大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡB 第8講
定義に従って微分
です。
この記事では、チャプター1~3について紹介します。
「定義に従って微分」ですが、悩ましいテーマです。
・極限の計算を使うけれど、扱いが曖昧で分かりにくい
・サラリと授業が進むので、理解する前に次に進んでしまう
・実戦では、定義よりも微分公式の方を圧倒的に使う
などの事情で、トップレベルを目指す人でも習得できていないかもしれません。
入試で問われることもあまり多くはないのですが、
トップレベルを目指すなら、念のため習得しておきましょう。
数学的には「定義に従って計算」という話題は最重要課題なのですが、
みなさまにとって大事なのはあくまで「大学受験の数学」ですよね。
大学受験の数学で言うと、
チャプター3で扱われる式変形のテクニックが一番参考になると思います。
個人的に
「だったらいいな変形」
と呼んでいるテクニックです。
トップレベルを目指すならぜひ習得して欲しいテクニックですので、
ぜひ注目して下さい。
Chapter1
「微分の定義」を解説するチャプターです。
微分係数と導関数の定義式の由来を、丁寧に解説してくれています。
授業動画の中でも言っていますが、微分の定義式は
式だけを覚える
のではなく、
図形的に覚える
のがオススメです。
(実は私も、式自体はきちんと覚えていません。
授業中に、図をかきながら思い出すことも多いです。)
頻繁に使う式ではないので、貴重な記憶容量を割いて覚えるのは効率的ではないです。
ただ、「接線の傾きを求める考え方」は面白いので、ぜひ覚えて欲しいです。
接線の傾きの求め方をそのまま数式に表したのが微分の定義なので、図形的な考え方だけ覚えておくのがオススメです。
8分30秒ごろから、微分の定義式の変形式を紹介してくれています。
最終的に3パターン出てきますね。
覚える定義式は1つだけにしぼり、他の定義式は覚えた式から導けるようにするのがいいですね。
授業動画の解説を参考に、他の定義式を導く変形をしっかりおさえましょう。
補足1
ちなみに、私が覚えている微分の定義式は
『Δy/Δx の Δx→0 での極限』
です。他は、必要に応じて導いています。
補足2
極限の精密な意味や、微分可能性などの細かい話はスルーしましょう。
あくまで数Ⅱの微分法です。
突っ込むだけ野暮ですよ!
Chapter2
問題(1)、問題(2)の証明を扱ったチャプターです。
問題(1)は定番で使いまくる微分公式、問題(2)は「微分は、バラバラに計算できるよ」という性質です。
(専門用語で、問題(2)を微分の線形性と言ったりします。)
注目して欲しいのは、問題(1)の解説です。
①αn-βn の因数分解の利用
②二項定理の利用
の2つの証明方法が解説されています。
私はいつも②でやっていたのですが、なるほど①でもできますね。
①の因数分解の方がメインで扱われているので、
この記事でも軽く補足しましょう。
αn-βn の因数分解は、
αn-βn=(α-β)(αn-1+αn-2β+αn-3β2+……+αβn-2+βn-1)
となります。
この問題のように、なにかと使えると便利なのですが、
「覚えないとダメ?」
と気になるかもしれません。
覚えるにはハードルが高いので、式の構造で理解するのがオススメです。
授業動画の1分30秒から3分40秒のあいだに解説されているように、
二乗、三乗の公式の延長として、「空気で」覚えるのもひとつのやり方です。
もうひとつの方法として、
α―βに何をかけたら、αn-βnにできるか?
を考えていくやり方もあります。
文章で説明するとややこしくなりますが、
αnをつくるために、「αn-1」を用意しよう(αとかければ、αnが出てきます!)
すると、「αn-1」と―βをかけた「-αn-1β」という余計な項が出てくるなあ
余計な項を打ち消すために、「+αn-2β」を用意しよう(αとかければ、+αn-1βが出てきます)
すると、「+αn-2β」と―βをかけた「-αn-2β2」という余計な項が出てくるなあ
打ち消すために、……
と考えていく方法です。
方法はなんでもよいので、
何度も思い出して、使う
ということを繰り返すと、いつの間にか覚えてしまいます。
毎日1回でいいから、練習してみるのもいいですよ。
最初に見たときは複雑に感じた
αn-βn=(α-β)(αn-1+αn-2β+αn-3β2+……+αβn-2+βn-1)
も、そのうち当たり前になりますよ!
Chapter3
問題(3)、問題(4)を扱うチャプターです。
ここの見どころは……
「だったらいいな変形」
です!
具体的には、次の4か所が「だったらいいな変形」です。
4分0秒から5分0秒
6分30秒から7分30秒
7分30秒から8分10秒
11分0秒から11分50秒
微分の定義式の形にしたい……けど、形が違う……
と困ったとき。
「〇〇だったらいいのになあ」
「〇〇だったら、微分の定義式の形になるのになあ」
という「だったらいいな」から出発して、
後からつじつまが合うよう微調整する
という作戦です。
この変形は色々なところに応用が利きます。
有名どころだと……そうですね、みんな知っている「平方完成」など、
「だったらいいな変形」の典型でしょうか。
「だったらいいな変形」は、大学受験の数学で幅広く登場します。
授業動画では非常に面白く解説されていますよ。
ぜひ、その心とコツを、この授業動画の中からくみ取りましょう。