お子さんは、中学入試に向けて国語の「文法対策」はできていますか?
「語句や読解は対策しているけれど、文法対策は何をやればいいか分からない。」
このような声は、受験生や親御さんからもよく伺います。
今回の記事を読んで、文法対策について学んでくださいね。
「品詞の用法」と「敬語」をマスターすれば文法はこわくない
文法問題で入試頻出とされる分野は「品詞の用法」と「敬語」の2分野です。
国語を苦手としている子は、まずこの2分野を完璧にすると良いでしょう。
品詞の用法
「単語」を形と働きにより分類したものを品詞といいます。
この「品詞」を苦手意識を持っている小学生は多いです。
しかし、指導している立場からすると、「苦手」なのではなく「情報量が多い」ために混乱している子がほとんどだと感じています。
やるべきものを絞って、情報を整理しましょう。
分類表を一生懸命ながめて覚えている子が多いですが、なかなかそれだけでは覚えるのは難しいです。
問題を解きながら覚えていくと、入試でどのように出題されるかイメージが湧きます。
問題集などで品詞の問題がどのように出題されているかチェックしてみましょう。
実際の入試問題では、品詞の用法や見分け方について出題されます。
入試頻出①「れる」・「られる」を見分ける
4パターンしかないので、用例と一緒に覚えましょう。
1.受け身
(例)先生からほめられる。
→他からの動作を受ける働き
2.自発
(例)桜が咲き始め、春の訪れが感じられる。
→自然と感じてしまう心の働き
※自発でよく使われる動詞を頭に入れておくと良いでしょう。
「しのばれる」「思われる」「思い出される」「感じられる」「案じられる」など
3.可能
(例)僕は、ピーマンを食べられる。
→「〜することができる」という意味をもつ
※例文は、食べることが「できる」と言い換えられる
4.尊敬
(例)先生が教室にもどられる。
→目上の人の動作を敬う働き
※主語に「先生」「お客様」など目上の人が入っていることが多い。
入試頻出②「ない」を見分ける
こちらは3パターンあります。
1.「動詞」を打ち消す役割
(例)遊びには行かない。
→動詞「行く」を打ち消している。
2.存在(ある)の反対の役割
(例)お金がない。
→主語となる物の存在を否定する役割。
3.「形容詞」「形容動詞」を打ち消す
例)一人でもさびしく(は)ない。
→形容詞を打ち消す
私は、元気ではない。
→形容動詞を打ち消す
入試頻出③「の」を見分ける
こちらは5パターンと少し多いですが、しっかり覚えていきましょう。
1.その文節が主語であることを示す「の」
(例)父の作った焼きそばは、おいしい。
→主語であることを表す「の」は「が」に言いかえることができます。
父「が」作った焼きそばは、おいしい。と言いかえることができるので、主語を表す用法として使っていることが分かります。
2.その文節が被修飾語にかかることを示す「の」
(例)机の上が、汚れている。
3.同じようなことがらを並列する「の」
(例)言ったの、言ってないのと友達がもめている。
4.疑問を表す「の」
(例)どうして私の悪口を言ったの?
5.「こと」「もの」「とき」など名詞の変わりの働きをする「の」
(例)これより大きいのが欲しい。
→この「の」は「もの」に言いかえることができますね。
今回は、①「れる・られる」②「ない」③「の」についての用法や見分け方について紹介しました。
その他にも、「そうだ」、「らしい」などもありますが、入試頻出の3つをまずおさえておけば安心でしょう。
敬語
品詞同様、敬語も入試頻出分野です。
きちんと覚えることができれば、点数につながるところなので、丁寧に学習するようにしましょう。
①3つの敬語をマスターする
「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の違いを理解しましょう。
1.尊敬語
目上の人や他人の動作に尊敬を表す言葉のこと。
召し上がる
なさる
おっしゃる
くださる
など(相手の動作)
2. 謙譲語
相手に敬意を示すために、自分や身内の動作を控えめにする言葉のこと。
申す
拝見する
承る
うかがう
かしこまる
など(自分や身内の動作)
3. 丁寧語
あらたまって、ていねいな話し方をする言葉のこと。
→「です」「ます」をつけた形
敬語は、誤った文を正しく訂正する誤文訂正の形式で出題されることも多いです。
テキストで学習するだけでなく、日頃から敬語を使うことも大切です。
普段から、正しい敬語をスラスラ表現できれば、入試問題は怖くありません。
文法対策にオススメの参考書
『中学受験用 完成語句文法 改訂新版』(日能研ブックス)
過去の入試問題を研究し、語句・文法分野で間違えやすい問題を厳選して収録した問題集。
もちろん、今回ご紹介した「品詞の用法」と「敬語」も掲載されています。
多くの問題集に手を出すよりも、1冊を完璧に仕上げる方が力がつくでしょう。
入試までにこちらの1冊を完璧に仕上げることをオススメします。
まとめ
国語の文法問題は、入試頻出とされる「品詞の用法」と「敬語」をおさえておけば、入試で大きな失点をすることはないでしょう。
覚えることも多く、理解するまでに時間がかかる分野なので、コツコツ取り組むことをオススメします。
文法問題をしっかりマスターし、入試で他の子と差をつけていきましょう!