このカテゴリーでは、参考書・問題集おススメ4選を使って学習する際に、前もって知っておきたいことをIzu(いず)が質疑応答形式でお話しします。
第14回は、理系数学【ⅠAⅡB理解/ⅠAⅡB演習/Ⅲ理解/Ⅲ演習】編です。
これからの理系数学の学習にお役立てくださいね。
① 理系志望の場合、数学Ⅲ(※新課程移行前)まで必須ですか?
大学・学部の選択肢を広く持つという意味では、数学Ⅲまで学習するつもりでいた方がいいですね。
例えば、工学部志望であれば、数学Ⅲまでを学習しておくことで難関大学にも挑戦できます(中堅大学までだとⅡBまでで受験できるところも割とありますが)。
逆に、薬学部志望の場合は、ほとんどの大学が数学の範囲をⅠA~ⅡBまでとしていますので、数学Ⅲを高校で履修するのは「受験勉強」といった意味では非効率になります。
また、農学部もほとんどの大学で数学Ⅲを出題範囲にしていませんので、合格することだけを考えた場合は数学Ⅲは不要と言えば不要です(大学入学後に結局数学系の講義で数Ⅲ内容の理解が必要だったりはしますので「やらなくていい!」とは言えませんが…)。
ですので、「自分は薬学部志望です!それ以外の学部は受けません。」であったり、「難関大学は目指していないので数学ⅡBまでで受験できる大学を受験します!」というケースを除き、基本的には数学Ⅲの学習はしておいた方がいい、というのが結論になります。
数学Ⅲを学習するにあたっては、それまで(ⅠA~ⅡB)の段階で数学に苦手意識を持たないよう、数学を普段の学習の中心としてくださいね!
② 普段は教科書+副教材で勉強していますが、参考書と問題集も必要なんですか?
高校1~2年生の間(数学ⅠA・ⅡB)は、普段の学習は教科書の復習と副教材の単問演習をしている方が多いかと思います。
定期テスト対策であれば、その学習だけである程度はカバーできるかもしれません。
ですが、理系志望またはその可能性があるのであれば、話は別です。
高校で学習した内容を、期間を空けずに入試基礎レベルくらいまでは引き上げておく必要があります。
理系数学の場合、高3の数学の学習は「Ⅲ」がメインとなり、高3になってゆっくりIAから復習しようとしても、なかなかその時間が確保できなかったりします。
極端は話、高3に入ってしばらくの間は数学Ⅲにかかりっきり、のような状態になることが多いです。
そのためにも、高校で1つ単元学習を終えたら、その単元の「出題のされ方」を参考書で確認し、解答までの過程に理解できない点がないかを確認します。
そして、問題集を例題を含めて自力で解いてみることで、入試でも通用する思考力の土台を築くのです。
とはいえ、自分が本当に理系志望なのかどうかなんて、特に高1生はまだ分からないですよね。
ですが、もしかしたら、いや、もしかしなくても、学びたい分野が理系学部である可能性は充分にある訳です。
ですので、数学は「自分は文系志望で数学は受験で選択しない」と結論が出るまでは、入試で使うことになってもいいように[参考書+問題集]の学習をしていきましょう!
このサイトでも、理系数学におススメの参考書・問題集を4レベルに分けてご紹介していますので、参考にしてくださいね。
③ 問題集で解けそうにない問題が出てきたら、どうしたらいいですか?
まずは自力でじっくり、ああでもないこうでもないと考えますよね。
その「考える過程」がとても重要です。
じっくり考えた後であれば、解答解説を見て「ここをこう考えればよかったんだ!」などの「思考の改善点」が分かります。
この気付きこそが、数学の力を伸ばしてくれるものなのです。
分からない→すぐ解答解説を読む、こんな勉強法では、似たような問題が出てきても多分苦戦しますよ。
ですので、自力で最後まで解くことができなかった問題や間違えてしまった問題には、×印などをつけておくといいですね。
日付も入れておき、1週間経ったら解き直す、のようなルールを決めておくのもおススメです。
×印の問題を中心に反復復習をすることで、スムーズな思考回路で解ける問題の幅が広がっていきます。
もちろん、ただの「計算ミス」による間違いも、解き直しの対象としましょう。
計算ミスだから、で軽く済ましていては、いつまでたっても計算ミスは減りません。
解法が分からないことによる失点、計算ミスの失点、どちらも「失点」であることに変わりはありません。
計算ミスを誘発するような何かが潜む問題だったと捉え、解き直しの際には注意深く解き進めるようにしてくださいね。
④ 数学Ⅲは高校の進度に合わせて進めれば大丈夫ですか?
理系で数学Ⅲまで必要とする方は、ここが「最大の難所」と言えます。
多くの公立高校の場合、数学Ⅲは高校3年生の履修科目になります。
(中高一貫校であれば高2で数学Ⅲに入るカリキュラムが組まれていたりもしますが)
ここで1つ、問題が発生します。
数学Ⅲをひと通り学習し終えるのが高3の秋口だったとして、そこから入試レベルの問題演習をしつつ過去問にも取り組む、というのは果たして現実的なのでしょうか。
なかなか困難を極めそうですね…
数学Ⅲまでを出題範囲としている大学・学部の場合、数学試験の4~5割程度は「数Ⅲがらみ」の出題であることが多いです。
数学Ⅲの完成度が試験本番の点数を左右すると言っても過言ではありません。
ですので、高校3年生で数学Ⅲを履修する方は、学校の進度の後追い学習では直前期の総合演習時間が不足してしまいます。
はい、結論が見えてきましたね。
高3の1学期は高校の進度に合わせて復習&演習、高3の夏休みに残りを自力で進める、高3の2学期から「ⅠA・ⅡB・Ⅲの総合演習→過去問演習」、という学習プランがよさそうですね!
たっぷり時間のある夏休みとはいえ、自力で数学Ⅲの学習を進めるというのは、なかなか骨が折れると思います。
ですが、これは難関大学理系学部現役合格のための「必要条件」なんです!
このサイトでも、理系数学におススメの参考書・問題集を4レベルに分けてご紹介していますので、ご自身に合うものを有効活用し頑張ってくださいね。
(自力で進めるのが不安な方は、塾・予備校・家庭教師などを利用するのもいいですね。)
以上、よくある理系数学の「ⅠAⅡB理解/ⅠAⅡB演習/Ⅲ理解/Ⅲ演習」に関するQ&Aでした~!
高校1年生の段階から数学の学習には力を入れ、いざ理系を志望しても問題ない状態に持っていきましょう。