このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第25回英文法テーマは「前置詞②」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<from/to/for の用法を細かく知ろう!>
① fromの代表的な使われ方 ※「何かの起点」イメージの前置詞。
【起点】 I live a few miles from the station .
「私は駅から数マイルのところに住んでいる。」
※この間違いを指摘できますか?
× The sun rises from the east .
⇒日本語訳は「~から」となるが、太陽が昇る場所(方角)を示したい!
○ The sun rises in the east .
「太陽は東から昇る。」 方角・方向を示すinで表すのが正しい。
【出身】 He is from China .
「彼は中国の出身です。」
※ものの「出所」でも使える。
例: I received a gift from my friend .
「私は友人から贈り物をもらった。」
【原料】 Butter is made from milk .
「バターは牛乳から作られる。」
※be made of ~ は、「材料」を表す。
例: Is this temple made of wood ?
「このお寺は木でできているの?」
→ できあがりが元の形をとどめていれば、「材料」のofを使う。
【原因】 He died from a wound ten years ago .
「彼は傷が原因で10年前になくなった。」
※他に、suffer from ~ 「~に苦しむ」
result from ~ 「~の結果として生じる」 など。
【根拠】 From his words , he is satisfied with the result .
「発言からすると、彼は結果に満足している。」
【分離】 She was absent from school yesterday .
「彼女は昨日学校を休んだ。」
※他に、be free from ~ 「~から解放されている」
recover from ~ 「~が治る」 など。
【抑制】 The heavy rain prevented us from going out .
「大雨のために私たちは外出できなかった。」
※ SVO + from ~ing の形で使われる。
prevent(stop/keep/hinder)O from ~ingが最もなじみある表現。
「SはOが~するのを妨げる ⇒ SによってOは~できない」と訳される。
【区別】 My opinion is different from his .
「私の意見は彼(の意見)とは異なる。」
※他に、differ from ~ 「~と異なる」
distinguish (tell) O from ~ / 「Oと~を区別する」 など。
② toの代表的な使われ方 ※「到達点のある方向」イメージの前置詞。
【方向】 He ran to the station .
「彼は駅へと走った。」
※到達点のto例: The temperature rose to 40℃ yesterday .
「昨日気温は40度まで上がった。」
【程度】 You should do it to the best of your ability .
「あなたは全力でそれをやるべきだ。」
※この用法を用いた to a degree 「ある程度」という表現は頻出表現。
【結果】 The movie moved us to tears .
「その映画を見て私たちは感動して涙を流した。」
※状態の変化の終点を示す。感情を表す語と仲良し。
例: to 所有格 surprise 「驚いたことに」
→ 【to+所有格+感情を表す名詞】という表現が頻出。
【目的】 He soon came here to my rescue .
「彼は私を助けにすぐにここに来た。」
【適合】 I enjoyed dancing to music .
「私は音楽に合わせて踊って楽しんだ。」
※到達点→合致、という考え。
【対比】 My income is equal to her . / 私の収入は彼女と等しい。
※他に、prefer O to ~ 「~よりOを好む」
superior to ~ 「~より優れている」
inferior to ~ 「~より劣っている」 など。
③ forの代表的な使われ方 ※「漠然とした方向」というイメージの前置詞。
【方向】 She went for Tokyo Tower .
「彼女は東京タワー(の方)に向かった。」
※東京タワーへの到達を含む意味ではない。
to Tokyo Tower とすると、東京タワーが到達点(目的地)となる。
【目的】 I am saving money for a car .
「私は車(を買う)ために、貯金をしている。」
※よく使われる疑問文【What ~ for ?】
「何のために~?=なぜ~?」のforも、この目的用法。
※他に、be ready for ~ 「~の準備ができている」
for sale 「売り物・売出し中の」 など。
【追求】 The lady cried for help .
「その女性は助けを求めて叫んでいた。」
※他に、look for ~ 「~を探す」
apply for ~ 「~を申請する」 など。
【対象】 She is waiting for you at the gate .
「彼女が入り口であなたを待っていますよ。」
※他に、send for a doctor 「医者を呼ぶ」
be responsible for ~ 「~に責任がある」 など。
【賛成】 I am for the plan . / 私はその計画に賛成である。
※「~に賛成して(Sは賛成の方向を向いている)」という意味。
対となる前置詞はagainst「~に反対して」。
【交換】 She paid one million yen for the bag .
「彼女はそのバッグに100万円を支払った。」
※他に、for nothing 「無料で」
exchange O for ~ 「Oを~と交換する」 など。
【対比】 It is cold for this time of year .
「今頃にしては寒いですね。」
※「~にしては・~の割に」という意味。
【for 所有格 age (年齢の割に)】は頻出表現。
【理由】 You must apologize to her for the delay .
「あなたは彼女に遅れたことを謝らなければならない。」
※間違いに気がつける?
× I was late for the meeting for the heavy snow .
⇒ 理由の前置詞forは、決まった動詞などと組み合わせて使う。
もしくは、接続詞(理由の付け足し)として使って理由を後述する。
〇 I was late for the meeting because of the heavy snow .
⇒ because of ~ やowing to ~ など理由を表す句を使うのが適切。
「私は大雪のためその会議に遅刻した。」
※理由forとともに用いられやすい動詞の語法
apologize to 人 for ~ 「~のことで人に謝る」
blame(criticize) O for ~ 「Oを~のことで非難(批判)する」
excuse(forgive) O for ~ 「Oを~のことで許す」
praise O for ~ 「Oを~のことで誉める」
punish O for ~ 「Oを~のことで罰する」 など。
【期間】 I have not seen him for a long time .
「私は長い間彼に会っていない。」
※このforは、時間の流れに沿って動作や状態が行われているイメージ。
第25回「前置詞②」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!