このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第15回英文法テーマは「仮定法」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<仮定法過去(現在の事実に反する内容)を用いた頻出表現>
※「もし(今)~がなければ、・・・」
If it were not for A , S 助動詞の過去形 + 原形V ・・・ .
以下の書き換えパターンも頭に入れておこう!
= Without A , S 助動詞の過去形 + 原形V ・・・ .
= But for A , S 助動詞の過去形 + 原形V ・・・ .
※「もし(今)~ならなぁ。」
I wish S + 過去V(仮定法) ~ .
現在の事実と異なる願望を表すため、動詞の時制が仮定法過去形となる!
※「もし(今)~しさえすればなぁ。」
If only S + 過去V(仮定法) ~ !
この文も現在の事実と異なる願望を表すため、動詞の時制が仮定法過去形となる!
※「もう(そろそろ/とっくに)~してもいい頃だ。」
It is (about/high) time S 過去V(仮定法) ~ .
現在の状況と異なる内容が入るため、動詞の時制が仮定法過去形となる!
aboutを入れると「そろそろ」、highを入れると「とっくに」という意味が加わる。
<仮定法過去完了(過去の事実に反する内容)を用いた頻出表現>
※「もし(過去に)~がなかったら、・・・」
If it had not been for A , S 助動詞の過去形 + have + 過去分詞V ・・・ .
以下の書き換えパターンも頭に入れておこう!
= Without A , S 助動詞の過去形 + have + 過去分詞V ・・・ .
= But for A , S 助動詞の過去形 + have + 過去分詞V ・・・ .
without / but for を用いた場合、Sの後の時制で仮定法過去or仮定法過去完了どちらであるかを判別する!
※「もし(過去に)~だったらなぁ。」
I wish S + 過去完了V(仮定法) ~ .
過去の事実と異なる願望を表すため、動詞の時制が仮定法過去形(had+過去分詞)となる!
※「もし(過去に)~しさえしていたらなぁ。」
If only S + 過去完了V(仮定法) ~ !
この文も過去の事実と異なる願望を表すため、動詞の時制が仮定法過去形(had+過去分詞)となる!
<仮定法の倒置を押さえる!>
例文1: If I were in your position , I couldn't agree with him .
仮定法過去の文の倒置は、wereが文頭にくる形のみ可能となる。
例文1倒置→ Were I in your position , I couldn't agree with him .
例文2: If you had followed my advice , you wouldn't have failed .
仮定法過去完了の文の倒置は、hadを文頭に出すことで完成する。
例文2倒置→ Had you followed my advice , you wouldn't have failed .
例文3: If I should miss the bus , I would take a taxi .
仮定法未来の文の倒置は、shouldを文頭に出す、もしくはwere to のwereのみを文頭に出すことで完成する。
例文3倒置→ Should I miss the bus , I would take a taxi .
<その他仮定法の重要表現を押さえる!>
※ややこしい as if「まるで~のように」の使い方
例文1: She talks as if(though) she knew everything .
和訳: 彼女はまるで(今)すべてを知っているかのように話をするね。
(実際にはすべてを知らないだろうけど)という意味を含む場合、as if の節では仮定法が使われる。例文1の場合は「現在の事実に反している」内容だと考えているため、仮定法過去形が使われている。
例文2: You look as if(though) you had seen a ghost .
(実際にはお化けを見た訳ではないだろうけど)という意味を含む場合、as if の節では仮定法が使われる。例文2の場合は「過去の事実に反している」内容だと考えているため、仮定法過去完了形が使われている。
例文3: You looked as if(though) you had seen a ghost .
「あなたまるでお化けを見たかのような顔色をしていたよ。」という意味の文なのだが、本動詞lookedが過去形であり、お化けを見たのはそれよりさらに前(事実ではない)と考えている文の場合、as if の節では仮定法過去完了形を使う(時制が一致する場合は仮定法過去で表す)。
例文4: You look as if(though) you are sad .
「あなた悲しそうに見えるよ。」という意味の文なのだが、書き手が実際に悲しそうに見えている=事実!と考えている場合は、このように直説法で表す。
※長文中でよく見るotherwise「・・・。もしそうでなければ、~。」の使い方
例文: He was honest ; otherwise he wouldn't have told me the thing .
この場合、「彼は正直者だった」という過去の事実を述べて、otherwiseで前文の事実と逆を仮定するため、後半は「過去の事実に反する内容=仮定法過去完了」となっているのである。
つまり、この文であれば、 otherwise = if he had not been honest と同義である、と言える。
第15回「仮定法」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!