私立中学校の特待生になると、学費の面で優遇されたり特待クラスでの授業が受けられたりします。
子どもと親にとってメリットのある特待生制度ですが、
「特待生になるのは難しいのか」といった疑問もあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、私立中学校の特待生制度について基本概要と、特待生を狙う際の注意点などを紹介します。
私立中学校の特待生制度とは
私立中学校の特待生制度とは、成績優秀者に対して学費を優遇する制度です。
特待生になると中学校の入学金や授業料などが免除されます。
免除割合は中学校によって異なり、次のような優遇が一般的です。
・1〜6年間の授業料全額免除または一部免除
中学校によっては特待生のレベルを設けており、レベルが上の特待生ほど免除割合が大きい傾向です。
なお、すべての私立中学校が特待制度を設けているわけではありません。
特待制度の有無については各中学校で確認が必要です。
特待生制度と奨学金制度の違い
特待生制度と似た制度として、奨学金があります。
奨学金制度も、成績優秀者に対して学費面での優遇措置があります。
特待生制度と奨学金制度の大きな違いは、免除・減額された学費の返済が必要かどうかです。
基本的に、特待生制度は返済不要であり、奨学金制度は返済が必要な場合があります。
貸与型の奨学金制度は、無利子または低利子でお金を借りている状態です。
そのため、後でお金を返す必要があるのです。
また、両制度ではお金の出所が違うこともあります。
特待生制度は中学校自身が出資し、奨学金制度は民間団体などが出資しているケースが見られます。
中学受験で特待生を狙うのは難しい?
中学受験で特待生を狙えるかどうかは、学校のレベルとお子さんの学力によります。
お子さんの偏差値に対して十分狙えるレベルの中学校なら、特待生を狙うのはそこまで難しくないと考えられます。
中には「通常通りの勉強をしていただけで特待生になれた」というケースもあるほどです。
その一方で、お子さんの偏差値より中学校のレベルが高ければ、相応の努力が求められます。
小学4年生ごろから早めに受験対策を始めるなど、お子さんのやる気と親のサポートが欠かせません。
お子さんが特待生を狙えるかどうかは、客観的な判断も大切にしてください。
塾の先生や家庭教師など、プロ視点で判断してもらいましょう。
特待生を狙う際の注意点
学費免除のメリットにばかり目が行きがちですが、特待生になった後に注意すべき点もあります。
・子どもにとっては授業が物足りなく感じる可能性がある
それぞれの注意点について解説します。
入学後に特待生枠を外れる場合がある
特待生として入学しても、その後に特待生から外れてしまうリスクがあります。
中学校によっては特待生の再評価を定期的におこないます。
再評価で不合格を取ってしまった場合は、特待生から外れてしまうのです。
もちろん特待生として受けていた学費免除などもなくなり、家庭での費用負担が増えることになります。
一度特待生になったら安心というわけではなく、常に学力を落とさない努力がお子さんには求められます。
子どもにとっては授業が物足りなく感じる可能性がある
特待生になる子は、その中学校の平均偏差値より高い学力があります。
しかし、特待生専用クラスや成績別クラスがない中学校では、特待生も他の生徒と一緒に授業を受けます。
授業は平均偏差値に合わせた内容がおこなわれるため、特待生の子にとっては簡単すぎて「授業が物足りない」と感じる可能性があるでしょう。
お子さんに上のレベルを目指してほしい場合や、切磋琢磨できる生徒が欲しい場合は必ずしも特待生が良いとは限りません。
特待生を狙わずに、ワンランク上の偏差値の中学校を受験するのも1つの手です。
仮に高校を再受験して偏差値が高い学校へ行くとしても、それまでに免除された学費は請求される場合があります。
中学校の特待生制度について確認する方法
そもそも「希望する私立中学校に特待生制度があるか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
すべての私立中学校が特待生制度を設けているわけではないため、制度の有無や詳細を確認する方法を紹介します。
中学校へ直接問い合わせや公式サイトを確認する
もっとも確実な方法は中学校へ直接問い合わせることです。
詳しい説明や資料をもらえることが期待できます。
また、中学校の公式サイトに情報が出ている場合もあります。
特に、公式サイトに前年度の入試要項などがあれば、詳しく載っているのでおすすめです。
周りのママ友や先生に聞いてみる
中学校へ直接問い合わせる以外にも、次の人達に聞いてみることも1つの方法です。
・子どもが通っている塾の先生
・家庭教師
さまざまな視点での情報が得られるため、総合的な判断もしやすくなります。
まとめ
私立中学校の特待生になれば、入学金や授業料の優遇が受けられます。
特待生にはその中学校における高い偏差値が求められますが、学費優遇のメリットから競争率も上がりやすいです。
私立中学校の特待生を狙えるかは、中学校のレベルとお子さんの学力から判断しましょう。
塾の先生や家庭教師の意見も聞き、特待生のための受験対策へつなげていくことが大切です。