大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを紹介します。
今回は、
高3 トップレベル数学ⅠAⅡB 第3講
加法定理について
です。
問題(1)は初見では対応が難しいと思います。
独特ながら非常に面白い解法なので、堺先生の言う通り、
問題の解き方自体を覚えてしまうのがオススメです。
問題(2)は、加法定理(とその派生)を使ってガリガリ計算するだけです。
計算するだけなのですが、自分の手できちんと計算しきるのは、かなり大変です。
授業を見て、
式変形のときに注目するポイントをしっかり勉強しましょう。
このクラスの計算が自力でできれば、大変立派だと思います。
問題(1)、問題(2)は、どちらも良問です。
しっかりとマスターしましょう。
Chapter1
問題(1)を扱うチャプターです。
まずはちょっとした知識を知っておきましょう。
加法定理にからむcosの特徴として、
cosθ、cos2θ、cos3θ、cos4θ、……cosnθ
が
「cosθだけの多項式で表せる」
ということがあります。
これらの多項式には特別な名前がついていますが、
名前は気にしなくてもいいと思います。
実際にこの問題でも活用される知識です。
sinθにはない、cosθだけの特別な特徴です。
さて、cos2π/7 の評価に入りましょう。
素直に考えると、
2π/7より大きい・小さい角度のcosではさむ
というのが自然です。
この解法が浮かんだ人は、筋自体は非常によいです。
ただし、今回の問題はこの方針では解けません。
ちなみに、筋の悪い方針は
cos2π/7 の値を具体的に計算しよう
です。
計算出来ればよいのですが、普通の方法で求めることはできません。
具体的な値、本当の値は分からなくても、
不等式評価で小数第一位の値は分かる
という感覚をもちましょう。
さて、ではどこから不等式評価をもってくるか。
先に、作戦の答えを言ってしまいます。
cos2π/7 を解にもつ(有理数係数の)多項式方程式を用意して、
多項式方程式の解の近似として処理する
のが作戦です。
授業動画の後半部分で分かりますが、
有理数係数の多項式方程式
の良いところは、値が具体的に計算できることです。
そのため、具体的な値を代入していくことで、
解の近似が簡単に計算できます。
次の問題は、
cos2π/7を解にもつ多項式方程式をどう用意するのか
です。
そこで登場するのが、加法定理とその派生として出てくる、
cosθ、cos2θ、cos3θ、cos4θ、……cosnθ
が
「cosθだけの多項式で表せる」
という知識です。
θ=2π/7 とすると、
cos3θ=cos4θ
という関係が成り立ちます。
この両辺をcosθで表すことで、
「cos2π/7を解にもつ多項式方程式」
を用意します。
この一連の流れ・作戦は、初見ではまず思いつきません。
堺先生も言っている通り、この一連の解答は
丸ごと覚える
という意識でよいと思います。
さて、得られた多項式方程式ですが、
cos2π/7以外の解はどうなっているのでしょうか。
授業動画の最後で解説されている内容ですが、
非常に面白い内容になっています。
理屈・背景も含めて理解しておくのがオススメです。
繰り返しになりますが、
計算できない値を評価するときの方法として、
その値を解にもつ有理数係数の多項式方程式を用意する
→具体的な値を代入して、解の評価をしていく
という手法を覚えておきましょう。
数Ⅲを習っている人向けにいうと、複素数平面の
「1のn乗根」
と絡んだ内容でした。
「1のn乗根」の実部を、具体的に評価していく流れになっています。
Chapter2
問題(2)の解説です。
数Ⅲの複素数平面を習っていれば別のアプローチもありますが、
この講座では
加法定理とその派生
のみで対応していきます。
これぞ正面突破! という感じの作戦です。
証明の方針ですが……
「n」が絡んだ式なので、数学的帰納法で行きましょう。
パット見で証明方針が浮かぶ問題なら構わないのですが、
ちょっと複雑そうな「n」が絡んだ式は、
たいてい帰納法が有効です。
帰納法の基本通りに論証していくと、
結局はガリガリ式変形をすることになります。
式変形の中で見抜くべきポイントは、
sin((k+2)θ/2)は、
sin((k+1)θ/2)から、中の角度がθ/2ズレたもの
という部分です。
ここを見抜いて加法定理を使うことになります。
ここに限らず、帰納法の証明では
n=kのときと、n=k+1のときでは、
何がどれだけズレているのか
をとらえると方針が立てやすいです。
また、この形で加法定理を使うと、sinθ/2が出てくることになりますが、
これは打ち消したい分母と同じもの
ということも見抜くと、最初の加法定理が浮かびやすいです。
複雑な式変形をするときは、あてっずっぽうだと中々うまく行きません。
堺先生がどこを見て式変形をしているのか、その感覚を吸収しましょう。
「キレイに消えてくれそうな、都合のいい部分」
を見抜いて触らずに残したり、
「共通因数でくくれる部分」
を見抜いてくくるのが大切なポイントです。
2問とも、ちょっと難しい問題でした。
その分、習得したときの経験値が大きい問題です。
授業動画繰り返し視聴して、問題にも繰り返しトライして、
じっくり習得していきましょう。