こんにちは!
大学受験エリートのSuuです。
高校数学の勉強のポイント、みどころなどを紹介する
るるぶ高校数学のシリーズです。
今回は、
数Ⅰ 2次関数 その7 2次不等式
です。
→前回
2次不等式ですが、一言でまとめると
「グラフをかいて考えよう」
で終わりです。
ただし、この「グラフをかく」という部分、
じっくり観察すると奥深いものがあります。
「2次関数のグラフだから、平方完成でしょ?」
と思った人は、非常によく勉強しています。
ただ、
2次不等式を解くときのグラフでは、平方完成はしません。
ちょっと不思議ですね。
この辺りに、今後の高校数学や大学受験で大切な、
「グラフをかく」こととの向き合い方
のエッセンスが隠れています。
その部分に注目しながら、勉強してみましょう。
ポイント① 2次不等式はグラフを考えて処理する
2次不等式を解くときは、
必ず、グラフを考えて処理
します。
これが、2次不等式の唯一にして絶対のポイントです。
間違っても、
2次の係数が正のときは外側で……
2次の係数が負のときは内側で……
みたいな暗記をしてはいけません。
理由としては、
暗記による処理は、数学的なイメージができていないので間違えやすいためです。
逆に、グラフをかいて考えれば、まず2次不等式で間違えることはありません。
何よりも、2次不等式をグラフをかいて考えられれば、
3次不等式、4次不等式でも解けます。
(習わない内容ですが……)
正確性、汎用性の両面で、2次不等式の処理は
暗記よりも理解の方が優れています。
ポイント② 2次不等式を解くときのグラフも、ラフでOK
グラフをかこう!
というと、「大変だ」「時間がかかりそう」と感じる人もいるかもしれません。
そんなことはありませんよ。
だって、真面目にグラフはかきませんから。
「2次関数の最大・最小」を正しく練習した人なら、想像しやすいと思います。
問題を解くために必要な情報
だけ、グラフとして視覚化すればいいのです。
(最大・最小の正しい練習法は、るるぶ高校数学の記事にてご確認下さい!)
2次不等式を解くときに必要なのは、
グラフ、x軸、グラフとx軸の交点
だけです。
放物線の頂点の座標は不要なので、
平方完成はしません。
ポイント③ 「グラフをかく」に幅広く対応できるようになろう
この辺りまできたら、
「グラフをかく」としても、色々な対応方針がある
ことに気づきましょう。
2次関数のグラフを例にとります。
㋐問題で「グラフをかけ」と言われたとき
頂点、軸の位置、y切片などの情報を、
可能な限り精密に調べて丁寧なグラフをかきます。
当然、x軸・y軸は両方ともかきます。
頂点の座標が欲しいので、平方完成も必要です。
㋑最大・最小問題でグラフをかくとき
「一番たかいところ」「一番低いところ」の2点が知りたい情報です。
最重要なのは、
「放物線の軸」と「xの動く範囲」の位置関係
になります。
そのため、極端に言えば
軸の位置とx軸がわかるグラフ
なら十分です。
軸の位置が知りたいので、平方完成をします。
y軸は不要なのでかきません。
さらに、「グラフとx軸の交点」には興味がないので、
書きこみません。
㋒2次不等式でグラフが欲しいとき
グラフとx軸の交わり具合
が最重要情報で、他の情報は不要です。
y軸なんてかきませんし、頂点や軸の情報もいりませんから、
平方完成すらしません。
逆に、x軸との交点の情報は重要なので、
因数分解はします。
いかがでしょうか。
同じ「グラフをかく」でも、対応方針が異なりますね。
この点は、今後の高校数学や、大学受験で非常に重要になります。
今後、
なんのためにグラフをかくのか?
そのために必要な情報は何か?
をとらえて、自分で考えて色々な方針でグラフをかくことになります。
必要な情報が捉えられないグラフをかいても仕方がないです。
逆に、不要な情報だらけのグラフをかいても労力のムダです。
最終的には、自分の判断でグラフをかくときの方針を決定することになります。
気づきにくいですが、この2次関数の単元は、
グラフをかくときの方針決めの練習になっています。
ぜひ、
今、何が知りたくてグラフをかくのか?
そのために、どういう情報をグラフにかきこむべきか?
逆に、かかなくてもいい情報は何なのか?
を意識しながら、1問1問に取り組みましょう。
ポイント④ 「解なし」「すべての実数」などは、「不等式の意味」「グラフの意味」から考える
2次不等式ですが、解の種類が意外と豊富です。
解なし
すべての実数
1点のみ
1点を除いたすべての実数
などが出てくるでしょうか。
最初は混乱するかもしれません。
もしも、上記のような答えが「分からない」と感じたときは、
不等式の意味
グラフの意味
を見直しましょう。
不等式を解くってどういうことなの?
グラフって何を表しているの?
の情報が理解できていないことが、「分からない」原因です。
これを放置すると、どんどん関数が分からなくなっていきます。
「数Ⅰ 2次方程式 その1」の記事に戻って、しっかり復習しましょう。
厳しい言い方になりますが、
「不等式を解く」の意味が分かっていないのに、
「不等式の解き方」を覚えても習得はできません。
数学の勉強で、本当に大切にして欲しい部分です。
2次関数も終盤戦です。
引き続きかんばりましょう!