このカテゴリーでは、参考書・問題集おススメ4選を使って学習する際に、前もって知っておきたいことをIzu(いず)が質疑応答形式でお話しします。
第11回は、漢文【重要事項理解/読解演習】編です。
これからの漢文学習にお役立てくださいね。
① 漢文はいつから勉強すればいいですか?
漢文に関しては、共通テストでのみ必要という方と、一般入試でも必要という方で、学習の重要度も変わってきます。
共通テストのみで漢文が必要という方は、漢文そのものに深い知識は求められません。
一方で、最難関国立大学(文系)の二次試験や、早稲田大学などの難関私立大学・国文学系統の受験で漢文が課される場合があります。
これらの大学を受験する方は、読解力を高める必要が出てきます。
ですので、まずは「受験校を決定する」ことが漢文学習のスタートです。
共通テストでのみ漢文が必要な方は、高3の夏休みに他の共通テストのみの科目と同様、重点的に学習をしましょう。
私立専願で一般受験で漢文が必要なければ、共通テスト利用入試は「漢文を課さない」大学・学部に絞った方が学習効率はいいかもしれませんね。
一般受験で漢文を外せない、となった方は、高3スタート時から本格的な学習を始めましょう。
前期を「重要事項理解」に、後期を「読解演習」に充てるイメージです。
漢文の学習を途中まで進め、高3後期の受験校決定時に「やっぱり漢文は不要だった」となるのは避けたいです。
現役生は特に、限られた時間の中で受験勉強に励むことになります。
その中で、漢文に割ける時間は「極少」と言ってもいいでしょう。
文系の方は、第一志望・第二志望くらいは高3になるタイミングで定め、漢文が必要かどうかを見極め、必要な方は少しずつ学習を進めるようにしましょう!
② 重要事項理解って、何を学習しておけばいいですか?
漢文が必要な方は、以下の点をマスターしましょう。
◇ 返り点と再読文字の習得
返り点と再読文字は、漢文を読む順序を明確にするためのものです。
例えば、「将(まさ)に~んとす。」という再読文字、聞いたことはありますよね。
ここがあやふやであると句法・句形の学習にスムーズにつながりませんので、必ずマスターしてください。
◇ 句法・句形の習得+音読で定着
句法・句形というのは、漢文における「文法」とでも言えますでしょうか。
漢文の読み方や訳し方には、この句法・句形が大きく関係してきます。
例えば、「何ぞ~未然形+ん(や)」ときていたら、「反語表現」になりますね。
読解に入る前に、よく使われる句法・句形をしっかり頭に入れる必要があるのです。
句法・句形を正しく習得せずに読解に入っても、いくら時間をかけようが得点力はなかなか上がりませんので、しっかり力を入れましょう。
句法・句形の学習には「音読」を取り入れることをおススメします。
音読することによって、句法・句形を正しく認識できるようになっていきます。
句形・句法をまんべんなくインプットしていけば、漢文の中でもすぐに句法が見つけられます。
英語や古文と同様に、土台が固まった後は漢文の見え方が変わっている違いありません。
③ 難関大学の漢文対策は何を意識すればいいですか。
これは「読解力強化」以外にありません!
この読解力を身につけるためには、漢文読解に特化した問題集を少なくとも2冊はじっくり取り組みたいですね。
最初の1冊は、ご自身の受験する大学入試よりも易しめがよいでしょう。
全ての文の句形・句法等を確認しながら、ゆっくり読み進めてください。
その上で問題を解き、解答解説で「正解の根拠となる箇所」を確認します。
間違えた問題は、その原因(句法を正しく捉えていなかった)を明らかにし、ここで再確認すればよいのです。
そして次の1冊は、入試を意識したレベルで「制限時間内」に解く訓練をします。
復習は上と同様、その原因を解答解説で突き止めてください。
このサイトでは、【読解演習】におススメの問題集を4冊ご紹介しています。
漢文に特化した問題集はそんなに多くはありません。
少ない中でもご自身の目標に合った問題集を選び、少しずつ進めていってください。
④ 漢詩もたくさん見ておいた方がいいですか?
李白・杜甫・白居易の作品は、これまで何度か見たことはあるかと思います。
有名どころの作品は、大まかな理解はしておいて損はありません。
作品を趣味のように楽しむのは、時間的余裕がもしあればやってもいいかもしれませんね。
ですが、漢詩は「そこまでちゃんとした日本語訳にしなくてもよい」と割り切るのが大切になります。
細かい日本語訳を作ろうとし過ぎると、設問解答時間を大きくロスすることにもなりかねません。
漢詩に関しては(ダジャレではありません)、設問からだいたいの内容を理解するくらいでも充分ではないでしょうか。
漢詩は韻を踏む傾向にありますので、空欄補充問題などでは「韻」を意識するだけでも正解を導けたりもします。
漢文を避けて通れない方は、「読解」の方に重点を置きましょう!
以上、よくある漢文の「重要事項理解/読解演習」のQ&Aでした~!
漢文が必要かを早めに見極め、少しずつ・効率よく、学習を進めていきましょう。