それまで中学受験は視野に入れていなかったのに、六年生になってからやっぱり中学受験を目指したいというケースは、意外と多くあります。
ですが六年生からの中学受験はかなり難易度の高いものとなります。
とはいえ絶対に間に合わないということではありません。
膨大な時間を勉強に割く必要があり、子供も保護者も覚悟が必要になりますが、やり方次第では可能性はあるでしょう。
中学受験は六年生からではもう間に合わない?
それまで公立中学を目指していて、六年生から急に中学受験を目指すこともあります。
ただ現実的には、中学受験を六年生になってから目指すことは、かなり厳しいでしょう。
詳しい理由は後述しますが、中学受験を目指す子供の多くは4年生から勉強をスタートしています。
これまでにも勉強に時間をかけてきた子供たちと混ざって、中学受験を乗り越えるためには子供の時間はもちろん、保護者の時間や費用も必要になります。
そのため中学受験を目指す子供のうち、志望校へ行けるのは3割程度と言われています。
つまりただでさえ高いハードルを乗り越える必要のある中学受験で、六年生からスタートすることはかなりの難易度と言えるでしょう。
ですが六年生だからという理由だけで、中学受験を断念するのは少し早いかもしれません。
もちろん志望者の多い難関私立中学への受験は諦めることになるかもしれませんが、志望校のレベルや受験勉強の進め方次第では、六年生からでも間に合う可能性があります。
六年生からでは難しい理由や、やっておくべきことをおさえて、効率よく勉強を進めましょう。
六年生からの勉強では難しい理由
実際六年生からでは中学受験はかなり難しくなります。
特に勉強が難しくなる理由としては次のような理由があります。
・膨大な時間を受験勉強に費やす必要がある
それぞれ説明していきますね。
短期間で広い範囲の勉強をしなければいけない
中学受験を目指す多くのご家庭では、四年生から塾へ通い受験対策を行っています。
そのため、六年生になってから勉強を始めたと仮定すると、実質10か月程度で遅れを取り戻したうえで受験に挑まなければなりません。
また中学受験では、小学校で習う範囲以上の勉強をしなければいけません。
というのも、試験問題の中には小学校では習わない旅人算なども出題されるからです。
そのため、小学校では成績が良いのに、中学受験の模試では結果が振るわないということはよくあります。
他の子供たちが四年生から勉強していることを考えれば、実質10か月とかなりの短期間で、小学校で習っていない範囲も含めて広い範囲の勉強をしなければいけません。
膨大な時間を受験勉強に費やす必要がある
先述のように中学受験を目指す多くの家庭では四年生から勉強を始めています。
とはいえ四年生の時から一日中完全に勉強漬けというケースはまれですが、それでも六年生になるまでに膨大な時間を割いていることに変わりありません。
六年生から勉強を始めるなら、これまで膨大な時間を勉強に費やしてきた他の子供たちと同じ土俵で戦うことになります。
必然的に、子供の勉強時間もかなりの長時間になるでしょう。
友達と遊ぶことも、ゲームをしたりテレビを観たりすることも、習い事を続ける時間もなくなります。
また保護者の方においても、子供の送迎や塾のスケジュール調整、家庭教師の費用など、時間だけではなく費用においてもかなり負担がかかります。
中学受験が終わるまで、子供も保護者も余暇を楽しむ余裕はなくなります。
それでも挑戦するためには、それ相応の「覚悟」が必要になるでしょう。
六年生から中学受験を目指すときにやっておきたいこと
中学受験は六年生からでは難しいことを説明しましたが、必ず諦めないといけないわけではありません。
ハードルが高いことに変わりはありませんが、志望校の偏差値や勉強の進め方を考えることで、少しでも可能性を高くすることができます。
模試を受けて実力を確かめる
まずは塾などで定期的に行われている、中学受験を想定した模試を受けてみましょう。
早い段階で模試を受けることで、現段階での子供の実力を確かめることができます。
苦手な問題や得意な問題を把握しておくことで、今後の勉強の仕方について方針を定めやすく、効率的に点数アップにつなげやすくなります。
ただ中学受験を想定した模試を受けているのは、長い時間をかけて対策をしてきた子供たちがほとんどです。
そのためはじめて模試を受けた場合、思っていたより偏差値が低いということもあるでしょう。
ただそれは周りの子供たちが十分に勉強をしてきているということなので、はじめのうちは気にしすぎる必要はありません。
どうやって受験本番までに、偏差値を上げることができるかということを考えましょう。
志望校を決める
六年生からの勉強では、志望者の多い偏差値が高い学校を目指すことはかなり難しくなります。
なので比較的ハードルの低く、通ってみたい学校を探しましょう。
志望校を探すときには、偏差値だけではなく制度や行事などを通して学校の雰囲気、先生の質などさまざまな方面から検討してください。
志望校へ入学することが目標ではありますが、子供が入学したあとの人生にとっていかにプラスに働くかを検討してあげましょう。
比較的ハードルが低いとはいえ、十分な勉強が必要なことには変わりありません。
志望校という目標を決めて、そこに向けてしっかりと対策をすることで、モチベーションをもって勉強に取りくみやすくなります。
親子や塾の先生とよく相談する
中学受験に必要なすべての勉強範囲を10か月だけで網羅することは、ほぼ不可能です。
ですができる限り勉強を進めないことには、志望校を目指すことはできません。
遊ぶ時間を削ってでも膨大な時間を勉強に割くための子供自身の覚悟も、そのために塾の送迎や家庭教師の費用などを負担する保護者の覚悟も必要になります。
また、塾や家庭教師の先生と勉強の進め方についても相談しなければいけません。
何度も親子や塾の先生としっかり相談をして、中学受験に向けて子供にあった勉強の進め方を決めていきましょう。
六年生からの中学受験はかなり難易度高め
六年生から中学受験を目指すことは、かなりの難易度となります。
四年生のころから受験に向けて勉強してきた子供たちと同じ土俵で戦わなければならず、膨大な勉強時間や揺るがない覚悟が必要になります。
難しい理由、それでも挑戦するためにはどうすればいいのかを、親子や塾の先生としっかりと話し合うことが大切です。