このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第26回英文法テーマは「前置詞③」です。
基本事項を参考書等で理解した上で、知らない内容はぜひご自身の頭の中に追加INPUTしてくださいね。
では、肩の力を抜いてゆる~りお読みください! (by Izu)
<by/of/with/about の用法を細かく知ろう!>
① byの代表的な使われ方 ※「~のそばに」という近接のイメージの前置詞。
(受動態で使うby=行為者がそばにいる)
【位置】 She sat by my side .
「彼女は私のそばに座った。」
※besideを使うとより近くのイメージになる。
byは、左右だけでなく前後・上下いずれの「~のそばに」でも使える。
【期限】 You have to go home by eight .
「あなたは8時までに家に帰らなくてはなりません。」
※「家に帰る」動作と「8時」が近接(期限は普通近い時)→ byとなる
【経路】 I arrived in Kanazawa by ( way of ) Osaka .
「私は大阪経由で金沢に到着した。」
【手段】 I want to school by bus yesterday .
「私は昨日バスで学校に行った。」
※by+手段(無冠詞)の例: by air 「空路で」
by mail 「郵便で」
by phone 「電話で」 など
※by mistake「誤って」・by accident「偶然」の by もこのカテゴリー。
※by + 動名詞 「~することによって」もよく使われる表現。
【単位】 Eggs are sold by the dozen .
「たまごはダース売りである(ダース単位で売られている)。」
※時間や重さなど具体的な「単位で」と言う場合は、by the 単位 とする。
※この用法を用いた表現: day by day 「日ごとに」
step by step 「一歩ずつ」
one by one 「一つずつ」 など
【差異】 He is younger than you by three years .
「彼はあなたより3歳年下である。」
② ofの代表的な使われ方 ※「~の」という部分を表すイメージ。
【部分】 The top of the mountain is covered with snow .
「その山の頂上は雪で覆われている。」
※分量もここから派生: Two of the girls were late for school .
「女子生徒の2人が遅刻した。」
※所属もここから派生: She is a member of the dance team .
「彼女はダンスチームの一員だ。」
【材料】 The dressing consists of vinegar and olive oil .
「そのドレッシングは酢とオリーブ油でできている。」
※他に、be composed of ~ 「~から成る」
be made of ~ 「~でできている」 など
※構成も同様に表せる: The committee consists of ten members .
「委員会は10人から成る。」
【出所】 He is a man of Hokkaido .
「彼は北海道出身の人だ。」 (fromを使うのが一般的ではある)
※作者もここから派生: I like the plays of Shakespeare .
「私はシェークスピアの劇が好きだ。」
【原因】 The man died of a heart attack . / その男は心臓病で亡くなった。
※この文は正しい?
The man died of overwork(ing).
⇒ 普通は×。
直接的原因であればof、遠因であればfrom、という使い分けなので、
過労が元で例えば心臓発作を起こして亡くなる訳だから、この場合は
fromで表現すべき。(区別なくfromを使うことはよくある)
⇒ 〇: The man died from overwork(ing) .
「彼は過労で亡くなった。」
【~の】 Tokyo is the capital of Japan .
「東京は日本の首都である。」
He’s looking forward to the arrival of the singer .
「彼はその歌手の到着を心待ちにしている。」
Her love of music is the greatest in our class .
「彼女の音楽好きは、クラスで1番だ。」
There is no hope of our winning the match .
「私たちがその試合に勝つ望みはない。」
⇒ これらは、「A of B」で「BのA」という使い方。
上から、所有(帰属)・主格関係・目的格関係・同格関係用法。
【関連】 I have read A Tale of Genji many times .
「私は源氏物語を何度も読んだことがある。」
※「~についての」という意味だが、aboutはofに比べてより詳しく、
というニュアンスになる。
※この用法を用いた表現: hear of ~ 「~のうわさを聞く」
speak ill of ~ 「~の悪口を言う」
convince O of ~ 「Oに~を納得させる」
inform O of ~ 「Oに~を知らせる」
remind O of ~ 「Oに~を思い出させる」
to say nothing of ~「~は言うまでもなく」
など
【対象】 I am ashamed of having said such a thing .
「私はそんなことを言ったことを恥じている。」
※この用法を用いた表現: be aware of ~ 「~に気がついている」
be ignorant of ~ 「~を知らない」
be proud of ~ 「~を誇りに思う」
be conscious of ~ 「~を意識している」
be in charge of ~ 「~の責任者である」
「~を担当している」
など
【除去】 A man robbed her of her bag .
「男が彼女からバッグを奪った。」
※この用法を用いた表現: rid(clear) O of ~ 「Oから~を取り除く」
~:邪魔になるもの
relieve O of ~ 「Oから~を取り除く」
~:苦痛や心配など
rob(deprive) O of ~ 「Oから~を奪う」
→ robは「不法に」という意味で使う
cure O of ~ 「Oの~を治す」
be independent of ~「~から独立している」
など
【性質】 These pictures are of little value .
「これらの絵はほとんど価値がない。」
It is of no importance what they say .
「彼らが何と言っても問題ではない。」
He is a man of courage .
「彼は勇気ある(勇気という性質を持った)人である。」
※上の2つの、「of + 形容詞(noやgreatなど) + 抽象名詞」で、
性質を表す形容詞と同じ働きをする用法はよく問われる。
③ withの代表的な使われ方 ※「~といっしょに」という同伴のイメージを表す。
【同伴】 I went fishing in the river with him yesterday .
「私は昨日彼といっしょに川に釣りに行った。」
※付帯状況のwithも状況が「同伴」しているということ。
例: with my legs crossed / 足を組んで~
【同時】 With those words , she shut the door .
「そのように言って、彼女はドアを閉めた。」
※「~とともに」という意味で使われ、時間的な同伴を表している。
【所有】 Suddenly , a man with blue eyes spoke to me .
「突然、青い目をした人が私に話しかけてきた。」
※「携帯」も表す
例: Do you have a pen with you .
「ペンを持っていますか(手元に)。」
【道具】 Please cut the cake with a knife .
「ナイフでケーキを切ってください。」
※「~といっしょに」から派生し、「~を用いて」という意味で使われる。
【中身】 The train was crowded with excited fans .
「その電車は興奮したファンで混んでいた。」
※この用法を用いた表現: be covered with ~ / ~で覆われている
be filled with ~ / ~で満たされている
など
【原因】 My hands are freezing with cold .
「私の手は寒さで凍えてしまいそうだ。」
※「~といっしょに」から派生し、「~があるので」という意味で使われる。
※この用法を用いた表現: be pleased with ~ / ~に喜ぶ
be satisfied with ~ / ~に満足している
beside 再帰代名詞 with ~ / ~で我を忘れる
など
【供給】 This book provides us with useful information .
「この本は私たちに役立つ情報を与えてくれる。」
※この用法を用いた表現: supply O with ~ / Oに~を供給する
serve O with ~ / Oに~を(飲食物)出す
present O with ~ / Oに~を(物)贈る
など
【様態】 She said goodbye with great sadness .
「彼女はとても悲しそうにさようならと言った。」
※with+抽象名詞の形で使い、副詞と同じ働きをする。
上の例文の場合、very sadly(副詞) と同じ。
④ aboutの代表的な使われ方 ※「~のあたりに」という漠然と周囲を表すイメージ。
【周辺】 We traveled about Hokkaido last week .
「私たちは先週、北海道中を旅した。」
※「~のあちこちを」という意味で使われ、aroundよりも漠然とした
イメージになる(aroundは円で周るイメージ)。
【関連】 Do you know much about the man ?
「その人についてあなたはよく知っていますか。」
※onで学習した通り、onは焦点を絞ったテーマ(専門分野)を表すのに対し、
aboutは漠然としたテーマを示す。
第25回「前置詞③」は以上です。
基本理解の上に差がつくポイントを積んで、アナタも「高校英語の文法マスター」になろう!