【問題集・参考書の活用法 英語 第1回 : 英文法問題集 「Vintage」】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
記念すべき第1回は、いいずな書店さんの「Vintage(ヴィンテージ)」です。
解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方、参考になれば幸いです。
では、本題へ!
大学受験向けの学習 2ndステップに適!
およそ1600題で構成されるこの問題集は、Field1~6にカテゴリー分けされています。
F1:文法 / F2:語法 / F3:イディオム
F4:会話表現 / F5:ボキャブラリー / F6:発音・アクセント
このうち、F1~F2で全ページの半分以上を割いており、ここがメインだとすぐに分かります。
しかしながら、F3以降は重要度が低いかというと、そういう訳ではありません。
F3・F5に関しては、覚えた単語やイディオムをアウトプットするのに適します。
ですので、単語帳や熟語帳をひと通り終えた後にやるとよいですね。
また、F4に関しては、近年会話表現の出題が多くみられるため、軽視はできません。
発音・アクセントのF6、ここだけは問題演習の形式ではなく、要点まとめの形式です。
したがって、発音・アクセントの出題のある大学を受験する際の、直前確認用でもよさそうです。
では、どのタイミングでやればよいのか。
それは、「ひと通り英文法を理解した後」になります。
具体的に、以下のような学習ステップをイメージしてください。
1stステップ:英文法のインプット(理解)
2ndステップ:英文法のアウトプット(演習)
以降、英文解釈・長文読解や実践的な英文法問題演習(正誤問題など)へ
例えば、F1の以下の問題を例にとってみます。
It's time you ( ) those trousers .
① are washing ② had washed ③ wash ④ washed
お、仮定法の問題だ、とピンときたアナタ、よく勉強していますね~感心です!
そう、正解は、④のwashedですね。
ページ右側には、その問題に対しての要点があります。
この問題ですと、【 it is time + 仮定法過去 「もう・・・してもよいころだ」 】となっています。
そう、いったん理解した事項の確認としては向きますが、最初に手を出してしまうと……
何で前半はisなのに急に過去形になってしまうんだ?よく分からないけど暗記しておこう!
→こんな感じで右側の要点をただ暗記するという、まさに苦痛な英文法の学習になってしますのです。
ところが、仮定法の原則をまずは1stステップで参考書等で学習したとします。
「仮定法過去、それ即ち、現在の事実に反する仮定の文で使う時制だ!」などと理解していれば……
そう、you以下は現在の事実と正反対の内容が入るので、そりゃ過去形(仮定法)となる訳です。
意味もすんなり、もうあのズボンを洗う頃ですよ(現在は洗っていない状態)と取れますね。
F2からも1題を例に出して説明してみますね。
I'll never forget ( ) the beautiful sea from the hill on my last trip .
① see ② to see ③ seeing ④ seen
あ~これは不定詞or動名詞のところで勉強したなぁ、とすぐに気がつきましたでしょうか。
そう、この文の場合は、正解は③seeing(動名詞)ですね!
※今回は忘れないのは「過去のこと」になるからto不定詞ではなく動名詞だ、と考えられましたか?
この設問に対して、右側には「目的語が動名詞と不定詞で意味が変わる動詞」というまとめがあります。
ここを独立して覚えるよりも、1stステップ段階で4カテゴリーをまずインプットしたいですね。
一 to不定詞のみを目的語にとる動詞の代表例(hopeなど)
二 動名詞のみを目的語にとる動詞の代表例(finishなど)
三 to不定詞・動名詞どちらも目的語にとれ、意味も変わらない動詞の代表例(likeなど)
四 to不定詞・動名詞どちらも目的語にとれるが、意味が変わる動詞の代表例(rememberなど)
その上で、今回は「四」に該当するforget(~を忘れる)という動詞だったから・・・略)
という風に、インプットした事項を正しく引き出す(アウトプット)訓練に使いたいのです。
その上で、要点で全て頭に入っているか、再度チェックするのがよい使い方となります!
このように、理解した各文法事項のアウトプットに、この手の問題集は適します。
参考書とそれに準ずる問題集(基礎確認)で「1stステップ:型づくり」をした後の練習、ですね。
例えるなら、1stステップは「素振り」・2ndステップは「バッティングマシーン練習」でしょうか。
型ができていないのに、120キロの球はそう打てませんよね(野球興味ない方すみません)。
英文法の習得を苦痛な暗記としないためにも、必ず1stステップをクリアしてから始めましょう。
(1stステップで有用な参考書も近いうちに紹介していこうと思います)
では、どのくらいの時期までに終わらせるのがよいでしょうか。
1つの目安になりますが、
「国公立大・私立大最上位志望」の場合、高2までに完了、
上記に該当しない場合は、高3の夏休み前までに完了、と理解しておきましょう。
この過程の後に、これまた時間のかかる英文解釈・長文読解の訓練と続きます。
ですので、英文法固めは、早いに越したことはないのです。
1stステップから段階を踏んで、いつまでに終わらせるか決めておきたいですね。
最後に、Vintageを使って学習を進める場合の、おススメのやり方です。
これくらいやれれば、英文法は「得点源」になっていると思いますよ!
①週の目標(ここまで解く!という目安)を決める
②間違えた問題には赤で×を入れた上で要点・周辺事項を参考書等でおさらいする
③正解はしたものの根拠があいまいな問題には赤で△を入れた上で要点を同様におさらいする
④Fieldを1つクリアしたら、×△のついた問題だけ再チャレンジする(得点できたら青で〇をする)
⑤全Field終了後、急スピードで最初から解き直す(赤の×△が残っている問題は特に注意する)
→ちゃんとやろうとすると、かなり時間を要しますので、早めから計画的に取り組みたいですね。
※英文法理解の確認はF1・F2、単語イディオムのアウトプットにF3・F5と分けて使うのもアリ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
網羅性の高い「Vintage」、まとめページを有効に使うことで、効果的な学習が期待できますね。
しかし、「1stステップの理解するところで止まっている!」と思った方もいらっしゃるかと思います。
確かに、理解する部分を全て一人で進めるのは、なかなか骨が折れる作業ですね。
大学受験エリートは、授業は個別指導ですので様々なニーズにお応えすることができます。
英文法の理解、これは私が昔からずっと最初にじっくり行ってきた授業内容です。
受験英語の第1歩を踏み出したい、と考えている方は、ぜひ一度、学習相談にいらしてください。
目標から逆算して、無理のない学習計画をいっしょに考えて差し上げます!
ではまた次回をお楽しみに! See you!