こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学のみどころ、勉強ポイント、落とし穴などの観光名所を紹介する、
るるぶ高校数学 シリーズです。
今回は、
数A 場合の数 その4 組合わせ
です。
さて、順列のときと同じ注意から入りましょう。
「もれなく、重複なく」
場合分けに注意
区別する? しない? に注意
対応関係に注目
の4本柱、しっかり覚えていますか。
順列の勉強の段階から、意識していましたか。
え、特に気にしていなかった!?
それはイケナイ。
今からでも遅くないので、意識していきましょう。
そうしないと、
「CとPの使い分けが分からない」
と嘆くことになりますよ!
ポイント① nPrに慣れているとnCrもスムーズ
まずならうのが、
nCr=nPr/r!=n!/r!(n-r)!
という式でしょうか。
見ての通り、
Cの計算にPが入っている
のですから、順列Pの内容・計算にある程度慣れていることが前提です。
順列Pの計算に不安がある人は……1回、順列を復習した方がいいかもしれません。
Pの計算に慣れていれば、Cの計算自体は気楽です。
Pの計算に、r!を分母として加えるだけでOKです。
また、順列の勉強が役立つのは、計算面だけではありません。
「考えやすいものから考えて、考えにくいものは後回し」
という順列で磨いたコツは、組合せの問題でも重要です。
順列のときに気にしていなかった人は、今からでも遅くないです。
https://juku-elite.com/contents/id/217のポイント④を読んで、
もう一度、順列の問題たちを見直してみましょう。
ポイント② 区別できるものを、順番を区別しないで数えるのが組合せだ!
順列Pと同じように、組合せCにも使用条件があります。
「何を区別する? 区別しない?」
の観点で整理しておきましょう。
並べるものが、すべて区別できる
順番が違うものは、区別しないで数える
の2条件がそろったときに使うのがCです。
具体的には、
{A、B、C}のように「並べるもの」はすべて区別ができるもので、
{A、B、C}と{C、B、A}は区別しないで、1通りと数える
のが組合せのCです。
順列Pとの違いに注目しましょう。
並べるものが、すべて区別できる
という部分は、CとPで共通です。
異なるのは、
順番が違うものを区別するのがP
順番が違うものを区別しないのがC
です。
組合せを習っているんだから、とにかくCを使おう!
と考えるのではなく、
並べるものが区別できるから、順列Pと組合せCの両方が使える可能性があって……
順番が違うものを区別しない設定だから、Cを使おう!
と、1問1問で考えながら解くのがオススメです。
これをコツコツ繰り返すと、そのうち一瞬でCとPの判定ができるようになります。
大事なポイントを常に意識して演習することが大切です。
ちなみに、ここまで真面目に読んでくれた方の中には、
並べるものが区別できない場合はどうするの?
と疑問に思う人もいるかもしれません。
その場合、CもPも使えません。
手作業で数えましょう。
CとかPを使う問題ばかり扱うので、CとPが万能選手のように感じられますが、
決してそんなことはありません。
ただし……大抵は、工夫するとC(やP)の計算が使える形にできる問題が出てきます。
そのあたりは、
対応関係
に注目して理解するといいです。
ポイント③ 対応関係のパターンを整理しよう
順列に比べると、組合せCの方が色々なタイプの数え上げに出会います。
一例をあげると、
対角線の本数、同じものを含む順列(?)、最短経路、同じものを含む組合せ……
などでしょうか。
これらは、
対応関係の設定の仕方
に注目して、パターンとして整理します。
分かりにくいので、具体的に紹介しておきますね。
㋐対角線の本数
対角線1つ↔頂点2つ
と対応させて考える。
「頂点を2つ選ぶ」問題として捉えられるので、
組合せCが使える。
㋑同じものを含む順列
『並べる場所』を先に用意して、並べる場所を決める
という見方で、「順列」との対応を考える。
用意された『並べる場所』の中から、並べる場所を選ぶ
と考えられるので、組合せCが使える。
㋒最短経路
最短経路と、↑、→の並びを対応させる。
すると、同じものを含む順列と同じ設定になるので、
組合せCが使える。
㋓同じものを含む組合せ
『並べるもの〇と、仕切り|の列』と、同じものを含む組合せを対応させて考える。
すると、「仕切りを入れる場所を選ぶ問題」と考えられるので、
組合せCが使える。
パターンとして整理して、覚えて欲しいのは
「どう対応させているのか?」
の部分です。
そして、
「この問題は、コレとコレを対応させて数えるんだから……Cが使えるな!」
と見抜きながら解くのをオススメします。
繰り返しますが、大切なのは「対応関係」です。
一方で、大切じゃないものもいくつか目に入るかもしれません。
大切じゃないのは、余計な公式たち。
余計な公式は覚えないほうがいいです。
余計な公式と言うのは、例えば……
n!/p!q!r!……
nHr=n+r-1Cr
などです。
これらは、
「対応関係」のパターンさえしっかり整理できていれば、
すぐに思い出せる式です。
さらに、対応関係さえ分かっていれば、
多少条件をひねった問題でも対処でき、応用がききます。
「いろいろな公式を覚えれば、数え上げの問題ができるようになるんだ!」
というのは完全な勘違いですので、注意して下さい。
覚えるべきは公式ではなく「対応関係」という点を、
しつこいですが注意させてもらいます。
るるぶ高校数学の、数A 場合の数 の内容はこれで終わりです。
ある程度数学が得意な人は、
公式を覚えて、練習だ!
というスタイルを持っているハズです。
ですが、そのスタイルが通用しないのが「数え上げ」でした。
その雰囲気や理由が、少しでも伝われば幸いです。
(むしろ、覚えるべき公式なんて1つもないぐらいです。)
意識するべき本当のポイントを見誤らないよう、
演習問題に取り組んで下さい!