過去問演習は、中学受験だけではなくあらゆる受験勉強において避けては通れない対策勉強です。
過去問には問題の難易度、傾向、出題ボリューム、配分時間など志望校のあらゆる情報が網羅されています。
ここでは、過去問の開始時期や有効な取り組み方について説明します。
最新の過去問は学校によって販売時期が異なる
志望校対策に最も有効で必ず取り組まなければならない過去問。
1月~2月の受験シーズン終了後、問題を編纂しなおして最新の過去問が出版されます。
実は過去問は早くて3月頃から一般的には4月~6月頃、遅くても9月頃と学校によって出版されるタイミングが異なります。
志望校の最新の過去問がいつ発売されるかは事前に調査しておきましょう。
志望校が複数ある場合は、リストにして情報をまとめておくとよいでしょう。
書店で取り寄せ予約をいれるなどして確実に入手できるようにしましょう。
最新の過去問の発売日を待っているのはもったいない
親の受験対策としては、志望校ごとの出題傾向を事前に分析しておくことがとても重要です。
学校説明会では直近の入試問題を配布したり解説したりされることもあります。
待っているのももったいないので、学校説明会前に入手しておくとよいでしょう。
5年生になったら最新の過去問を購入しましょう。
5年生時点で購入するのは子どもが取り組むためではありません。
親が傾向分析するため、また何よりも6年生時に万一欠品してしまい購入まで時間がかかると、不安になるからです。
費用が気になる場合は、中古販売サイトなどで購入するといいでしょう。
過去問を先付けで入手して、親は何をすればいいの?
先ほどにも書いた通り5年生時に志望校の過去問を入手して、親は傾向分析しましょう。
難易度の高い学校は、親でも手も足もでないかもしれませんが、どういった問題が出題されているか、問題の量はどれくらいあるか、記述は多いか、漢字は出題されるか、作文はあるか、作文があるならどういったテーマが多いか、時事問題は出題されるか、など5年分の傾向分析を表にまとめていくことをおすすめします。
出題予想をするためではなく、これまでの傾向を踏まえておくことで、自宅でできる勉強内容に反映できることもあります。
特に作文が出題される学校は、過去問の傾向を踏まえながら家庭内で作文対策をすることがおすすめです。
作文は急には上手く書けません。
またやみくもに書いても上手くなりません。出題傾向に合わせた作文対策を家庭内でも少しずつ取り組むことで、得点力アップが期待できます。
過去問は6年生の9月頃から取り組むのがおすすめ
過去問対策夏休み明けの9月頃から対策するのがよいと言われています。
おおむね基礎学習を終え、9月から仕上げに入るためです。
早くから取り組みすぎると、まだ学力が十分についていないことから自信を喪失することがあります。
一方、志望校の過去問を早くから見慣れておいてこの問題が解けるようになりたい、と思う子どももいます。
親があせって過去問に早く取り組もうと押し付けるのではなく、子どもの性格や気持ち、勉強の進捗具合を確認してから取り組みましょう。
9月から取り組んで、12月までの年内4か月間で何度取り組めるかが大切です。
過去問は1回だけの取り組みでは、もったいない
志望校が多い場合、「第一志望は5年分、第二志望以降は3年分程度取り組みましょう」という情報をネットでよく見かけます。
これはあくまでも限られた時間の中で最低限取り組むべき量だと言えます。
基本的には受験する学校は過去5年分は取り組んでおく方がよいと思われます。
また、1回一通り取り組んで終わりというのはとてももったいないです。
過去問から類題が出題されるケースもあることから、本番までには正解できるようにしておく必要があります。
そのため、間違えたところは改めてもう一度解きなおすことが大切です。
過去問に取り組むときの注意点
過去問は実際の時間で取り組むと4~5時間はかかります。
そのため、演習編と実践編にわけて取り組むのがおすすめです。
まずは9月から10月は演習編として、時間は無制限で取り組みましょう。
5年分をとりあえず解いてみて、その際時間配分はいったん度外視して解けるかどうかを確かめます。
ここで大切なのは時間無制限とはいえ、かかった時間は記録するようにすることです。
また、答え合わせ時は正解ばかりに気を取られず間違ったところをチェックし、その週のうちに再度まちがったところだけ解きなおすのがポイントです。
演習編では、単に過去問を解いて答え合わせをして実力確認をすることが目的ではありません。
5年分の過去問が一通り解けるようになる、というレベルまで実力を付けるのが目的です。
また、解答用紙はコピーをとって取り組みましょう。
また過去問によっては、解答用紙が縮小されている場合があります。
原寸サイズに拡大して本番の状況に合わせて取り組みましょう。
次に11月頃から12月一杯までは実践編として実際の試験時間で全教科取り組みましょう。
1日使って、実際の本番の開始時間で過去問に取り組みます。
なるべく試験環境に近づけるため、休憩時間なども同じようにしてシミュレーションするのがおすすめです。
ここでも答え合わせで正解ばかりを気にせず、むしろ間違ったところをもう一度解きなおして、完璧に解けるようにしておくことが大切です。
過去問は一喜一憂するためのものではない
過去問が解けると嬉しいですし、解けないととても憂鬱な気分になるのは当然のことだと思います。
それだけ受験勉強に真剣に取り組んでいる証だからです。
ですが、過去問対策は受験勉強のなかでも時間が取られる勉強です。
今の実力を知るために取り組むというよりも、この学校の過去問が解けるというレベルにまで実力を引き上げるためのものです。
時間内で全問正解することは難しいですし、本番の試験でも全問正解する必要もありません。
ただし全て解ける実力を身に付けているのと、身につけていないとでは本番に挑むときの自信の差につながります。
本番の試験は子ども一人で立ち向かうものです。
自信をどれだけ持って本番の試験を迎えるかで、不安も解消されていきます。
過去問対策は早すぎず、でも遅すぎずに取り組むようにして、確かな実力と自信を付けましょう。