大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介していきます。
今回は、
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡB 第30講
領域と最大最小問題
です。
今回のテーマですが、
多変数関数の最大・最小問題へのアプローチ
と考えてもOKです。
1変数関数なら、微分して増減表という手段があります。
しかし、高校数学では多変数関数の微積は出てきません。
そのため、多変数関数の最大最小となると困ってしまいます。
そこで、どうするのかというと
領域と図形が交点をもつかどうか?
という図形的な問題として処理します。
他にもアプローチはあるのですが、
この講座で紹介されている処理が1つの定番です。
しっかりマスターしましょう。
Chapter1
問題(1)を扱うチャプターです。
とくに捻りもない問題ですが、細かい技法をしっかり観察しましょう。
【直線ax+by+c=0のグラフのかき方】
ベクトル(a,b)が法線ベクトル
であることを知っていると、直でグラフを考えられます。
法線ベクトルの知識自体は色々と役に立つので、トップレベルを目指す人はぜひ知っておきましょう。
ですが……この問題のように、
精密なグラフをきちんとかきたい
ときは、安全策を取りましょうよ。
一番グラフをかきなれた、
y=mx+n
の形に直しちゃえばOKです。
【連立方式の解き方は自由!】
中学校2年生では、1次連立方式の解き方を
代入法
1文字消去
の2つで習います。
これらの方法は基本なのですが、
雑に、
2つの式を組み合わせて、上手いことやる
というイメージも持ちましょう。
3x+4y=35
4x+3y=35
という2式を見たら、
足したら上手いこといきそう
と感じられるようになりましょう。
【図形的な考察も忘れない】
円と直線の交点を求めるときは、もちろん連立方程式を解くのが基本です。
ですが、問題を解く中で……
傾き-3/4 や 傾き-4/3 の直線
半径が5の円
と見たら、ビビっときましょう。
図の中に、3:4:5の有名な直角三角形が出てきそうですよね。
すると、真面目に連立法て式を解かずとも、
図形の性質から楽して交点が分かりそうです。
この辺りは、「意識するかどうか」が大切です。
トップレベルを目指す人は、つねに「もっと楽ができないか」を貪欲に考えましょう。
Chapter2
問題(2)の解説です。
開始から6分40秒ごろまでの解説が、一番大切です。
x,yが領域Dを動くときの、4x+5yの最大・最小
を考えるときに、
領域Dと、直線4x+5y=kが共有点をもつkを考える
として処理します。
(面倒なので、この記事では元の問題のD∩Eの領域のことを、
単にDと呼ぶことにします。)
この言い換えが大切です。
容易ではないですが、トップレベルを目指す人はきちんと理屈も知っておきたいですね。
実は、通過領域の問題を実数解条件に言いかえるときと、
カラクリはほとんど同じです。
「4x+5yの動く範囲」というものを考えます。
この集合をRとしましょう。
(Rが「通過領域」のようなイメージです。)
kがR(「4x+5yの動く範囲」)に入っている
⇔4p+5q=kをみたすDの点(p,q)が存在する
⇔4x+5y=kとDの共有点(p,q)が存在する
という言い換えで、直線と領域Dの共有点問題に帰着します。
決して簡単な言い換えではありません。
じっくり、上記の言い換えや授業動画を見て理解しましょう。
(通過領域の問題と同様に、ここが問題を解くキーです。
そのため、この部分こそしっかり答案に書くべき!
と思っています。)
さて、この共有点をもつかどうかを考えるときのコツがあります。
授業動画でも触れていますが、
直線の傾き
にしっかり注目しましょう。
各直線の傾きの大小で、
最大・最小の場所
が変わってきます。
そのため、この問題を処理するときは
図の傾きを、そこそこ正確にかいておく
のもポイントになります。
後は……円と直線が接するときの処理も大切ですね。
連立→判別式とやると大変なので、
点と直線の距離を使うのが手筋です。
他にもいろいろな処理法を紹介し、比較してくれています。
実戦で重要な視点なので、ぜひしっかり鑑賞しましょう。
さて、授業動画では紹介されていない、
問題(2)の別解も紹介しておきます。
(方針だけ紹介します。)
授業動画の方針とは真逆に、
領域Dのすべての点を代入する
作戦になります。
問題(1)から、考える領域が
おうぎ形
と分かっています。非常にキレイな図形ですね。
そこに注目して、
(x,y)=(5,5) + r(cosθ, sinθ)
と表示します。
すると、
4x+5y は、ほぼsin、cosの1次式だから……
なんとか、最大最小を考えるぐらいはできそうですね。
余裕のある人は、この方針にもトライしてみましょう。
Chapter3
問題(3)の解説です。
傾き自体が変化するので、かなり厄介になります。
授業動画のように、傾きの値によって
「最大・最小の場所」
自体が変わるので、コツコツ場合分けをします。
この場合分けをしっかりすることが、この問題のポイントでしょう。
この場合分けは、少し難しいです。
コツは、
なるべく極端な傾きを考える
変わり目に注目する
の2点でしょうか。
授業動画では、「傾きー32」などを考えていましたね。
このように、
極端に大きいものや、極端に小さいもの
を考えると、場合分けの漏れを防げます。
変わり目は……境界Dにの縁に沿うような傾きですね。
この傾きの値を境に、最大最小の場所が変わりそうです。
こういったところに注目しながら、考えていきましょう。
正確に場合分けさえできれば、ほぼ勝ちです。
そのため、場合分けの考えたを解説した最初のパートをじっくり視聴しましょう。
29講の「通過領域」の問題と、今回の問題は実際の処理はかなり異なります。
ですが、理論的な背景はほとんど同じです。
トップレベルを目指す人は、理論的な背景も含めて理解できるよう、
頑張りましょう!