大学受験エリートのSuuです。
この記事では、スタディサプリの映像授業について、
「オススメの視聴法」
「授業のポイント」
などを、具体的に紹介していきます。
今回扱うのは、
高1・高2トップレベル数学ⅠAⅡB 第1講
2次関数の最大・最小
です。
この記事では、チャプター1について解説します。
Chapter1
最初から3分30秒まで、さらりと進みますが大事なエッセンスが詰まっています。
一つずつ確認しましょう。
関数の最大・最小→グラフをかいて視覚化
グラフをかいて考察するのが基本かつ王道です。
微分を習った後なら、増減表からグラフをかくのですが……
2次関数のグラフ→頂点の位置・2次の係数の符号を調べる
2次関数のグラフについては、微分や増減表は不要です。
頂点の位置と、「上に凸」か「下に凸か」が分かれば、
グラフの概形が掴めるのですが……
2次関数の頂点→平方完成
2次関数の頂点は、平方完成をすれば分かります。
頂点の位置の計算を間違えると、一貫の終わりです。
そのため、この平方完成は「検算」をするのが大切です。
検算の仕方は、二乗でまとめた部分を展開して元に戻るか?
を確認すればOK。
上記のようなストーリーから、
2次関数の最大・最小→平方完成してグラフを調べつくす!
というのが基本的な方針になります。
『解き方の暗記』ではなく、上記のストーリーを理解して、
問題の方針を立てられるとよいですね。
(1)の問題ですが、『すべての実数xに対して、f(x)>0が成り立つ』
という条件の意味を、正確におさえましょう。
xにどんな値を代入しても、f(x)が正! という意味ですが、
4分0秒~6分0秒の間の解説のように、
グラフとリンクさせて理解できているか?
が重要です。
「すべて」や「ある」など、抽象的で分かりにくい条件も、
グラフでとらえると処理方針が非常に見えやすくなります。
せっかくなので、補足の問いかけをしましょう!
数学の論理で重要な、「すべて」と「ある」についての理解を深める補足問題です。
問 『すべての実数xに対して、f(x)>0が成り立つ』を、
『ある実数xに対して、f(x)<0が成り立つ』に条件を変えて、
(1)の問題を解いてみよう!
さて、8分0秒~12分0秒の間では、判別式を用いた別解が紹介されています。
一番大事なのは、
『2次関数の頂点のy座標の符号を調べること』
『判別式Dの符号を調べること』
は同じという部分なのですが、この理由は分かりますか?
「同じだよ!」と先生に言われて、「同じなんだ~……」とそのまま覚えていては、もったいないです。
何故? を突き詰めて考えてみましょう。
んん? 理由が知りたいって?
……せっかくのトップレベル数学の講座ですから、ヒントを出すだけにとどめましょう。
ヒントは、『2次方程式の解の公式』にしましょうか。
2次方程式の解の公式の導出法を、平方完成と照らしあわせながら見返してみるといいですよ。
12分40秒頃から、(2)の解説に入ります。
そのまえに、(1)の解答方針を少しだけ振り返ってみましょう。
見方を変えると、(1)では、
『f(x)の最小値 > 0』
という条件を解いていると言えます。
(2)での考えも似ていて、
『x>aでのf(x)の最小値 > 0』
のような条件について考えていくことになります。
(最小値が存在しないことがあるため、精密にはこの条件ではダメですが。)
“最小値に注目している!”
というイメージを前提として、授業動画を見るといいですよ。
さて、(2)では場合分けが登場します。
このチャプター1のメインテーマですね。
授業動画の中で先生も言っていますが、場合分けは高校数学の一つの壁になります。
場合分けを習得するためには、
『なぜ、場合分けをしないといけないのか?』
をとらえる力を身につける必要があります。
今回の場合、
13分20秒から15分0秒の間で先生が話している内容が、
『なぜ、場合分けをしないといけないのか?』
の動機です。
この部分の先生の説明、ロジック、心をしっかり習得して欲しいです。
授業動画の解説とほとんど同じなのですが、少しだけ言葉を変えて『場合分けの動機』を示しておきます。
「x>aでの最小値を調べたい」のでだけど……
「x>aの範囲に、軸x=1が含まれる」→x=1で最小
「x>aの範囲に、軸x=1が含まれない」→x=aで“最小” (精密には、下限)
と、調べたい範囲x>aに軸が含まれるかどうかで、最小が変わってしまう。
aの具体的な値は不明なので、どちらのケースになるか分からなくて困っている。
どちらのケースなのか? で場合分け!
動画の後半部分で説明されている通り、どう場合分けすべきは問題の微妙な条件によって変わります。
そのため、『こう場合分けをしよう!』と一概に解説するのはムズカシイです。
場合分けは、暗記で対応するのが困難な領域です。
『場合分けの動機』をしっかり掴み、精密に解決していく論理の力が必要です。
繰り返しになりますが、場合分けはパターンを覚えるのではなく、『なぜ場合分けをするのか?』を自分でつかまえるのがポイントです!
15分30秒から16分40秒の間で、先生の話が熱くなるのは、ここを伝えからです。
『場合分けのパターンが知りたい!』という意図の質問に対して、それはできないんだよ、論理的に考えて処理する分野なんだよ……ということを伝えようとしているのです。
最後に、『問題によって、場合分けのまとめ方が変わる』ことを実感するための練習を紹介します。
問題文の『x>a』を『x≧a』に変えたり、
『f(x)>0』を『f(x)≧0』に変えたりして、場合分けのまとめ具合がどう変わるか?
を調べてみると、一概にパターン化できない! と実感しやすいです。
大学のランクが上がれば上がるほど、より複雑な場合分けを要求されるようになります。
2次関数の最大・最小は、場合分けの練習に最適です。
場合分けの力をつけるために、
『なぜ、場合分けをするのか?』
の動機に注目しながら、2次関数の最大・最小の問題を繰り返し演習しましょう。