大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高1・高2トップレベル数学ⅠAⅡB 第27講
点と直線の距離
です。
この記事では、チャプター1を扱います。
第27講座の授業動画は、
大学受験の数学で、やってはいけない計算集
みたいになっています 笑
分野としては、「図形と方程式」の単元の話題です。
「図形と方程式」ですが、
この式を文字でおいて、交点を求めて、最後にこの条件から最初においた文字を求めて……
などと、一見、方針が立てやすいことが多いです。
それは確かに「図形と方程式」の魅力なのですが、反面、
とても捌けない計算の沼にハマることが多い単元でもあります。
(オススメはベクトルです! ベクトルが使いやすいですよ!)
やってはいけない計算と、スマートな計算を授業動画の中で見比べて、
両方のやり方をしっかりおさえましょう。
え。
やってはいけない計算もおさえないといけないのかって?
そりゃあそうですよ、トップレベルを目指すなら。
どこに計算の沼があるのか?
が分からないと、そこを回避できません。
何より、万が一スマートな計算が浮かばない場合は……
計算の沼を力技で突破する
という最終手段も残しておきたいですからね。
Chapter1
問題(1)の解説です。
点と直線の距離の公式を証明するチャプターですね。
加法定理と並んで、証明しようと思うと難しい定理だと思います。
そして、だからこそ、公式を使ったときのメリットが大きい定理です。
証明のコツは、授業動画でも最後に触れている、ある“概念”を使って処理していくことなのですが……
一旦、ネタバレは避けましょうか。
証明を三段階でブラッシュアップしていきますが、間の二段階目にもテクニック詰まっています。
8分50秒から、11分ごろの間の計算テクニックです。
直線
ax+by+c=0
に垂直な直線は、
bx-ay+d=0
として表せます。
さらに、
直線
ax+by+c=0
に垂直で、点(p,q)を通る直線は
b(x-p)-a(y-q)=0
と表せます。
(授業動画では、こっちを使っています)
こんなの初めて聞いたよ!
という人もいるかもしれませんので、簡単に補足します。
直線ax+by+c=0について
①a,bが傾きを決めている。
②cが位置を決めている。
と意識しましょう。
y=mx+nなら、mが傾きを、nが位置(切片)を決めていますね。
それと同じイメージでOKです。
直線を定めるときに、本質的に重要なのは「傾き」の方です。
そのため、位置を決めているcの値は、
最後に調整すればいいオマケ!
くらいに思っていてもいいです。
①の、a,bの値についてさらに深堀します。
傾きのイメージに加えて、
ベクトル(a,b)が直線ax+by+c=0と垂直
であることも覚えおきたいですね。
授業動画でも、この知識を利用してスマートに落とすのが最終目標です。
(法線ベクトルと呼ばれます。英語でnormal vectorと言うので、文字はnで表すのが普通)
さて、aとbが傾きを決めていることと、(a,b)が法線ベクトルであることから、
(b,-a)という法線ベクトルをもつ直線を考えれば、それが元の直線に垂直になると考えられます。
(b,-a)はどこから出てきたの?
ですが、
ベクトル(a,b)と、ベクトル(b,-a)が垂直
になるように作りました。
(ベクトルの垂直は、内積=0で分かりますね)
このあたりのイメージをもつと、
直線
ax+by+c=0
に垂直な直線は、
bx-ay+d=0
ということが、パッと浮かぶようになりますよ。
これが浮かぶようになれば、
直線ax+by+c=0に垂直で、点(p,q)を通る直線は
b(x-p)-a(y-q)=0
も、習得間近です。
垂直な、の条件の処理はいいですね。
問題は、cとか、dとかの値です。
これらの定数項部分ですが……
これは、成り行きで決めればいいんですよ。
直線ax+by+c=0に垂直
→傾きを決めよう。とりあえず、直線bx-ay=0を考える
→この傾きの直線が、点(p,q)を通るように調整するんだから……
→b(x-p)-a(y-q)=0とすればいいかな?
という手順で、b(x-p)-a(y-q)=0にたどり着けます。
最後のステップですが、
(1)x=p、y=qを代入して正しい式になるよう調整した
(2)原点を通る直線を、点(p,q)を通るよう、x方向+p、y方向+q平行移動した
の2つの解釈があります。
お好みの方法で理解しましょう。
(本当は、両方で理解できることをオススメします)
サラリと出てきた、
b(x-p)-a(y-q)=0
について、補足しました。
こういった扱いができないと、
一般形ax+by+c=0
での数式処理に支障が出ます。
「すべての直線」を一括で扱えるのは、この一般形です。
y=mx+nの形もいい式なのですが、y軸に平行な直線が含まれていないため、
地味に気を遣うことがあります。
トップレベルを目指す人は、直線の式の一般形の扱いにも習熟しましょう。
さて。
このチャプターのメインは、最後の法線ベクトルを利用した証明でしょう。
どれだけ計算が楽になるのか?
ぜひ、ベクトルの威力を鑑賞して下さい。
とはいえ、この記事で解説した、直線の式の一般形に関する扱いも面白いです。
メインディッシュの法線ベクトルも、サブの直線の式の扱いも、どちらもじっくり味わいましょう!