【問題集・参考書の活用法 英語 第2回 : 英語整序問題精選600】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第2回は、河合出版さんの「英語整序問題精選600」です。
今回も、この参考書・問題集を使うなら、というスタンスで解説します。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方、参考になれば幸いです。
では、本題へ!
<英文法の応用演習・英作文のとっかかりに適>
本のタイトルの通り、600題で構成されるこの問題集は、全問並べ替え(=整序)問題で構成されます。
網羅系問題集(第1回で紹介したVintageなど)が終わったら、整序問題でのアウトプットでさらにレベルアップを図るのがおススメ学習法です!
この問題集のいいところは、その構成にあります。
・文法編/構文編/イディオム編の3部構成
・文法編は12単元(例:関係詞)、構文編は6単元(例:倒置・強調構文)、イディオム編が2単元
・各単元がレベル1~レベル3の構成になっている(レベル3が最も難しい)
まず、600題という「短期集中学習」もできそうな問題数でありながら、文法・構文・イディオムとバランスよく配置されている点で、始めやすい問題集と言えますね。
そして、各単元のテーマが示されているため、解く前に「その単元のポイントを復習してから」始めると、比較的スムーズに進められそうです。
また、レベル1・2・3と分かれていますので、例えば最初はレベル1だけをやり、その後レベル2、最後にレベル3、といった工夫も加えられます。
解説は、正解を導くために重要な文法事項や語法などが端的に示されていますので、知識の確認にも役立てられますね。
大事なことなので繰り返しますが、どのタイミングでやればよいのかを知っておきましょう。
それは、「英文法の網羅系問題集が終わった後」になります。
いきなり英文解釈へ飛ぶよりも、整序問題で英文法を特訓する時間を作った方が、絶対に力はつきます!
英文解釈は、文構造を把握し「正確に」一文一文の意味を取ることを目的とした訓練です。
整序問題は、その文構造を嫌でも意識しなければ、なかなか正解にはたどり着けません。
あーでもないこーでもない、と語句を並べた思考回路が、英文解釈に活かされるのです。
また、自由英作文の学習を始める前の「型づくり」としても、整序問題訓練は最適です。
では、レベル1から1題を例にとって学習をイメージしてみましょう。
問題: Neither ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) .
① is ② cooking ③ us ④ good ⑤ very ⑥ of ⑦ at
この問題は日本語訳が与えられていないタイプですね・・・まずは何に注目しますか。
そう、出だしのNeitherですね。主語の中で使われていそうだから、確か単数扱いだったなぁ・・・
そうすると、Neither us、いや待てよ、後ろに人称代名詞を持ってくる場合、ofを挟むんだった!
Neither of us 、これで主語は完成だろう、すると動詞はisで問題なさそうだな、
Neither of us is 、 残りの選択肢はと、「ぴかーん!」すぐにピンときましたよね。
be動詞+good+at+名詞で「~が得意だ」という言い方だと(good⇔poorで対義になりますね)。
名詞のところには動名詞cookingを入れれば大丈夫だし、veryは…置くとしたらgoodの前しかないなぁ。
→ Neither of us is very good at cooking .
はいできた~!和訳は、否定語+veryだから、「あまり~ない。」と訳せばいいんだっけな。
→「私たち二人とも、料理があまり得意ではありません。」
間違ってしまった場合、上記の考え方のどこかの学習が漏れてたか、忘れたかのどちらかですね。
そのポイントを、昔使った英文法の参考書等で周辺事項を含め読み直すようにしましょう!
もう1問、今度はレベル2から1題を例にとって学習イメージを固めましょう。
和訳: 「いつ帰るか必ず知らせてください。」
英文: ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) return .
① me ② when ③ to ④ fail ⑤ know ⑥ let ⑦ will ⑧ don't ⑨ you
今度は日本語訳が与えられていますが、かえってややこしくなってしまう方もいそうです。
まずは「必ず~する」と訳すことが多い、あの重要表現を頭の中から引き出せますか?
そう、fail to不定詞「~しない・できない」の否定形、don'tまたはnever + fail to不定詞だ!
不定詞の重要表現学習で、もしくは否定構文の学習で、学習した記憶がありますね。
今回は命令文だろうから、Don't fail to 動詞の原形、これで文を作ろう、と方針が立ちます。
次にくるのは「知らせる」という動詞かぁ…informなら知ってるけど、選択肢にないなぁ…
他にある動詞の原形は、⑤のknowと⑥のletかぁ、「あ!あれだ!」何かにつながりましたよね。
そう、使役動詞let+人+原形不定詞knowで、人が知るのを許す→人に知らせる、でしたよね!
不定詞の項目の中で、使役動詞を学習しましたね。あれを応用すれば作れそうです。
Don't fail to let me know ~、ここまで作れました。
あとは、knowの目的語「いつ帰るか」という名詞のカタマリを作ればよさそうです。
残った選択肢を見ると、間接疑問文でいけそうですね!間接疑問文は語順に注意だから・・・
→ Don't fail to let me know when you will return .
はい、疑問詞の後を疑問文の語順にしない、というポイントを思い出し、正解を導けました。
問題には直接関係はありませんが、when以下は名詞節なので「未来代用」は適用しませんね。
このように、英文法の応用演習に整序問題での訓練は適します。
難しい問題は、使うポイントが複数に渡るため、どう組み合わせるか考えることででレベルアップが図れます!
これからの英文解釈・自由英作文の学習への橋渡しとして、ぜひ取り組みたい学習ですね。
では、どのくらいの時期に取り組むのがよいでしょうか。
1つの目安になりますが、
「国公立大・私立大最上位志望」の場合、高3の1学期中ごろまでに完了、
上記に該当しない場合は、高3の夏休み終了までに完了、と理解しておきましょう。
(もちろん早いに越したことはありませんが、英文法の基礎力をつけた上での話です。)
この後に、これまた時間のかかる英文解釈・長文読解や自由英作文の訓練と続きます。
ですので、2か月程度で1周するようなイメージで学習計画を立ててください。
最後に、整序問題を使って学習を進める場合の、おススメのやり方です。
①週の目標(問題番号〇~△△番までを解く)を決める
②解く際には、必ず一文を書いてみる(番号だけで答えない)
③間違えた問題には赤で×を入れた上で要点・周辺事項を参考書等でおさらいする
④正解はしたものの根拠があいまいな問題には赤で△を入れた上で要点を同様におさらいする
⑤1周したら、×△のついた問題だけ再チャレンジする(得点できたら青で〇をする)
※目標大学の難易度に応じて、レベル3はカットするなどのやり方も可です。
ちなみに私は授業でも、整序問題は「必ず一文書いて!」と繰り返し言っています。
後から見直す際に、番号だけで答えると「違和感」に気が付けず、間違いを発見しにくいからです。
また、家では正解を「音読」するのも重要事項の定着に効果的ですので、ぜひ試してみてください!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
整序問題学習の有効性、ご理解いただけましたでしょうか。
他にも整序問題に特化した問題集はありますので、別の機会にご紹介できればと思います。
ですが、この問題集はそれでも600題あり、ペースメーキングするのに苦労しそうですね。
大学受験エリートは、「学習マネジメントと目標管理」に力を入れています。
何を使って、どんなペースで、どう学習していけばよいか・・・目標や残り期間から逆算し、「キミだけの」合格ロードを作り、入試が終わるまで並走し続けます。
受験勉強の第1歩を踏み出したい、と考えている方は、ぜひ一度、学習相談にいらしてください。
今後の学習方針がクリアになれば、勉強にも身が入りますからね!
ではまた次回をお楽しみに! See you!