このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第8回英文法テーマは「動名詞」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<動名詞の盲点はコレ!>
※動名詞の意味上の主語
例文1: He is proud of being a politician . / 彼は、(自分が)政治家であることを誇りに思っている。
例文2: He is proud of me(my) being a politician . / 彼は、私が政治家であることを誇りに思っている。
例文3: She is complaining of being small . / 彼女は、(自分が)小さいことに不満を言っている。
例文4: She is complaining of the room being small . / 彼女は、部屋が小さいことに不満を言っている。
この場合、例文1は【政治家であるのは文の主語である彼】であるので、わざわざ動名詞の意味上の主語を示す必要などないが、例文2は【政治家であるのは私(この文の中で初登場)】なので、動名詞の前に意味上の主語を置かなければならない。例文3と例文4も考え方は同じ。動名詞の意味上の主語を置く場合、人を表す名詞・人称代名詞の場合は目的格か所有格を動名詞の前に置き、人以外を表す名詞の場合はそのままの形で動名詞の前に置くのが普通である(例文4)。
(動名詞の意味上の主語が不要な場合… 文の主語または直前の動詞の目的語と同じ場合 / 一般の人の場合)
※この文は正しい?
例): Him getting up so early surprised us .
「彼がそんなにも早く起きたことは、私たちを驚かせた。」という意味にしたいのだが、動名詞が主語の場合の意味上の主語は、人称代名詞の場合は必ず所有格の形で用いなければならない。なので、上の例文は下のように直す必要がある。
正): His getting up so early surprised us .
※この違いは何だっけ?(ド定番)
例): I stopped seeing the sky .
… 【stop+動名詞/~するのをやめる】だから、「空を見るのをやめた」となる。
例): I stopped to see the sky .
… 【この場合stopは自動詞】なので、「空を見るために立ち止まった」となる。
※この場合の完了形動名詞は?
例): I am proud of having worked as a doctor for thirty years .
期間を表すforが使われていることからわかるように、この例文の完了形動名詞は「過去から現在までの継続」を表している。したがって、「私は30年間医者として働いていること(現在まで働き続けていること)を誇りに思っている。」と訳す。完了形動名詞は、本動詞よりも「前」を表す場合と、forやsinceを伴って「継続」を表す場合があることに注意。
※どちらも正しい語順に修正できますか?
誤1): He complained of being not treated as an adult .
誤2): I’m sorry for having not written to you for a long time .
1の例文は「彼は大人として扱われないことの不満を言った。」、2の例文は「長い間手紙書かずすみません。」という意味であることは推測できるが、否定語の場所がどちらも誤り。受動態の動名詞・完了形の動名詞どちらも、動名詞【~ing】の前に否定語は置かなくてはならない。
正1): He complained of not being treated as an adult .
正2): I’m sorry for not having written to you for a long time .
※これは間違っている?
例): I remember having visited Kyoto once. / 私は一度京都を訪れた(ことがある)のを覚えているよ。
rememberは動名詞を目的語にとるだけで「(過去に)~したことを覚えている」という意味になるのでわざわざ完了形動名詞にする必要はないように思えるが、【過去(の経験)】を強調するために完了形にすることがある。
※前置詞to+動名詞の形で使うイディオム
to+動詞の原形にしないように注意すること!
① look forward to ~ing / ~するのを楽しみにする
② be used (accustomed) to ~ing / ~することに慣れている(状態)
→be動詞をgetに変えると「動作」を表し「慣れる」となる。
③ with a view to ~ing / ~する目的で・~するために
④ what do you say to ~ing ? / ~するのはいかがですか・~したらどうですか
⑤ when it comes to ~ing / ~するということになると
第8回「動名詞」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!