このカテゴリーでは、参考書・問題集おススメ4選を使って学習する際に、前もって知っておきたいことをIzu(いず)が質疑応答形式でお話しします。
第15回は、理系数学【応用演習①/応用演習②】編です。
これからの理系数学の学習にお役立てくださいね。
※①と②は、前回第14回でも書いた内容なのですが、数学Ⅲ学習における「超重要点」になりますので今回も記載しておきます!
① 理系志望の場合、数学Ⅲ(※新課程移行前)まで必須ですか?
大学・学部の選択肢を広く持つという意味では、数学Ⅲまで学習するつもりでいた方がいいですね。
例えば、工学部志望であれば、数学Ⅲまでを学習しておくことで難関大学にも挑戦できます(中堅大学までだとⅡBまでで受験できるところも割とありますが)。
逆に、薬学部志望の場合は、ほとんどの大学が数学の範囲をⅠA~ⅡBまでとしていますので、数学Ⅲを高校で履修するのは「受験勉強」といった意味では非効率になります。
また、農学部もほとんどの大学で数学Ⅲを出題範囲にしていませんので、合格することだけを考えた場合は数学Ⅲは不要と言えば不要です(大学入学後に結局数学系の講義で数Ⅲ内容の理解が必要だったりはしますので「やらなくていい!」とは言えませんが…)。
ですので、「自分は薬学部志望です!それ以外の学部は受けません。」であったり、「難関大学は目指していないので数学ⅡBまでで受験できる大学を受験します!」というケースを除き、基本的には数学Ⅲの学習はしておいた方がいい、というのが結論になります。
数学Ⅲを学習するにあたっては、それまで(ⅠA~ⅡB)の段階で数学に苦手意識を持たないよう、数学を普段の学習の中心としてくださいね!
② 数学Ⅲは高校の進度に合わせて進めれば大丈夫ですか?
理系で数学Ⅲまで必要とする方は、ここが「最大の難所」と言えます。
多くの公立高校の場合、数学Ⅲは高校3年生の履修科目になります。
(中高一貫校であれば高2で数学Ⅲに入るカリキュラムが組まれていたりもしますが)
ここで1つ、問題が発生します。
数学Ⅲをひと通り学習し終えるのが高3の秋口だったとして、そこから入試レベルの問題演習をしつつ過去問にも取り組む、というのは果たして現実的なのでしょうか。
なかなか困難を極めそうですね…
数学Ⅲまでを出題範囲としている大学・学部の場合、数学試験の4~5割程度は「数Ⅲがらみ」の出題であることが多いです。
数学Ⅲの完成度が試験本番の点数を左右すると言っても過言ではありません。
ですので、高校3年生で数学Ⅲを履修する方は、学校の進度の後追い学習では直前期の総合演習時間が不足してしまいます。
はい、結論が見えてきましたね。
高3の1学期は高校の進度に合わせて復習&演習、高3の夏休みに残りを自力で進める、高3の2学期から「ⅠA・ⅡB・Ⅲの総合演習→過去問演習」、という学習プランがよさそうですね!
たっぷり時間のある夏休みとはいえ、自力で数学Ⅲの学習を進めるというのは、なかなか骨が折れると思います。
ですが、これは難関大学理系学部現役合格のための「必要条件」なんです!
このサイトでも、理系数学におススメの参考書・問題集を4レベルに分けてご紹介していますので、ご自身に合うものを有効活用し頑張ってくださいね。
(自力で進めるのが不安な方は、塾・予備校・家庭教師などを利用するのもいいですね。)
③ 応用力を鍛えるための問題集、どのように活用したらいいですか?
大学受験用の数学問題集、たくさんありますよね。
問題集によっては、数学Ⅲを含む、含まないといった違いも出てきます。
どのように使い分ければいいでしょうか。
まずはそこからお伝えします。
<数学Ⅲを含まない総合問題集>
文系の数学選択者も対象となる問題集ですね。
理系志望の方であれば、数学ⅡBまでの基礎学習がひと通り終わり次第、取り掛かりたい問題集になります。
ですが、上でも述べたように、高3に入るとしばらくは数学Ⅲの勉強にかなりの時間を費やさなければならなくなります。
それでも、数学ⅡBまでの内容はひと足先に「入試に通用するレベル」にまで引き上げたいですよね。
数学Ⅲの勉強の合間を縫って、期間を長めに設定し少しずつ進めていくのが理想です。
例えば、日曜日の夕方2時間をその時間に充てる、といったような学習計画になりますでしょうか。
もちろん言うまでもなく、数学ⅡBまでしか必要としない理系志望の方は、この学習を高3に入ったらすぐに始められるよう、基礎固めは高2までのうちに済ませておきましょう。
数学ⅡBまでのおススメ問題集は、[文系数学]のカテゴリーで紹介していますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
<数学Ⅲを含む総合問題集>
このタイプの問題集は、数学Ⅲの導入が終わり次第、すぐに取り掛かりたいですね。
もちろん中には、数学Ⅲが関係しない問題もありますので、全ての問題が解けない訳ではありません。
ですが、「虫食い」状態で問題集を進めるのは、学習計画も立てづらいですのであまりおススメはできません。
数学ⅡBまでの総合演習であれば、それ用の問題集を使えばよい訳ですから。
話が逸れましたが、数学Ⅲを含む総合問題集は、高校3年生の夏休み明けには始められる状態を作りたいですね。
ですので、数学Ⅲまでを必要とする方は、【高3前期:数学ⅠAⅡBの総合演習→高3後期:数学Ⅲを含む総合演習】のような学習イメージを持ちましょう。
何冊くらいの問題集をやるのが標準的ですか?という質問がありそうです。
そうですね、冊数で言えば【数学ⅠAⅡBの総合演習:少なくとも1冊/数学Ⅲを含む総合演習:少なくとも2冊】という認識を持ちましょう。
これでもかなりのボリュームになります。
そして、1冊あたり2周は最低でも以下の要領でやるようにしましょう。
<1周目>
1周目は、1問にたっぷり時間をかけてください。
自分なりに考え抜いて答えを出した(もしくは途中まで)後、じっくり解説を読みましょう。
完答できなかった問題・間違えた問題には印をつけておき、解説を読んで理解できたら、解説を閉じてもう一度その問題を初めから解いてください。
<2周目>
2周目は、1問あたり5~10分と時間を決めて解いてください。
特に1周目で印のついた問題は、解答方針を思い出しながら「より正確に」解く心構えでいましょう。
2周目も間違えてしまった問題は、今のご自身の「弱点」になりますので、参考書等に戻ってじっくり復習するようにしましょう。
<応用演習①問題集>
ご自身の目標とする入試レベルよりも「気持ち易しい」くらいがちょうどよいですね。
まだ数学に自信がない方は、時間に余裕があればもう1ランク易しい問題集から始めてもいいかもしれません。
このサイトでも、おススメ問題集を4冊ご紹介していますので、参考にしてください。
<応用演習②問題集>
ここでは入試レベルとほぼ等しい問題集を選びましょう。
1周目では解き切れない問題も出てくると思いますが、その復習をじっくり行うことで応用問題にも対応できる思考力が養われます。
高3の中盤~後半にかけて取り組むことになると思いますが、時間が許せば追加の1冊も視野に入れましょう。
(どの科目にも言えますが、特に数学は「量」を積まないことにはなかなか力はつきません。)
このサイトでも、おススメ問題集を4冊ご紹介していますので、参考にしてください。
以上、よくある理系数学の「応用演習①/応用演習②」に関するQ&Aでした~!
数学Ⅲまでを必要とする理系志望の方は特に、限られた時間の中でも入試レベルに到達するよう、計画的に学習を進めてください。