参考書・問題集の活用法 英語 第4回:頻出英語整序問題850|大学受験エリート

参考書・問題集の活用法 英語 第4回:頻出英語整序問題850

【問題集・参考書の活用法 英語 第4回 : 英文法問題集 「頻出英語整序問題850」】


このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。

第4回は、桐原書店さんから出ている英文法問題集「頻出英語整序問題850(以下850)」です。

毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。

良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。

既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。

では、本題へ!


英文法の総合的なアウトプット・英作文のとっかかりに適


第2回でご紹介した、河合出版さんの英語整序問題精選600(以下600)と同じ、整序問題ばかりの問題集です。

はるか昔に発売され、改定を重ね現在に至るまで大学受験生に支持されている、いわば「伝統問題集」ですね。

(初版が1995年ですから、私が大学受験生の時にもうすでに存在していたと…)

問題数は、本の題名を比較して分かる通り、600と850で「250問」の差があります。

ですが、問題数の違いよりも注目すべき点、それは、「構成」にあるのです。

850の構成を見てみましょう。


【Part 1】

第1章 動詞とその周辺

第2章 形容詞・副詞とその周辺

第3章 名詞とその周辺

第4章 関係詞・接続詞とその周辺

第5章 その他の重要項目

【Part 2】

和文なし整序/不要語句の多い整序/デコボコ整序①(和文あり)/デコボコ整序②(和文なし)/連立完成整序


Part 1 の項目が、600と比べると「広い」ということが分かります。広いとは??

600では、「不定詞」・「動名詞」・「仮定法」など、各カテゴリーの文法テーマが明確でしたね。

一方850は、第1章の中に「不定詞」・「動名詞」・「仮定法」が登場しますので、より「総合力」が問われると言えます。


例えば、以下の問題が第1章に出てきますので、解いてみましょうか(易しい問題をピックアップしてみました!)。

日本語訳:お便りを楽しみにお待ちしています。(1語不足)

( to / from / forward / am / you / I / looking ).


「~を楽しみに待つ」、この日本語訳を見てすぐ、以下の表現が思い浮かんだのではないでしょうか。

【 look  forward  to ~ 】:「~を楽しみに待つ ※現在進行形で使うことが多い

さて、この「」の部分は、カタチはどうなりましたでしょうか??

そうです、「名詞」が入りますね。

to+動詞の原形(=to不定詞)としてしまうのは、正しい使い方ではありませんでした。

あとは、「お便り」をどう表現するかですが、選択肢のfromを使わなければならないので・・・

【 hear  from 人 】:「人から便りがある」

この表現が使えそうですね! ですので、最終的な答えは~部分に動名詞hearingを補って、

⇒  I am looking forward to hearing from you .

こうなりますね。


【 look  forward  to 名詞】や【 be  used/accustomed  to 名詞】は、動名詞を使う重要表現で学習します。

「動名詞」というカテゴリーで出題された場合、この問題はhearではなくhearingと動名詞に変えて補うことは容易だと思います。

ですが、この問題集は「動詞とその周辺」という章の問題の1つです。

聞いたことはある、という程度の学習状態だと、toの後をhear(動詞の原形)にしてしまうかもしれませんね。

総合力が問われるというのは、ご自身の全引き出しの中から、適切なものを取り出す正確性が問われる、とも言えます。

より「実践に近い」学習を進めたい場合には、こちらの問題集をおススメしています。


次は、Part 2 をみてみましょう。

和文なし整序/不要語句の多い整序/デコボコ整序①(和文あり)/デコボコ整序②(和文なし)/連立完成整序

「デコボコ整序」というのは、一文のところどころが空欄になっており、そこに適語を当てはめる問題のことですね。

「連立完成整序」は、与えられた英文と同じような意味になるように、選択肢を並べ替えて一文を作る問題ですね。


「連立~」の問題を1つ、例にとってみましょう。

Our ability to speak makes us different from animals .

= We  ( speak / animals / we / from / in / are / can / different / that ) .


上の文は、5文型makeを使っていますね。

「私たちの話す能力は、私たちを動物とは異なるものにしている。」

直訳だとこんな感じになるのではないでしょうか。

(無生物主語の場合の「より上手い訳し方」については今回は触れません)


下の選択肢を見ると、まず「Weを主語にして」一文を作らなければならないことに気がつきますね。

We  can  speak ~ とするか、We  are  different  from ~ とするか、と方針が立ちます。

前者だと、後ろが続かなそうなので、この問題は後者で作ってみようかな・・・

そうすると、fromの後にはanimalsを持ってきて、

We  are  different  from  animals ~ 「私たちは動物とは~違うのだ。」


よし、後は後半を作ってみよう、となり、残った選択肢を見てみます。

残った選択肢は・・・ speak / we / in / can / that  あ!あれだ!

そうです、in+接続詞that+SV で、「SがVするという点において」という表現ですね。

前置詞+関係代名詞thatはNGだと学習した際、この表現をついでに押さえたと思います。

このthatは「名詞節をつくる接続詞that」でしたね。

よし、後半はこれで作れそうだ、ということで、以下の正解を導けそうです。

⇒ We are different from animals in that we can speak .

※この場合のspeakは「自動詞:言語を話す」で使っており、that以下は第一文型で完結。

「私たちは、言語を話せるという点において、動物とは異なっている。」

無事、同じような意味の一文が完成しました!


このように、整序問題も「タイプ別」にさらに細かく分類することができ、この問題集は「細かい形式別」の演習がしやすいのが特長です。

Part 2 合計で200問ありますので、様々な形式に慣れるという点で(←早速in that)、入試実践を意識した演習ができそうですね。

もちろん、解説で「正しく並べるためのポイント」も確認しながら進みましょう。


では、どのくらいの時期に取り組むのがよいでしょうか。

(※ここから先は、「600」の紹介記事とほぼ同じ内容です!)

1つの目安になりますが、

国公立大・私立大最上位志望」の場合、高3の1学期中ごろまでに完了、

上記に該当しない場合は、高3の夏休み終了までに完了、と理解しておきましょう。

(もちろん早いに越したことはありませんが、英文法の基礎力をつけた上での話です。)

この後に、これまた時間のかかる英文解釈・長文読解や自由英作文の訓練と続きます。

ですので、3か月程度で1周するようなイメージで学習計画を立ててください。

(600より問題数が多いため、目安を+1か月した「3か月」としています。)


最後に、整序問題を使って学習を進める場合の、おススメのやり方です。

①週の目標(問題番号〇~△△番までを解く)を決める

②解く際には、必ず一文を書いてみる(番号だけで答えない)

③間違えた問題には赤で×を入れた上で要点・周辺事項を参考書等でおさらいする

④正解はしたものの根拠があいまいな問題には赤で△を入れた上で要点を同様におさらいする

⑤1周したら、×△のついた問題だけ再チャレンジする(得点できたら青で〇をする)

ちなみに私は授業でも、整序問題は「必ず一文書いて!」と繰り返し言っています。

後から見直す際に、番号だけで答えると「違和感」に気が付けず、間違いを発見しにくいからです。

また、家では正解を「音読」するのも重要事項の定着に効果的ですので、ぜひ試してみてください!


「600」・「850」どちらも応用力をつけるための良い問題集だと思っています。

2冊どちらもやる余裕はなかなかないと思いますので、その特長を理解し、ご自身の目的に合う方を選択してくださいね。

(ひと言でまとめるなら、難問が多いのは600、とっつきにくい出題形式が多いのが850、となりますでしょうか。)


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

整序問題学習は、習得した英文法を実践レベルに引き上げる訓練に最適です!

自由英作文の前段階の訓練としても、ぜひ学習に取り入れたい項目ですね。


ですが、問題総数がかなり多いため、ペースメーキングするのに苦労しそうですね。

大学受験エリートは、「学習マネジメントと目標管理」に力を入れています。

何を使って、どんなペースで、どう学習していけばよいか・・・目標や残り期間から逆算し、「キミだけの」合格ロードを作り、入試が終わるまで並走し続けます。

受験勉強の第1歩を踏み出したい、と考えている方は、ぜひ一度、学習相談にいらしてください。

今後の学習方針がクリアになれば、勉強にも身が入りますからね!


ではまた次回をお楽しみに! See you!

電話 メール
13:00~20:00(月~金)
東京都武蔵野市境一丁目