大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介していきます。
今回は、
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡB 第9講
3次のグラフと直線など
です。
高1・高2 トップレベル数学ⅠAⅡBの微分・積分の講座は、
裏技要素の強い内容の紹介が多いです。
そんな中、この講座は
「正攻法」
を解説した講座になります。
裏技の前に、まずはきちんとした正攻法を習得することが大切です。
色々な基本と定番が詰まっているので、しっかり習得していきましょう。
Chapter1
問題(1)を扱うチャプターです。
非常に基本的な問題ですが、処理の巧拙に差が出やすい問題です。
まずは接線の求め方の復習です。
y=f'(t)(x-t)+f(t)
といった式を習ったと思いますが、覚える必要はない式です。
堺先生が解説している通り、
①f'(t)がx=tでの接線の傾き
②傾きmで、点(p,q)を通る直線の式はy=m(x-p)+q
の2つから自然に導かれます。
式の見た目は分かりにくいですが、基礎知識がしっかりしていれば、
式の意味は非常にとらえやすいですね。
さて、接線の式が求まった後が大切です。
接点とは異なる、もう1つの交点の求め方
は巧拙が分かれます。
2つのグラフの交点なので、連立方程式を解くことになりますが……
実質は、「2つの関数の差=0」という方程式に帰着します。
このとき、
接点がx=2と分かっているのだから、
(x-2)2で因数分解できる
と見抜けることが本当に重要です。
自分が何を計算しているのか?
自分はどういう状況で計算しているのか?
を的確にとらえていないと、見落としてしまう考え方です。
正面から3次方程式を解くのと、
重解が1つ分かっている状態で3次方程式を解くのとでは、
大変さが全然違います。
問題が難しくなるほど、こういう細かい工夫の差がものを言ってきます。
トップレベルを目指す人は、このようなシンプルな基本問題を、
的確に処理できるように訓練が必要です。
「解けた!」
で満足しないよう、注意しましょう。
さて、
(x-2)2で因数分解できる
ことが分かっていれば、もう1つの解は暗算でも求められます。
堺先生が授業動画行っているように、
定数項がどうなるのか?
に注目すれば十分だからです。
そして、授業動画のように
パッと答えを見抜いた後で、後からしっかり検算する
というのが、理想的な処理スタイルになります。
Chapter2
問題(2)、(3)を扱うチャプターです。
(「接点t」として有名(?)な問題ですね)
問題(2)が誘導で、本線は問題(3)の処理になります。
まずは、問題(2)の定番の処理法を確認しましょう。
グラフ上にない点から引いた接線を考えるときは、
「接点のx座標を文字でおく」
というのが定番です。
「接する」の英語がtangentなので、頭文字をとって「t」で置くことが多いです。
接点のx座標をtとおくと、tを使って接線を表すことができます。
後は、
『その接線が与えらえた点を通る』
ときを考えるため、座標を代入してtの方程式に帰着させます。
解法のイメージですが、問題(1)は方向性が異なります。
接点が分かっているので、接点の数値を使って計算する
のが(1)でした。
一方、(2)では
元のグラフの接線をすべて考えて、
その中で与えらえた点を通るものを求める
という方向で議論を進めています。
問題(3)にきちっと対応するためには、
問題の解き方
を覚えて終わりではなく、
上記のような「解き方の感覚」を掴めるとグッドです。
さて、問題(2)の解法を振り返ってみると……
接線の本数は、tの実数解の個数と対応していることが分かります。
ここが問題(3)を解くキーになります。
堺先生が丁寧に解説してくれているので、繰り返し視聴して理解を深めたいところです。
問題(3)は「実数解の個数を調べる」問題に帰着します。
ここまでくれば後はいつも作戦です。
(kのない式)=k
の形に変形されているので、左辺のグラフがかければ実数解の個数もすぐに分かりますね。
Chapter3
問題(4)を扱うチャプターです。
第11講 3次のグラフについて
の内容を知っていると、なんとなく答えの予想がつきます。
授業動画終盤の解説に興味を持った人は、
ぜひ第11講の内容を視聴しましょう。
解法自体は、解と係数の関係と問題の条件から、
カリカリと計算をしていくだけです。
ちょっと気になるのは……堺先生の悩みでしょうか。
解と係数の関係は、解が実数がどうかに関係なく成立します。
そのため、mの値が求まっても、
本当に交点が3つ存在するか?
ということへは何も答えていません。
入試の実戦的には、問題文で「3つの交点をもつ」と言っているので、
実数解かどうかは気にしないでもいいのかも……
と思いたいですが、堺先生の意識は非常に大切です。
もしも、mの値が求まっても、そのときに交点が3つ存在しない場合、
問題そのものがミス
ということになります。
答えとしては、「そのようなmは存在しない」と答えるべき問題ですね。
問題が正しい、成立している
という前提で解くのではなく、
問題が間違っている可能性があり、そのときは間違いを指摘する
というのは数学に向かう上で大切な意識です。
少し高級な考え方になりますが、余裕のある人、
意欲のある人はこういった堺先生の姿勢も学んでいきましょう。