このシリーズでは、英文法の各テーマにおける「差がつくポイント」を紹介します。
第30回英文法テーマは「問題演習編②(整序問題)」です。
前回第29回の続きになりますね。
今回も間違いやすい文法事項を4問、整序問題で作成してみました。
ちなみに、文法テーマはありません(いろいろな単元から出題しています)。
1問あたり2分程度、肩の力を抜いてまずは気軽にチャレンジしてみてください!
(by Izu)
<整序問題 厳選4問 問題編>
どの問題も不要な語句が1語ありますので、解く際にはご注意ください。
① 私が家を出るやいなや、雪が降り始めた。
I( left / it / snow / had / when / home / began / hardly / to / than ).
② リラックスすることは、働くことと同じく重要である。
( more / is / working / than / no / relaxing / is / important / less ).
③ あなたのアドバイスがなければ、彼は失敗していただろう。
( your / it / not / advice / been / had / for / without / , / failed / he / have / would ).
④ 彼は一生懸命勉強したけれども、その試験に合格できなかった。
( he / hard / as / studied / , / managed / the / he / to / examination / pass / failed ).
<整序問題 厳選4問 解答編>
特に高校生がやってしまいがちな、間違えやすい箇所を赤にしています。
① I had hardly left home when it began to snow .
※使わない語句:than
⇒【hardly~when…】は、「~するとすぐに」と意訳される構文ですね。
他に、【scarcely~before…】や【no sooner~than…】という表現もあります。
これは、as soon as S V「SがVするとすぐに」の書き換え問題でも頻出!
組み合わせに注意して、正しく使えるようにしましょう。
⇒今回は文頭の I が固定されていますが、そうでなかった場合の別解はこちら。
Hardly had I left home when it began to snow .
否定の副詞hardlyを文頭に出し、直後が倒置になるパターンですね。
scarcelyやno soonerを文頭に出しても、同様に直後が倒置になります。
併せて押さえておきましょう!
② Relaxing is no less important than working is .
※使わない語句:more
⇒ややこしい2つの構文、しっかり使い分けができていますか?
A is no more B than C is (D) . / C(がDでないのと)同様、AはBでない
A is no less B than C is (D) . / C(がDであるのと)同様、AはBである
これが基本形です(B=DとなるときはDを省略する)。
考え方としましては、比較対象のthan以下に誰でも分かる例を持ってきます。
(この問題の場合、働くこと=重要であると当然皆さんが思うことですよね)
そして、リラックスすることはそれ以下なんてことはない、という直訳です。
つまり、同様に「重要だ」という「肯定」の意味になりますよね!
moreを間違って使ってしまった方、考え方を理解すれば次は間違えないですよ。
③ Had it not been for your advice , he would have failed .
※使わない語句:without
⇒「(過去に)Aがなかったら」という言い回しは、仮定法で学習しましたね。
過去の事実に反する仮定の一文になりますので、仮定法過去完了を使用します。
基本形はこちらでしたね。
If it had not been for A , S 過去形助動詞 have 過去分詞… .
前半を「句」で書き換えると、without+Aまたはbut for+A となりました。
1語不要、という条件を満たさなければならないため、withoutは不採用です。
⇒ところが、ifが与えられた語句にないじゃん!ということに気がつきます。
そこを気にせず、it had not been for ~と書いてしまう誤答が多いですね。
「仮定法の倒置」これを使えば、ifなしで書ける、と閃きましたでしょうか。
仮定法過去完了のif省略(倒置)の手順を覚えておきましょう。
【ifを省略する→hadを文頭にもってくる】これで上の正解の文になりますね。
仮定法の倒置パターンもよく出題されますので、作り方を押さえておきましょう!
④ Hard as he studied , he failed to pass the examination .
※使わない語句:managed
⇒「~だけれども」という節は、though/althoughを使いたくなりますね。
ですが、与えられた語句にはどちらもありません…
ここで、ちょっと特殊な「譲歩のas」を思い出せるかどうかですね!
譲歩のas、以下のような使い方をします。
【形容詞・副詞など+as/though+SV~】これで「~だけれども」となります。
堅い言い回しなのですが、この構文ではalthoughは使えないことにも注意です。
何が特殊かって、語順が特殊ですよね!
As he studied hard , ~ としてしまった方、このasの使い方は要確認です!
⇒もう1つのポイントは、後半の「~できなかった」をどう表すかですね。
以下の2つの表現を比べてみましょう。
fail to 不定詞 「~できない」 / manage to 不定詞「どうにか~する」
ということで、日本語訳に該当するのは前者のfail to不定詞となります。
どちらもto不定詞が続く表現ですが、意味が真逆ですので覚えておきましょう!
第30回「問題演習編②(整序問題)」は、以上4問でした。
間違いやすいポイントをクリアできなかった方が多いと思います。
出題者の思惑に見事にひっかかってしまったとしても、この誤答は「あと1歩」のところまではきていると考えていいですよ(プラス思考は大事ですから!)。
問題演習を通して細かい使い方まで確認し、知識に厚みを持たせることができれば、間違えた甲斐があったというものです。
次また似たような問題が出てきた時に「その手には乗らないぜ(ニヤッ)」と心の中で思えるように、たくさん演習量を積んで得点力を高めていってくださいね。
このサイトでも、英語のおススメ参考書や問題集を、ジャンル別(英文法・英文解釈など)に各4レベル紹介しています。
これからたくさん演習を積んでいこうと考えている方は、ぜひそちらも参考にしてください。