初めに
総合型選抜や推薦入試では、出願基準として成績が定められている場合とは別に、資格取得が基準となっている場合があります。
また、基準ではなくとも、特定の資格を持っておく事で、有利に働く場合があります。
こうした学部を目指す人のために、今回は総合型選抜を受けるうえで持っておくと有利に働く資格について解説していきたいと思います。
英語が大事!
各大学・学部が求める人物像を記載したアドミッション・ポリシーでは、「国際的に活躍できる人物」といった事が書かれています。
これは、多くの場合英語に堪能な人材を大学が欲しているというように読み替える事ができます。
実際こうした人材を獲得するために、英語系の資格を出願条件にしている場合が多くあります。
・英語系の資格一覧
では、どの程度の資格を持っておく必要があるのでしょうか。
基本的に、受験で利用できる英語系の資格は英検、TOEIC、TOEFLなどがメジャーです。
そのうち馴染みの深い英語検定で見ると、高校卒業程度の英語力を試す2級が、基本的な基準となっていると考えられます。
しかし、他の人と差をつけたい場合は、大学中級程度の英語力を試す準1級の取得があった方が良いでしょう。
レベルの高い大学では、準1級を取得して臨む人も珍しくありません。
こうしたことを基準にして大学選びを考えましょう。
英検:年3回(6月,10月,1月) 2級は8400円(個人受験の場合)、準1級は9800円
TOEIC:年10回(2月,8月を除く毎月) TOEIC Listening & Reading Testは7810円
TOEFL:月3回 iBTテスト US245ドル
上記に挙げたのが主要な英語力を測るテスト時期と料金です。
英検は年に3回しかないため注意が必要です。
なぜなら、総合型選抜は多くの場合秋ごろに行われ、調査書も1学期までしかカウントされないからです。
受験生で英検の取得を目指そうとすると、6月の1回しか受験ができない可能性があります。
そうした場合は、資格提出が代替可能であれば、TOEICやTOEFLの勉強を受験するなどして資格取得を目指しましょう。
ただし、これらの試験は少し英語力の求める内容が異なってきてしまうので、それぞれの検定に対しての対策は念入りに行って受験しましょう。
補足として、英検は団体応募が可能なため、学校で受験する機会があるかもしれません。
ですが、団体受験が可能なのは2級までで、準1級以上は必ず個人で受験する必要があります。
目標に向かってしっかりと計画を立てておきましょう。
・TOEICとTOEFLの使い分け
英検については、なじみ深いと思いますが、大学の取得条件としてよく提示されるTOEICやTOEFLの違いはどのようなものがあるでしょうか。
この2つはやはり問われる内容も大きく異なります。
TOEICは「国内で就職を目指す人向け」、TOEFLは「海外で留学したい人向け」と考えてよいと思います。
TOEICでは、主にビジネスでの英語力を試す内容が出題され、リスニングとリーディングが問われるものです。
一方TOEFLは「留学したい人向け」と説明したように、4技能全てが必要で、学術的な用語が主に問われます。
資格取得は大学受験にとって目標かもしれませんが、入学後の目標とも照らし合わせて考えていきましょう。
英語以外の外国語資格について
外国語の資格取得について、英語系の資格がメジャーですが、外国語学部で英語圏以外の学部や学科などを目指す場合、それ以外の言語の取得が必要となる大学・学部もあります。
以下に主要な検定を載せました。
独検(ドイツ語):年2回(6月、12月) 3級は7500円 2級は9500円
英語系の資格に比べて受験者数も少ないため、開催回数も少なくなっています。
早めに取得を目指しておきましょう。
数学検定
準2級が高校1年生、2級が高校2年生、準1級が高校卒業程度とされています。
これは就活でも利用できる資格ともされていて、出願条件として絶対に必要になる可能性は低いですが、総合型選抜を受験する上でアピールにはなります。
漢字検定
英語検定と同じくらい有名な資格試験です。
大学でも分野に限らず基礎的な能力であるので、幅広くアピールできるはずです。
簿記検定
実用性という点で数学検定同様に、就職後も活用できるものです。
経営系の学科といった活用が期待できる分野の受験生は取得するのもアリだと思います。
終わりに
資格試験は世の中に無数に存在しますが、大学受験においてプラスになるのはやはり限られているといえるのではないでしょうか。
そして英語関係の取得は総合型選抜や推薦入試を受けるうえで直接的に合否に関わってくる重要な資格だといえます。
ここで注意すべきなのは、資格取得は手段だということです。
大学で学びたいことを目標設定したうえで、資格取得を目指しましょう。