大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高3トップレベル数学Ⅲ
第6講 2次曲線と極座標
です。
この記事では、チャプター3、4について扱います。
チャプター1,2は2次曲線の話題でしたが、
チャプター3、4では極座標がテーマです。
極座標について、簡単におさらいをしましょう。
平面上の点位置を、
原点からの距離r
x軸からの回転角θ
の2つ数値で表すのが極座標でした。
普通のxy座標(直交座標)が次のようなイメージだとすると、
極座標は、次の図のようなイメージです。
身近なところにある極座標は、緯度・経度でしょうか。
(3次元の極座標ですが……)
子午線からの回転角、赤道からの回転角で地球上の位置を表したのが、
緯度・経度ですね。
東経〇°、北緯□°なんて言いますが、この単位に注目しましょう。
〇°となっています。
「角度」で「位置」を表していることが分かりますね。
Chapter3
チャプター3では、問題(1)を扱っています。
動画開始~2分30秒ごろの間で紹介されている式は、
極座標を扱うときの基本中の基本です。
非常に大切なので、この記事でもおさらいしましょう。
x=rcosθ ……(Ⅰ)
y=rsinθ ……(Ⅱ)
r=√(x2+y2) ……(Ⅲ)
……非常に大切な公式というより、
極座標を扱うときに使える式は、この3つぐらいしかありません。
また、これらの式は暗記不要です。
極座標の意味と三角比の定義が分かっていれば、一瞬で思い出せます。
動画の1分0秒~1分20秒ぐらいの間で、先生が黒板の右下にかいた図を思い出せるようにしましょう。
ここに、極座標のすべてが詰まっています。
動画の3分0秒から8分20秒ごろまでが r > 0 の場合、
8分20秒から10分0秒ごろまでがr=0の場合を扱っています。
この2つが「普通の」極座標の扱いです。
このパートのポイントは、極座標をx,y座標に変換して
x2+y2=2x+2y
の式を求めるところです。
この式にさえできれば、
結局、円ジャン、楽勝ジャン!
と、大変心が楽になりますからね。
この変換で使える式は、(Ⅰ)~(Ⅲ)の式のみです。
(Ⅲ)を使えばrはすぐにxとyに変えられますから、
(Ⅰ)と(Ⅱ)をどう使うか?
がミソです。
θはすぐにx,yに変えることができませんから、
(Ⅰ)と(Ⅱ)を使うため、
rsinθ、rcosθの形をつくる
のが極座標を変形のコツです。
動画の10分0秒ごろから、r < 0 の場合が解説されます。
『(-r,θ)を(r,θ+π)とみなす』
の処理ですね。
一体、どういう条件なのでしょうか……。
さてさて、動画の12分0秒から、19分20秒ごろの間!
ここは、超重要テクニックが出てきています。
それは、
具体例で実験する
ということです。
よく分からない問題文に出会ったときや、
初見の条件に出会ったとき。
戸惑うのが普通です。数学のプロだって戸惑います。
そういうときに、数学力の高い人ほど行うのが、
具体例で実験する
ということです。
見たことも扱ったこともない条件でも、具体例を計算して分析すると、
「なんだ、そんなことか」
となってしまうことがあります。
動画でいうと、15分20秒から16分20秒の間。
この点は……要するに、ここのこと!?
と気づいた瞬間。
この瞬間に、謎めいた条件であった
『(-r,θ)を(r,θ+π)とみなす』
が、とたんに恐ろしくなくなります。
これが実験です!
これが実験の威力です!
あえて大げさにいうと、
数学の実力の99%は、実験する力
と言えます。
実験のメリットを、もうひとつお伝えします。
具体例で行った実験結果は、
検算に使える
という絶大なメリットがあります。
最終的な答えの確認や、途中の議論にミスがないかを確認する際に、
実験結果の具体的が大変役に立ちます。
これは、「時間内に、正確に解く」ことが求められる
大学受験の数学
において、非常に大きな利点となります。
この動画で一番大事な数学のエッセンスは、上記の「実験」の部分です。
見慣れない条件や、初見の数式にアタックするときの、
最重要テクニックが実験です。
ぜひ、授業動画の実験を鑑賞し、先生の姿勢を学んでください。
実験が最重要ですが、授業動画の中で触れられていない数学的な背景についても補足しましょう。
動画を見ていて、次のような疑問を感じませんでしたか?
『(-r,θ)を(r,θ+π)とみなす』
という新条件を加えているのに、なぜ元の円から外れた新しい点が出ないのか?
……と。
こういう疑問を、ロジカルに考察して分析するのも大切です。
r=2cosθ+2sinθ
が元々の関係式でした。
『(-r,θ)を(r,θ+π)とみなす』
という条件をこの式で考えてみましょう。
r=2cos(θ+π)+2sin(θ+π)
は、θ+πの公式を使うと
r=-2cosθ-2sinθ
になりますから、
―r=2cosθ+2sinθ
となります。
この―rをrに置きかえるのだから……
なるほど、元の式と変わらないわけですね。
このような背景があって、元の円から外れた新しい点は出てこなかったのですね。
Chapter4
問題(2)と(3)を扱ったチャプターですが、視聴しなくても大丈夫だと思います。
問題(1)のグラフさえかけていれば、図から簡単に答えが分かります。
また、授業動画も「図から分かるよね」で終わっています。
いかがだったでしょうか。
実験の大切さを、ぜひこの授業動画からくみ取りましょう。