このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第14回英文法テーマは「比較」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<原級を用いた比較表現の盲点>
※どう訳す?
例): She is as bright as (she is) beautiful .
この場合、彼女の異なる性質を比較した上で同等であるということなので、「彼女は才色兼備だ。」などと訳すとよい。
※訳し方に注意
例): He is as tall as his father . / 「彼は父親と同じくらいの身長だ。」 ≠ 「彼は父親と同じくらい背が高い。」
彼の父親が背が高いことで知られているなら後者の訳でよいが、そうでないなら前者の意(単に背の高さが同程度)となる。
ただし、tallに対してのshortやoldに対してのyoungのように、基準軸よりもマイナス方向であることを示す形容詞は後者の使い方(背が低い・若いという意味を含む)のみとなることに注意。
例): She is as short as his mother . / 「彼女は母親と同じくらい背が低い。」
※倍数表現を名詞を用いて書き換える
例1): This tunnel is three times as long as that one . / このトンネルはあのトンネルよりも3倍長い。
= This tunnel is three times the length of that one .
例2): Gifu prefecture is about twice as large as Aichi prefecture . / 岐阜県は愛知県の約2倍広い。
= Gifu prefecture is about twice the size of Aichi prefecture .
倍数+the名詞of…の形で書き換えることができる。上の例文以外にこの形で使う主な名詞は、age「年齢」・height「高さ」・number「数」・weight「重さ」・depth「深さ」、を覚えておく。
※まちがいさがし
誤): It cost me as many as 5,500 yen to dispose of the refrigerator .
「その冷蔵庫を処分するのに5500円もかかった。」という意味なのだが、お金は不可算名詞として扱うので、manyは誤り。
正): It cost me as much as 5,500 yen to dispose of the refrigerator . …muchを使う!
<比較級を用いた比較表現の盲点>
※訳してみよう!どう違う?
例1): This car is not as expensive as that one .
例2): This car is not more expensive than that one .
例1は、「この車は、あの車ほど値は高くない。」という意味なので、価格は「この車<あの車」であると分かる。例2は、「この車はあの車ほど値が高い、ということはない(両方とも高いが)。」という意味なので、「この車≦あの車」という違いが生まれる。
※この書き換えも知っておこう
例): This car is not as expensive as that one .
= This car is less expensive than that one .
【less+原級 + than…】で、「…ほど~ではない」という意味になるので、訳し方は【否定語+ as 原級~ as …】と同じ。
ただし、expensiveに対してのcheapのように、基準軸よりもマイナス方向であることを示す形容詞はlessを用いて表さない。
誤): That car is less cheap than this one .
正): That car is not as cheap as this one .
※まちがいさがし 要注意な問題
誤): He has much more friends than I (me) .
「彼は私よりもずっと多くの友達がいる。」という意味。比較級の前にmuchを置いているが、例えば、one more friendsで一人多くの友達、two more friendsで二人多くの友達・・・となっていく訳だから、ずっと多くの友達はmany more friendsとなる!
正): He has many more friends than I (me) .
このように、数が多いことを強調したい場合だけは、比較級の前にmanyを置くことになるので注意が必要!
※まちがいさがし 整序問題で特に注意
誤): The more we have time , the more we can read books .
「時間があればあるほど、私たちは(ますます)多くの本を読める。」という意味にしたいのだが、すでに学習した通り、「多くの」という意味で使う「many/much」は、名詞とくっつけて使わないといけないので、比較級になろうと修飾先の名詞と離さない!
正): The more time we have , the more books we can read .
<最上級を用いた比較表現の盲点>
※最上級には必ずtheは必要か?
1.副詞の最上級にはtheはつけなくてもよい … 例文2のbestは副詞wellの最上級なので、theは省略してもよい。
(ただし、副詞と形容詞が同じ形の場合や、of~/in~の句が続く場合は、theを置くことの方が多いが。)
2.同一の人・物の性質や状態等についての比較(他と比べていない)を表す形容詞が補語である場合、theはつけない。
3.theを省いた決まった言い方 … at last「ついに」 / at (the) least「少なくとも」 / at (the) most 「せいぜい」 など
※正しく直せるかな?
誤): This mountain is the highest at this point .
「この山はこの地点が最も高い。」という意味。他の山との比較ではなく、この山の中での比較になるので、2の決まりを適用!
正): This mountain is highest at this point .
… 最上級についているtheを外す
※「Ⅹ番目に~」の別表現
例): How do you pronounce the last word but one ? / 最後から2番目の語はどのように発音するの?
例): She lives next door but one . / 彼女は1軒はさんだ隣(1軒を除くと隣)に住んでいる。
最上級the lastやthe first・nextの後に【but + 除く数詞】を置くと、「Ⅹ番目に~」のような意味で使っている。
第14回「比較」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!