大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高1・高2トップレベル数学ⅠAⅡB 第36講
相加平均と相乗平均
です。
ついに来ました、相加・相乗平均の不等式。
x,y > 0 のとき、
(x+y)/2≧√xy
という関係ですね。
左辺が相加平均、右辺が相乗平均です。
最大値・最小値を計算する上で役立つ、大学受験数学の重要テクニックです。
一方で、誤答量産機としても名高い有名不等式です。
使いこなせば、最大・最小計算の大幅なショートカットが可能な一方で、
使い方を間違えると自滅を招く不等式です。
まさしく、諸刃の剣。
正しい型を習得しないと、危険な技です。
とはいえ、決まったときのリターンが大きいため、トップレベルを目指すうえで避けて通れません。
この授業動画で、正しい使い方をしっかりマスターしましょう。
Chapter1
この講座の最重要チャプターです。
このチャプターの内容が魂に刻まれるまで、視聴しましょう。
繰り返し見てもいいと思います。
見どころ① 相加・相乗平均の不等式の証明
親切なことに、相加・相乗平均の不等式の証明から説明してくれています。
因数分解の仕方がカッコいいので、知らない人は見ておきましょう。
授業の先生は、「有理化……」とたびたび呟いていますが、私は対数をとって対数関数のグラフの凸性で落とすのが好みです。
両辺を二乗して、放物線y=x2の凸性に持っていく方が有名かもしれませんが、
対数をとるほうが乙だと思います。
(個人的な趣味です。相乗平均に対数をとると、相加平均になるのが気持ちいい!)
色々な証明法がありますので、余裕のある人は調べてみるのも面白いですよ。
見どころ② 相加相乗平均の誤答例
このチャプター1では、誤答例の紹介に時間を割いています。
ここが非常に重要です。
なぜ誤答なのか?
を理論的に理解するとともに、
誤答を見た瞬間に、「瞬間に」ですよ?
「これはヤバイやつだ!」と魂が自然に叫び出すまで、
心に刻んで欲しい例です。
まず、なぜ誤答なのか? を正しく理解しましょう。
例えば、(Xを実数として、)
X2≧-1
という不等式は正しいですが、X2の最小値は―1ではありません。
X2は常に正なので、-1よりも絶対に大きいのは確かなのですが……
悲しいかな、
X2=-1
と、等号が成立するXの値が(実数には)存在しません。
(Xの式)≧定数
の形にできても、
等号を成立させるXが見つからなければ、最小値は分からない
ということです。
逆に、等号を成立させるXが見つかるなら、右辺の定数がそのまま最小値になります。
授業の中でも先生が言っていますが、
不等式『≧』から最小値を議論するのは、等号成立を調べてから
ということを、理屈でしっかり理解しましょう。
見どころ③ 構え、放ち、残心をとる 正しい型の習得
さて、典型的な誤答例を学んだら。
相加相乗平均の不等式の、正しい型を鑑賞しましょう。
正しい型とは、次の(1)~(3)です。
(1)【構え】使用条件の確認
(2)【放つ】不等式の使用
(3)【残心】等号成立条件の確認
それぞれ、確認しましょう。
(1)【構え】使用条件の確認
は、相加相乗の前提条件である
x > 0,y > 0 を確認する
ということです。
相加相乗を放つ前の、大事な【構え】ですね。
この【構え】なしに、相加相乗は使えません。
(2)【放つ】不等式の使用
一番気持ちのいい場面です。
チャプター2の内容になりますが、
文字が消えて、定数だけが残るように
【放つ】のがコツです。
分母を払った、
x+y≧2√xy
の形で【放つ】ことも多いですね。
(3)【残心】等号成立条件の確認
そして、ここが最重要。
不等式使って、【放つ】で満足してはいけません。
相加相乗の不等式は、必ず最後に
等号成立条件
を確認して下さい。
【残心】にあたる所作ですが、剣道と同じで、
【残心】がないと有効打として認められません。
大学受験だと、点数としてカウントされなくなるということです。
必ず等号成立条件を確認する【残心】をとって下さい。
(1)~(3)が、相加・相乗平均の不等式を使う際の正しい型です。
この(1)~(3)の動きを、毎回、必ず行って下さい。
そうしないと、誤答まっしぐら……という悲しい事態を招きますよ。
Chapter2、3
相加・相乗の正しい型はOKですか?
では、チャプター2、3のテクニック編に進みましょう。
(2次)/(1次)や、(1次)/(2次)
は相加・相乗のチャンス!
これらの分数関数(有理関数)は、
多項式のあまり付き割り算を利用すると
(1次式)+定数/(1次式)
の形を作れますね。
この形が、相加・相乗平均のねらい目です。
相手の隙を見逃さず、すかさず相加・相乗の【構え】を取りましょう。
何? 負の値が出てきてしまって、構えが取れない?
……チャプター3に、対策法が紹介されています!
そして【放つ】、いざ相加相乗!
何? 文字が消去できなかった?
……それは放ち方が甘かったですね。チャプター2のテクニックを鑑賞しましょう!
そ し て !
必ず等号成立条件の確認を、【残心】を忘れずに!
とまあ、テクニックの吸収は軽く流しましょう。
大事なのは、
「正しい型」
です。
【構え】【放つ】【残心】の3点セット。
毎回忘れずに行って下さい!