大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高3トップレベル数学Ⅲ
第7講 挟んで極限
です。
この記事では、チャプター3~5について扱います。
チャプター3~5は、問題[B]の解説です。
Chapter3
はさみうちの原理を使うにせよ、使わないにせよ、
極限値を予想しておく
ことはとても重要です。
式変形や解答の方針が非常に立てやすくなりますからね。
特に、はさみうちの原理を使う場合は、
上下から評価する式に何をもってくるのか?
を考えやすくなるため、恩恵が大きいです。
開始から7分0秒ぐらいまで、
問題文の設定に沿って素直に考察しています。
グラフのかきかたですが、
sin(x+a)→sinxを、x軸方向に―a平行移動したもの
です。
xsinxのグラフですが、sinxと似たような波うったグラフになります。
グラフを考えるコツですが
x=nπ で0
x=π/2+nπ あたりが山のてっぺん
となることに注目して、グラフをかいていくといいです。
さて、7分0秒あたりからの式変形が重要です。
授業動画の中で先生が言っている通り、
「少しでも文字を減らそう」
「文字をなるべく集めて、まとめよう」
という方針で変形しましょう。
図の考察のしやすさが、そのまま極限計算のしやすさに直結します。
式変形の結果、非常に考察しやすい図になりました。
極限値は自信を持って0と分かります。
さて、後は数式で示していくか……というところで、チャプター2へ続きます。
Chapter2
チャプター1の最後に、
tanxn=sina/(xn-cosa)
という式に辿り着きました。
調べたいのは
xn-nπの極限値でしたが、
この式のn→∞での挙動も考えておきます。
左辺のtanxnは……分からない。
というか、これが分かれば
xnの極限が分かり、xn-nπの極限が分かることと同じかあ。
右辺は、0に収束するな。
ふむふむ。
……と、トップレベルを目指す人は、さらっとこのぐらいの考察ができるように訓練しましょう。
なんとなく思いついた式変形を繰り返すのではなく、
普段から、式を眺めて、特徴をとらえて、「なぜ、その式変形をするのか?」を考えてから計算をする
という訓練を積んでいくことが大切です。
さて、どこから
xn-nπ
を出していきましょうか。
サラリと流されていますが、かっこいいテクニックが出てきます。
tanxが周期πの周期関数
ということに注目すれば、
tan(xn-nπ)=tanxn
と分かるので、
xn-nπの式をすぐに出せるのですね。
意外と、周期性は見落としがちです。
「三角関数のグラフは、同じ形の繰り返し」
ということは、常に頭の片隅にいれておきましょう。
これが、周期性の意味するところですから。
また、4分15秒あたりから先生が注意しているところは、
非常にうっかりしそうです。
(実戦なら、私もうっかりしそうです 汗)
気づきさえすれば、そこからの議論は簡単です。
大切なのは、
tanx→0でも、x→0とは限らない
ということに、気づくことですね。
そのためには、普段から意識して精密な議論をするに限ります。
トップレベルを目指す人は、「なんとなく」ではなく、
一つひとつの議論を精密に行う意識を、普段の一問一問から持ちましょう。
Chapter5
問題(2)の解説です。
開始~4分30秒までの考察・解説が最重要です!
n(xn-nπ) ……①
の極限を調べたいのですが、このままでは変形のしようがありません。
なにか、別の式で評価して
tanxn=sina/(xn-cosa)
の条件を使っていきたいところですが……
tan(xn-nπ)=tanxn
ですから、
tan(xn-nπ)= sina/(xn-cosa) ……②
を使っていくのでしょうか。
ここで、①と②を繋ぐために、
三角関数がらみの定番の不等式評価を利用します。
三角関数がらみの不等式評価
x≒0のとき、(x→0のとき)
x ≒ sinx ≒ tanx
とくに、その大小関係は、x > 0 において、
sinx < x < tanx
これは、1分40秒~2分0秒あたりで先生が板書した図とセットで、頭にイメージしておきましょう。
むしろ、式を覚えるというより、図の方で覚える感覚がオススメです。
cosxは考えなくていいの?
と感じた人もいるかもしれません。
cosxは、x→0のとき1に収束しますから、cosx≒1です。
定数として扱えるため、x→0のときにcosxを評価する必要はありません。
そのため、cosは登場せず、x,sinx,tanxの評価だけ紹介されるのですね。
もしも、
x≒0のとき、x ≒ sinx ≒ tanx
を忘れてしまったときは、
sinx/x→1 (x→0)
の式から思い出しましょう。
この式が、x≒0のとき、x ≒ sinxを意味しています。
同じように、
(ex-1)/x →1 (x→0)
という、数Ⅲで覚えるべき極限公式から、
x≒0のとき、ex≒1+x
という、指数関数を多項式で近似する関係も得られます。
この式も、三角関数の近似・評価とセットでおさえておきましょう。
対数関数の近似式もあるのですが、これは自力で考えてみましょう。
具体的に、課題とします。
課題
sinx/x→1 (x→0) から、『x≒0のとき、x ≒ sinx』
(ex-1)/x →1 (x→0) から、『x≒0のとき、ex≒1+x』
をイメージできたように、
対数関数についても、
極限公式から、対数関数を多項式(1次式)で近似する関係を考えましょう。
そうそう、余談ですが。
数Ⅲをやっていると、ちょこちょこと出てくる
Taylor展開(テイラー展開)
ですが、この考え方の延長です。
つまり、今は1階の微分の極限計算から、多項式(1次式)での近似を考えましたが、
これを2階の微分、3階の微分、……
を考えて、多項式で近似していくのがTaylor展開です。
(特に、x=0付近での展開を考えるのが、Maclaurin展開ですね。)
式を考察して、いじくりまわして……
として、はさみうちで使う評価式を見つけるのも大切ですが、
定番の評価式は知っておくのも重要です。
今回の授業動画や、この記事で紹介した
三角関数、指数関数、対数関数の近似式はしっかり習得しましょう。