大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高3トップレベル数学Ⅲ
第7講 挟んで極限
です。
この記事では、チャプター1、2について扱います。
「挟んで極限」がテーマということで、
「はさみうちの原理」に関する問題です。
「はさみうちの原理」は、「理解する・納得する」のは非常に簡単な一方、
実戦で使うのは容易でない定理の典型です。
「はさみうちの原理」を使う場合、
上下からの評価(対象よりも大きい式と、小さい式)が必要です。
誘導がついている問題は、誘導に乗っかって上下から評価すればOKです。
一方、トップレベルの大学受験数学では、誘導がついていないことも多いです。
その場合、上下から評価する式を自力で見つけなければいけません。
問題集の模範解答だけ読んで勉強していると、
どこからともなく絶妙な式変形が出てきて、
綺麗に一発ではさみうちの原理が決まる
ように見えますが、実際はそうではありません。
闇雲に計算していても、絶妙な不等式評価にはたどり着けないのです。
この講座では、
上下の評価式を自力で見つける際のコツ・ポイント
が紹介されています。
ぜひ、はさみうちの原理を実戦で使うポイントを、この授業動画で学習して下さい。
チャプター1、2では問題[A]の(1)、(2)が解説されています。
問題[A]の解説が非常にコンパクトにまとまっていますが、
その中に重要なエッセンスがたくさん入っています。
トップレベルらしく、テンポの速いに授業になっていますが、
重要なエッセンスの部分を1つひとつご紹介したいと思います。
Chapter1
問題(1)を解説するチャプターのように見えますが、本質は
「問題(2)のための準備」
がポイントのチャプターです。
開始~6分0秒の間は、
微分(→省略されていますが、増減表)を利用して、解の配置を調べる解法が紹介されています。
基本的な処理法であり、不等式の証明などにも利用できて、
非常に汎用性が高い手法です。
不安な人は、授業動画で復習しておきましょう。
6分0秒からラストまでは、
与えられた方程式を変形して処理する方法です。
問題(1)を処理するだけなら、微分して増減表で十分です。
ですが、次の問題(2)では「解の極限」を求める必要があります。
はさみうちの原理で攻めていくことになりますが、その際……
テクニック①
はさみうちの原理を利用するとき、
可能ならば、極限値を予想しよう!
はさみうちの原理を使う場合、
『同じ値に収束する、上下ふたつの式』
を用意することになりますが、
闇雲に上下から評価しても、中々うまくいきません。
例えば、収束先が「1」と分かっていれば、
「1」に収束する二つの式で、上下からはさめばいい
と、用意するべき式が明確になります。
テクニック②
絶対でかこってから評価する
さらに、an→1ではなく、
|an-1|→0
とした方が扱いやすいです。
具体的には、
|an-1|を、0に収束する式で上からおさえる
として、はさみうちの原理を使うのがコツです。
(チャプター2で紹介される内容ですが、
テクニック①とセットで覚えてほしいので、ここで紹介しました。)
さて、
収束値を予想する
のがポイントなのですが、
どうしたらanの収束値の予想が立てられるのでしょうか。
テクニック③
「定数nのある部分」と、「定数nのない部分」に分ける。
動画の7分0秒ごろから紹介されているテクニックです。
はさみうちの原理に関するテクニックというより、
係数に文字が入った方程式を扱うときのテクニック
です。
解の配置問題などでも使う超重要テクニックで、
2x3+3nx2-3(n+1)=0 の解が……
という問題をみたら、授業で紹介された
3n(x2-1)=3-2x3
の式や、
n=(3-2x3)/3(x2-1)
の式にしたらどうか?
から考えます。
トップレベルを目指す人は、
どう解こうかな? と考える前に、
上記のパターンへの変形がどうなるか?
から考えるクセをつけましょう。
先生が、8分0秒から8分20秒ごろで言っていますが、
慣れてくると「一瞬で」それぞれの式への変形が考えられるようになります。
その中で、
「この問題は、どの形の式で考察するのがよいかな?」
と考えられるようになると、数学の実力が高いレベルで安定してきます。
Chapter2
問題(2)の解説です。
チャプター1で、anの収束先は1と予想できています。
そのため、どうやって
an→1 n→∞
を示すのか?
が焦点です。
ここで使うのがはさみのうちの原理なのですが、
|an-1|→0
を示すのが手筋です。
(この記事のチャプター1の中で、先にテクニック②として紹介しました。)
一見、絶対値を使うとより難しくなるように感じるかもしれませんが、
上下からではなく、上からだけおさえればいい
という大きな利点があります。
|an-1| > 0
と、下からの評価は自明なため、上からの評価だけ考えればいいのですね。
さて、3分20秒から3分40秒の間!
サラリと流してしまいそうですが、ここでの先生の話が大変重要です。
ここの部分が、
どうやって、自力で評価する不等式を見つけるのか?
のコツです。
an-1の式を眺めながら、
n→∞としたとき、もしもanが定数だったら、
an-1が0に収束するって言えるのになあ
と気づけるかどうか。
この、
「……だったら、いいのになあ」
という発想が、一つのコツです。
anが定数だったらいいのになあ。
→anの動く範囲を上や下からおさえられれば、anを定数にとりかえた式でおさえられるなあ
→あっ、anの動く範囲は、問題(1)の考察から分かっているじゃないか!
というように、
「……だったら、いいのになあ」
から出発して、評価する不等式を見つけるのが、
今回の授業動画で扱われているテクニックです。
この、
「……だったら、いいのになあ」
は、はさみうちの原理に限らず有用なのですが、
特に不等式評価の問題では重要になります。
「……だったら、いいのになあ」
から始めて不等式を見つけていく思考過程とその呼吸を、
ぜひこの授業動画から吸収しましょう。