大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高3トップレベル数学Ⅲ
第6講 2次曲線と極座標
です。
この記事では、チャプター1、2について扱います。
Chapter1
開始から4分0秒までが、問題(1)の解説です。
ここはウォームアップですね。
本番は、4分0秒以降です。
ここからすべて、問題(2)の解説です。
つまり、曲線Cのグラフをどうとらえるか?
の解説です。
曲線Cのグラフのとらえ方として、
①グラフを回転させて、標準形にする
②y=f(x)の形に変形して、気合でとらえる
③パラメータ表示を微分して、増減表をかいて調べる
の3つの方法が紹介されています。
4分0秒から11分20秒ごろの間が①、
11分20秒ごろから18分30秒頃が②、
18分30秒以降が③の解説です。
②の内容は、一つ前の講義の
高3 トップレベル数学Ⅲ 第5講
媒介変数で表された曲線 チャプター4
でほぼ同じ内容が解説されています。
③は、パラメータ表示された曲線の微分→増減表なので、基本事項です。
そうすると、このチャプターの内容で一番高級なのが
①グラフを回転させて、「標準形」にする
です。
ですが、この①の内容や計算式が、授業動画の中ではかなり省略されています。
そこでこの記事では、動画の中で省略されたこの①について扱いましょうか。
動画を見ていて、「結局、具体的にどういうことなん?」と疑問を抱えてしまった人向けに、詳細な計算を紹介します。
テーマ
2x2-2xy+y2=1
を回転させて、標準形に変えよう!
動画の内容に沿って行きましょう。
点(x,y)を、原点を中心にθ回転した点を(X,Y)とします。
複素平面の知識を使うと、
X+Y i=(cosθ+i sinθ)(x+y i)
が成立します。
Step1 xとyを、XとYの式で表す
少しテクニカルに行きましょうか。
『点(x,y)を、原点を中心にθ回転した点が(X,Y)』
ということは、逆に考えると
『点(X,Y)を、原点を中心に(―θ)回転した点が(x,y)』
と言えますから、複素平面の知識を使うと
x+y i=(cosθ-i sinθ)(X+Y i)
(※cos(-θ)=cosθ、sin(-θ)=-sinθ を利用しました)
この右辺を展開して整理すると、
x+y i =(Xcosθ+Ysinθ)+i(-Xsinθ+Ycosθ)
x,y,X,Yは実数だから、実部と虚部をそれぞれ比べて
x= Xcosθ+Ysinθ ……(Ⅰ)
y=-Xsinθ+Ycosθ ……(Ⅱ)
これが、xとyを、XとYの式で表した関係式です。
Step2 2x2-2xy+y2=1 をX,Yの式に書きかえる
2x2-2xy+y2=1 の左辺に、Step1で求めた関係式(Ⅰ)、(Ⅱ)を代入すると
2(Xcosθ+Ysinθ)2-2(Xcosθ+Ysinθ)(-Xsinθ+Ycosθ)+(-Xsinθ+Ycosθ)2
この式を整理すると、
(※ X、Yは文字、θは定数と考えて整理します)
(2cos2θ+2cosθsinθ+sin2θ)X2
+(-2cos2θ+2cosθsinθ+2sin2θ)XY
+(2sin2θ-2cosθsinθ+cos2θ)Y2
よって、XとYの関係式は、
(2cos2θ+2cosθsinθ+sin2θ)X2
+(-2cos2θ+2cosθsinθ+2sin2θ)XY
+(2sin2θ-2cosθsinθ+cos2θ)Y2
=1
(※ XYの係数
-2cos2θ+2cosθsinθ+2sin2θ
が0になるようにすれば、標準形になります!)
Step3 XYの係数が0になるように、θの値を定める
XYの係数が0になるときを考える。
-2cos2θ+2cosθsinθ+2sin2θ=0
sin2θ-2cos2θ=0
(※半角の公式を利用しました)
sin2θ/cos2θ=2
tan2θ=2
よって、
tan2θ=2
となるように、θの値を定めればよい。
(※動画の8分0秒から9分40秒の内容と、同じtan2θの値が出てきました!)
Step4 Step3で決めたθの値に沿って、X,Yの関係式を具体的に求める
Step2で求めたX,Yの関係式に、Step3で定めたθの値を代入すればOKです。
tan2θ=2のとき、
cos2θ=1/√5、sin2θ=2/√5
となります。
(θの値は、0からπ/2の間で考えればよいことを使いました。)
この値を利用して、Step2で求めた
(2cos2θ+2cosθsinθ+sin2θ)X2
+(-2cos2θ+2cosθsinθ+2sin2θ)XY
+(2sin2θ-2cosθsinθ+cos2θ)Y2
=1
の式を計算しましょう。
X2、Y2の係数は半角の公式を使えばsin2θとcos2θで表せますし、XYの係数は0になることに注意して計算すると、
X2の係数は
2cos2θ+2cosθsinθ+sin2θ=(3+√5)/2
Y2の係数は
2sin2θ-2cosθsinθ+cos2θ)=(3-√5)/2
よって、X,Yの関係式は
(3+√5)X2+(3-√5)Y2=2
(※分母を払いました。)
となり、これは確かに楕円の標準形になっています。
Chapter2
このチャプターの内容は、
高3 トップレベル数学Ⅲ 第5講
媒介変数で表された曲線 チャプター4
の内容とほとんど変わりません。
おさえるポイントも同じですので、
そちらに関して紹介した記事をご参考下さい。
この記事の内容は、授業動画の中で省略されていた計算の解説になってしまいました。
実は、この計算は初めて行いました。
(授業動画の先生と同じように、私も1次変換(線形代数、2次形式)で計算していました。)
複素平面を利用した計算も、三角関数が舞い踊っていて案外楽しいですね。
この記事の中に詳細な方針と、具体的な答えをのせておきました。
トップレベルを目指す皆さまは、ぜひ自分の手を動かしてチャレンジしてください!