大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介していきます。
今回は、
スタディサプリ 高3 トップレベル数学 第1講
1のn乗根
です。
n乗して1になる数は?
そうですね、1です。
……では、この講座は始まりません。
複素数の範囲で考えると、
n乗して1になる数はn個存在します。
この数たちを1のn乗根と言います。
複素数平面で見ると、1のn乗根たちは
単位円周上に正n角形をえがきます。
図形的に非常に整っていますから、色々な性質がありそうです。
今回は、そんな1のn乗根たちの扱いについて学ぶ講座です。
Chapter1
問題を扱う前に、1のn乗根の性質について鑑賞するチャプターです。
1の3乗根、4乗根、5乗根について紹介してくれています。
(ちょっと群論の授業みたいになっています 笑)
1の3乗根・5乗根と、4乗根では立ち振る舞いが異なります。
「ー1」は確かに1の4乗根なのですが、
(ー1)2=1
となるので、
4乗する前に、2乗した時点で1になっている4乗根です。
このような変な奴(?)がいると、綺麗な関係性が少し崩れるようですね。
1の6乗根や8乗根でも、このような数が存在してしまいます。
1の「素数」乗根が話題になりやすいのは、この辺りが背景にあるようです。
さて、1のn乗根を見たら、
複素平面上での位置がパッと分かるようになりましょう。
単位円周上に、正n角形をかいたときの頂点ですね。
また、代数的な計算からも分かりますが、
『1のn乗根の複素共役も、1のn乗根』
となることが図から分かりますね。
なんとなく、この堺先生の授業を見ていて、
私は群論を思い出しました。
将来数学をガッチリ勉強したい人は、この1のn乗根で色々と遊んでみるのも面白いかもしれません。
Chapter2
問題[A]を扱うチャプターです。
問題(1)は、1のn乗根の知識として知っておきましょう。
問題で聞かれていることとは少し違いますが、
1のn乗根をすべて足すと0になる
ことは知っておいて欲しいです。
図形的な理解としては、
正n角形の重心はその真ん中、つまり原点に来る
ことから直感的に分かります。
計算的な理解は、堺先生が解説している通りです。
zn-1の因数分解や、等比数列の和の公式から導けます。
(等比数列の和の公式の分母を払えれば、zn-1の因数分解になります。
そのため、どちらで理解しても本質的には同じです)
1のn乗根を扱うときに活躍する性質なので、しっかり覚えましょう。
問題(2)が、問題[A]の本体でしょうか。
重心の座標をどう計算するか……
重心の式は簡単に分かりますが……
1のn乗根がらみですから、正n角形をかいて、図で考えましょう。
どうも、実軸対称な位置にいそうです。
つまり、2つの重心を表す複素数をα、βとしたとき、
αとβは複素共役になっている
ということです。
複素共役になっている2数を見たら、
2つの和、2つの積を計算してみようかなあ?
と感じましょう。
和や積が実数になるが、複素共役な2数の特徴です。
和と積が分かるのなら……
なるほど、解と係数の関係から計算ができますね。
複素数共役になっている2数を求めるとき、
2つの和、2つの積を計算して、
解と係数の関係から2次方程式に帰着
という手筋でした。
ぜひ、実戦ですぐに浮かび、使えるように意識していきましょう。
問題(3)はオマケです。
問題(2)が解けた人へのご褒美ですね。
実軸対称になっていることに注目して、
しっかりとスマートに落としてあげましょう。
Chapter3
問題[B]を扱うチャプターです。
問題(1)は……なんだ、問題[A]の(1)と同じじゃないか……
と油断すると、大けがをしますね。
ちょっとしたひっかけかもしれません。
問題の設定から、
z=1
という嫌なケースもあることを見抜きましょう。
油断せずに問題文を読む姿勢が求められます。
問題(2)は、
「気づけるかどうか?」
の一発勝負です。
複素数自体を文字でおいて処理しているとうっかりしやすいのですが、
複素数の足し算・引き算は、
実部どうし、虚部どうしの引き算
です。
このことをしっかり思い出せれば、
問題(1)の結果がそのまま使えることに気づけます。
問題(3)は少し頭を使う問題です。
堺先生が授業で解説している、
(1)の計算を2乗してみる
というのも、ぜひトライしてみましょう。
うまくいかない計算でも、
何故うまくいかないのか?
を自分の手を動かして体験するのは、価値のあることです。
とはいえ、
問題(2)が(1)の結果が使えたから……
問題(3)でも前の問題の結果が使えないかな?
前の問題の結果を使うには、cos2θの「2乗」が邪魔だなあ……
なんとか「1乗」の形にできないか……
という妄想も非常に自然です。
この考えから、半角の公式の利用にたどり着けます。
このレベルの講座をみている人にはいまさらかもしれませんが、
半角の公式は
次数を下げる
目的で使う公式です。
(もう、「次数下げの公式」と言ってもいいかもしれません。)
半角の公式さえ使えれば、後は流れに乗っていきましょう。
cosの中身がθから2θになってしまいますが、
文字をおきかえてあげれば問題(1)の結果が使えますね。
授業動画の計算がちょっとピンとこなかった人は、
w=z2
と文字をおきかえてあげると見やすくなりますよ。