こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の勉強のポイント、みどころなどを紹介する、
るるぶ高校数学のコーナーです。
今回は、
数B 数列 その4 等比数列
です。
→前回
等比数列も、考えやすい数列です。
等差数列から引き続き、
扱いやすい数列で、数列の記号になれよう
がポイントなのは変わりません。
ただし、等差数列に比べると、
等比数列の方が扱いに苦労することが多いです。
等差数列のよりも、ちょっと気合を入れて勉強しましょう。
ポイント① 「同じ数」をかけていくのが等比数列
「同じ数」をどんどん足してつくったのが等差数列でした。
足し算をかけ算に変えて、
「同じ数」をどんどんかけて作った数列が、等比数列です。
2, 4, 8, 16, 32, 64,……
-1, 1, -1, 1, -1, 1,……
2, -1, 1/2, -1/4, 1/8,……
などが等比数列です。
それぞれ、「2」、「-1」、「-1/2」をかけて作っています。
どんどんかけていく「同じ数」のことを公比といいます。
等差数列のときと、流れは似ていますね。
ただし、ちょっと嫌な予感がしませんか。
-1, 1, -1, 1, -1, 1,……
2, -1, 1/2, -1/4, 1/8,……
のように、符号がコロコロ入れ替わったりします。
等差よりも、微妙にやっかいなことがあるかも?
と思っておきましょうか。
ポイント② 一般項は、「公比を何回かけたか」を考えよう
等比数列の一般項は、等差数列のときと同じ要領です。
等差の方で丁寧に紹介したので、等比は一気に一般項まで飛びましょう。
n番目は、最初の数に公比を何回かけたものか?
→n番目は、最初の数に、公比rを(n-1)回かけたもの
→an=a1rn-1
となります。
等差数列の一般項と同じく、わざわざ覚えるほどの式ではないです。
ポイント③ 等比数列は「nの指数関数」
等差数列は「nの1次式」でしたが、等比数列はどうなのでしょうか。
等比数列は「nの指数関数」
つまり、
an=prn
うーん、ちょっと嫌な感じです。
「1次式」「1次関数」は、中学生の頃から扱っています。
その分、慣れていますよね。
一方で、指数関数は数Ⅱの内容です。
習いたてだったり、あるいは未習だったりします。
この辺の、式の形の馴染みの薄さが、等差数列の厄介さですね。
等比数列は、式の形や扱いに馴染みが薄い可能性が高いです。
等比数列を扱うときの式変形について、細かいところを紹介していきましょう。
ポイント④ 「〇のn乗」、「〇の(n-1)乗」、「〇の(n+1)乗」は大体同じ
いくつか、具体的な等比数列を出してみます。
an=2n
bn=2n-1
cn=2n+1
ちょっと感覚的な話題をします。
上の3つの数列はどのぐらい似ていると感じますか?
ふわ~~っとしててゴメンナサイ。
等比数列を扱うときの感覚として、
上の3つの数列は「大体同じ」「ほぼ同じ」
と思えるようになりましょう。
さっきの数列ですが、具体的な数を書き並べていきますね。
2, 4, 8, 16, 32, 64, 128,……
1, 2, 4, 8, 16, 32, 64,……
4, 8, 16, 32, 64, 128, 256,……
どうでしょうか。
「大体同じ」「ほぼ同じ」
という気分になりませんか。
というか、
「ちょっと、番号をずらしているだけ」
ですよね。
「数列として大体同じ」という感覚的なものを、
数式でも表現してみましょう。
2n=2・2n-1
2n=(1/2)・2n+1
とできるので、
an=2bn、an=(1/2)cn
という関係式が出てきますね。
さて。今、非常に重要な計算を紹介しました。
2n=2・2n-1
2n=(1/2)・2n+1
です。
指数のnを、n+1にしたり、n-1にする計算です。
この手の計算ですが、今後の実戦で使いまくります。
なので、スラスラとできるようになっておく必要があります。
数式を見るとき、
「〇のn乗」「〇の(n+1)乗」「〇の(n-1)乗」なんて大体同じ!
「〇のn乗」は、いつでも「〇の(n+1)乗」「〇の(n-1)乗」に変形できる!
という感覚が重要になります。
ポイント⑤ 等比数列と見抜けるようになろう!
少しだけ、ネタバレをします。
数列の中盤~終盤で習う計算は、
「等差か等比数列の話に落とし込む」
のがほとんどです。
そのため、
「あ、ここに等差数列がある!」
「これは等差数列だ!」
というのを、素早く見抜く感覚が重要になります。
ポイント④で使った、
2n、 2n-1、 2n+1
はすべて等比数列です。
n乗も、n-1乗も、n+1乗も同じようなものです。
「〇のn乗」「〇の(n+1)乗」「〇の(n-1)乗」
は、見た瞬間に等比数列と見抜けるよう、
感覚を磨く必要があります。
もうちょっと例を出してみましょうか。
(-2)3n+2
2n・3n+3
(p+q)n-1・(p-q)n+1
これらも、すべて等比数列です。
(公比は何か、考えてみましょう!)
どうでしょう。
なかなか、等比数列を見抜くのは、厄介ではないでしょうか。
勉強をしながら、
これも等比数列なんだ!
というのに気づけるようになっていきましょう。
ポイント⑥ 等比数列の和の公式は、導き方と結果をセットで覚えよう
等差数列の和=最初×(1-公比(個数))/1-公比
です。
ちょっと、覚えにくいですね。
(しかも、公比が1のときは使えません。)
等差数列の和の公式ですが、これは「導き方」も覚えておきましょう。
いざとなったときに思い出す……というより、
この後の「シグマ計算」で同じアイデアをつかうからです。
意識するポイントは、「公比(個数)」のところです。
難しい設定でこの式を使うとき、悩むのはいつもココでした。
等比数列の和については、導出は地味に手間です。
結果をしっかり覚えておきたいですね。
何度も繰り返し練習しましょう。
「1-公比」と「公比-1」の2パターンを習うと思いますが、
覚えるのはどちらか1つでOKです。
好みの式を覚えれば大丈夫なのですが……
数Ⅲを勉強する人は、「1-公比」で覚えた方がいいです。
上級者向は、
xn-1の因数分解
と絡めて覚えておきましょう。
等比数列の和か、上記の因数分解か、
どちらかを覚えておけばもう片方はすぐに思い出せます。
等比数列ですが、数列の中盤・後半で頻繁に出てきます。
その分、大学入試の実戦でも(計算の中で)ピョコピョコ顔を出すのですが、
「等比数列であることに気づきにくい」
ことがあります。
指数がらみの計算をあまり習っていないことも原因でしょう。
時間をかけながら、
「等比数列は、一瞬で見抜ける」
ようになっていきましょう。