大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介していきます。
今回は、
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡB 第39講
虚数と方程式
です。
今回の問題は、難易度自体は高くありません。
ただ、扱いや考え方に慣れていないため、難しく感じると思います。
普段はあまり扱わないし、考えない内容かもしれません。
イメージとしては……
「文字が複素数の場合、色々注意が必要」
と捉えておきましょう。
この記事では、-1の平方根をiで表すことにします。
また、「虚数」という用語はあまり使わず、
「複素数」という言葉を使います。
慣れない人は、「複素数」は「虚数」のことだと思って読んで下さい。
Chapter1
問題(1)を扱うチャプターです。
p,qが実数のとき、
p+qi=0 ⇔ p=q=0
という重要な性質を示す問題です。
直感的に当たり前と感じるので、
「分からない」「知らない」という人は少ないかもしれません。
ただ、重要なのは
「p,qが実数のとき」
という条件です。
授業動画の最後のあたり、15分20秒ごろから、
堺先生が上記の注意について説明してくれています。
ここが肝心なところなので、ぜひ、最後までしっかり視聴しましょう。
ちなみに、この問題(1)をみたとき、
私はハッとしました。
証明すべき内容について、
「複素数の定義・構成からただちに従う」
と思っていたからです。
(あるいは、ほぼ複素数の定義の一部ぐらいに思っていました。)
しかし、なるほど。証明できた方がいいですね。
私がパッと浮かんだ証明は、
p+qi=0
の両辺にp-qiをかけて、
p2+q2=0
p,qは実数だから、p=q=0
でした。
(複素数平面を知っていると、
ただ絶対値を調べただけと分かります。)
堺先生も2通りの証明を紹介してくれていますが、
上記の証明もよかったら参考にして下さい。
いずれの証明方法も、
「複素数の話は分かりにくいので、
iを消して実数の話に落とす」
という考えは共通しています。
1つ補足しておきます。
p,qが実数のとき、
p+qi=0 ⇔ p=q=0
という命題から、次の性質も直ちに従います。
p,q,r,sが実数のとき、
p+qi=r+si ⇔ p=rかつq=s
証明は移項して考えるだけです。
恒等式と近い雰囲気を感じるのは私だけでしょうか。
Chapter2
問題(2)の解説です。
これが一番、「虚数と方程式」というタイトルにあっている印象です。
前半の方法1による解法も素直なので、しっかりおさえておきましょう。
解にもつから、その解を方程式に代入
→(実数)+(実数)i=0
の形に整理して、処理する
という方針です。
ポイントは、
(実数)+(実数)i=0
の形に整理することです。
複素数の扱いで困ったら、
(実数)+(実数)i
の形に戻って考えるのが基本です。
そのために、問題(1)の内容を確認したのでした。
さて、後半で解説される方法2の方がテクニカルです。
可能ならば、こちらの解法がパッと浮かんで欲しいところですが……
堺先生の言う通り、グレーな感じが確かにあります。
念のため、方法2で使っている内容の背景を確認しましょう。
①解と係数の関係
解と係数の関係は、解が実数だろうと、複素数だろうと使ってOKです。
本当は、
「複素数係数の方程式」
に対しても使えますが、これを使っていいかどうかは悩ましいですね。
(もっというと、別に複素数である必要すらなく、
任意の体上の代数方程式に対して成り立つ関係です。)
複素係数に対して解と係数の関係を使いたい場合は、
証明を入れた方がいいかもしれません。
証明は単純で、因数定理を繰り返して係数比較をするだけです。
②実数係数の方程式式に対して、zが解ならzの複素共役も解になる
この結果自体は非常に有用なので、ぜひ知っておきましょう。
解と係数の関係と絡めれば、方法2のようにスマートな処理が実現されます。
実は、証明も非常に簡単です。
「実数pに対して、実数pの複素共役はp自身」
「複素共役は、四則演算に対してバラシてOK」
という2つが証明の素材です。
実数係数の方程式
pnxn+pn-1xn-1+……p0=0
の解がzのとき、その解を代入して
pnzn+pn-1zn-1+……p0=0
この両辺に複素共役をとり、上記の2つの素材で計算するだけです。
(ちょっと騙されたような証明になります。)
ただし、証明の素材自体を使っていいのか怪しいかもしれません。
今手に取った参考書では紹介されていませんでした。
堺先生の言う通り、答案は方法1でかき、
方法2は検算として使えるとベストかもしれません。
Chapter3
問題(3)の解説です。
複素係数の方程式はまず扱わないので、中々慣れないと思います。
(というか、私も慣れていません 笑)
堺先生の説明が分かりやすい思いますが、違う見方も紹介しておきます。
『「√」の中身は、正の数』
というのは、トップレベルを目指す人ならしみついた感覚だと思います。
ここで、「正の数」と言ったときは、必ず実数であることが前提です。
そのため、
「√」の中身に、複素数がくるのはヤバイ
とも言えます。
そういう視点からも、
解の公式を直接使うのがマズイかな?
と感じられるようになりましょう。
色々とありましたが、
「複素係数が絡むと、今までの感覚が使えない」
ということが掴めれば十分だと思います。
係数が実数か? 複素数か?
でかなり議論が変わるので、その点は常に注意しましょう。