るるぶ高校数学 数Ⅰ ③2次関数 その8 2次関数の決定|大学受験エリート

るるぶ高校数学 数Ⅰ ③2次関数 その8 2次関数の決定

こんにちは!

大学受験エリートのSuuです。

 

高校数学のポイント、見どころなどを紹介する

るるぶ高校数学のシリーズです。

 

今回は、

数Ⅰ 2次関数 その8 2次関数の決定

です。

前回

 

今回の話題は、

「〇〇をみたす2次関数を求めよ」

タイプの問題です。

 

もっと早い段階で学習しているかもしれませんが、

このタイミングで触れさせて下さい。

 

ポイント① 2次関数のどの形を使うのか? を考える

2次関数は、次のように複数の表し方があります。

㋐ y=ax2+bx+c (一般形)

㋑ y=a(x-p)2+q (平方完成)

㋒ y=a(x-α)(x-β) (因数分解)

 

2次関数の決定に対する対応は、初動が重要になります。

㋐~㋒のどの形を選択するのか?

の最初の判断が大切です。

 

判断基準を考えるため、

それぞれの形の特徴を整理していきましょう。

 

㋐ y=ax2+bx+c (一般形) →代入操作と相性がいい

y=ax2+bx+c の形は、代入操作との相性が良好です。

例えば、x=1,y=1を代入すると

1=a+b+c

となります。

残る文字a,b,cについて、1次式になる点がいい点です。

他の形では、代入した後に残る文字が2次以上になったりします。

そのため、他の形に比べて代入操作との相性がいいと言えます。

 

他の良い点は……気分的な問題ですが、

「これぞ、一般形」という感じがするところでしょうか。

 

逆に悪いところも見ておきます。

グラフの重要な情報である、頂点や軸について分からない

y=0のときの解がすぐに分からない

などが難点です。

 

平たく言って、素朴な代入操作には適していますが、

突っ込んだ情報を処理するには向かない形です。

 

そのため、この一般形の主な出番は、

通る3点が分かっている場合

です。

 

㋑ y=a(x-p)2+q (平方完成) →軸・頂点、最大・最小と相性がいい

y=a(x-p)2+q の形は、軸や頂点の情報がすぐに分かります。

そのため、軸・頂点に関わる問題との相性がいいです。

また、派生として最大・最小に関わる問題とも相性がいいですね。

最大・最小の問題では、軸・頂点の情報がキーになるからです。

 

逆に難点は、代入操作との相性が悪い点です。

展開すると、「ap2」という項が出てきます。

複数の文字が絡んだ3次式で、ちょっと困ります。

y=0のときの解もすぐには分からないのも難点です。

ただし、解の公式を導く途中の形が平方完成なので、

一般形ほど相性が悪くはありません。

 

主な使いどころは、

軸や頂点が分かっている

最大・最小についての条件が分かっている

ときです。

 

補足

X=x-pと置けば、

y=aX2+q

となります。

置き換えを通すと、実質的には

「1次の項がない、2次関数の一般形」

と言えます。

「2次関数は必ずこの形に変形できる」

という感覚なので、この平方完成の形を「標準形」と呼ぶことがあります。

 

㋒ y=a(x-α)(x-β) (因数分解) →方程式の解と相性がいい

 y=a(x-α)(x-β) の形は、y=0のときの解がx=α、βとすぐに分かります。

そのため、方程式の解との相性が抜群です。

図形的には、グラフとx軸の交点の情報がすぐに分かると言えます。

 

代入操作とは相性がいいとは言えませんが、

軸の位置は割とすぐに分かります。

ちょっと知識が必要ですが、

x=(α+β)/2

が軸になります。

もう少し知識があると、

(α-β)2 が頂点のy座標

ということも分かります。

(実は、これが判別式Dです)

 

使いどころはやはり、

y=0のときの解が分かっている

グラフとx軸との交点が分かっている

ときです。必殺の威力があります。

 

ポイント② 色々な形を使いこなす練習をしよう!

2次関数の色々な形と、その強み・弱み、使いどころを見てきました。

2次関数の決定の問題触れるときは、

なんでその形を使うのか?

を自分なりに理由付けして、解いていきましょう。

 

これは、今後のために重要です。

これから習う高校数学や、大学入試の実戦問題では、

常に

どの形を使うのか?

を考えていくことになります。

それも、2次関数に限らずです。

 

ちょっとした例を出しましょう。

中学校で習った、1次関数です。

1次関数といったら、

y=ax+b

が一般形です。

 

実は、このシンプルな1次関数でも、

他の形を使いこなせると実力がグンと上がります。

 

例えば、通る点(p,q)が分かっているなら、

y=m(x-p)+q

の形から処理した方が早いですね。

あるいは、グラフとx軸の交点が分かっている場合は

y=m(x-α)

から初動した方が見通しがいいです。

ちょっと高級な初動ですと、

『2直線y=x+1,y=-2x+3の交点を通る』と分かっている1次関数なら、

(x-y+1)+k(-2x-y+3)=0

の形から初動するとカッコいいです。

(これらの内容は、数Ⅱの図形と方程式で学習します。)

 

実戦的な問題になればなるほど、どの形を使うのか?

が非常に大切になってきます。

色々な場面で、この判断を迫られます。

2次関数の決定は、この判断の練習にちょうどいい難易度をしています。

 

今のうちから、

1つのものを、複数の形で認識する

問題に合わせて、適した形を判断して利用する

ということを意識して、2次関数の決定の練習をしましょう。

 

 

次回はいよいよ、2次関数の最終回です。

「解の配置問題」が登場します。

ラスボスと呼ぶにふさわしい問題ですので、

今から気合を入れましょう!

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