4時間必要ということになります。これでは次郎さんが大変ですね。

 

その対策として次のようにしてみました。

同じ応用編として問題を解いてみましょう。

 

【応用編その2】一緒に仕事をして途中で抜けるのはあり?!

先ほどと似てますが、違いはどこにあるでしょうか?

 

【問題2】太郎さんがある仕事をやり終えるのに5時間、次郎さんは4時間かかります。太郎さんと次郎さんが一緒に2時間だけして残りは次郎さん1人でやることになりました。次郎さん1人でやる時間はどのくらいでしょうか。

 

そうです!先ほどの問題と異なる点は、一緒にやった時間が2時間あるという点です。

でも「途中で抜けるのはずるい!」と思うかもしれませんね。

実際、その怒りは収まるのか、確かめてみましょう。

 

同じように「100枚のカードづくり」を仕事量と決めましょう。

 

太郎さんの1時間あたりの仕事量は100÷5=20(枚)

次郎さんの1時間あたりの仕事量は100÷4=25(枚)

よって2人でやる1時間あたりの仕事量は20 + 25=45(枚)となります。

 

つまり太郎さんは2時間で仕事を切り上げたので、合計45×2で90枚のカードを一緒に作ったことになります。

あと10枚は次郎さん1人でやるのです。

 

この時点で「な〜んだ、10枚なら許せる」となるかもしれませんね!その時間を求めるのは?

 

そうです!次郎さんの「1時間あたりの仕事量」ですね。

いつでもどこでもこの「1時間あたりの仕事量」に戻りましょう。

次郎さんのそれは25枚。つまり10÷25をやれば10枚分の時間が出せます。

 

10÷25=0.4(時間)。

1時間は60分ですから60×0.4=24。

24分ですべて完了するのです。

次郎さんの全体を通しての時間は、2時間24分!

次郎さんは24分間だけ余分に働きました。

お疲れ様…ですね。

 

 

まとめ:「1時間あたりの仕事量」で攻略!

いかがでしたか?

数少ない数字から何をどう求めればよいか分からない場合も、例えば「○○が仕事量」と決めたり「仕事量を1」と決定したりして計算していきます。

 

そして、忘れてならないのが「1単位あたりの仕事量」を求めること。これが重要です。

 

今回は時間の計算や分数の計算を詳しく解説しませんでしたが、1つの単元にさまざまな考え方や計算方法が含まれているのを理解できたでしょう。

 

算数や数学は既習事項が多く系統的に学習が成り立っています。

難しく感じた場合は、常に基本・過去の学習に戻ってみましょう。

 

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