中学受験を考え始めたときに視野に入れておきたいのが、その費用や入学後の学費です。
お子さんの希望を叶えてあげたいと思う反面、たくさんお金がかかりそうで不安になりますよね。
この記事をご覧になれば相場や費用の抑え方がわかり、中学受験に向けて計画的に備えられます。
中学受験の費用は約300万円
中学受験の費用は、塾代を始めとして約300万円にも上ります。
このうち受験料や入学金はまとまったお金となるため、計画的に準備することが大切です。
塾代
多くのお子さんが中学受験勉強を始める小学4年生から塾に通い始めた場合、3年間の塾代は平均約200万円と言われています。
これには授業料のほか、入会金やテキスト代、季節講習代や模試代なども含まれます。
通い始める時期や受講する科目数、大手塾か否かにより、塾代は大きく変わってきます。
参考書代・文房具代
難関中学を受験するお子さんは、塾の教材のほかにも参考書などを自分で購入することもあるでしょう。
また塾に通うとシャープペンや消しゴム、ノートなどの消耗が早くなるため、文房具代も余計にかかります。
通信料
近年は新型コロナウイルスの影響もあり、小学生でもタブレットやパソコンで勉強するお子さんが増えています。
そのため端末の購入費のほか、Wi-Fiのない場所で使用する場合はデータ通信料がかかります。
塾での食事代
塾に通っているお子さんは、勉強に集中するために授業前後で軽食を取ることが増えるため、それに伴い食費もかさみます。
受験料
都内私立中学の受験料は平均約2万3千円です。
中学受験では4、5校に併願することが多いため、受験料だけで10〜15万円かかることになります。
塾通いや受験当日の交通費
自宅から離れた塾に通う場合は、電車代やバス代、車で送迎するのであればガソリン代などの交通費がかかってきます。
遠方の学校を受験する場合はそこまでの交通費も必要になります。
入学金
都内私立中学の入学金の平均は約26万円です。
併願校の合否がわかるまで納入を延期してくれたり、入学を辞退した場合に返還してくれたりする学校もあります。
金額や期限、延期や返還の有無は学校によって異なるため、ホームページなどで確認しておきましょう。
私立中学3年間の学費は約300万円
全国の私立中学の学費は、1年間で平均約107万円であり、3年間で約320万円。
前述した入学金を除くと約295万円となります。つまり3年間で約300万円もの学費がかかるのです。
参照資料:文部科学省 総合教育政策局調査企画課『平成30年度子供の学習費調査の結果について』
*『平成30年度子供の学習費調査の結果について』by文部科学省 総合教育政策局調査企画課
授業料
私立中学が国公立中学と大きく違う点は授業料がかかることです。
都内私立中学における1年間の授業料は平均約48万円です。
つまり中学校3年間で約144万円にも上ります。
参照資料:東京都 生活文化局 報道発表資料『令和4年度 都内私立中学校の学費の状況』
*『令和4年度 都内私立中学校の学費の状況』by東京都 生活文化局 報道発表資料
教材費・施設費・修学旅行費
授業料のほかに勉強に関連するものとしては、教材費や施設費、修学旅行費などがかかります。
都内私立中学の施設費は入学時に一括納付で平均約3万5千円(※1)、修学旅行費は平均約8万円(※2)となっています。
参照資料
※1:東京都 生活文化局 報道発表資料『令和4年度 都内私立中学校の学費の状況』
*『令和4年度 都内私立中学校の学費の状況』by東京都 生活文化局 報道発表資料
※2:文部科学省 総合教育政策局調査企画課『平成30年度子供の学習費調査の結果について』
*『平成30年度子供の学習費調査の結果について』by文部科学省 総合教育政策局調査企画課
交通費
私立中学には遠方からはるばる通ってくるお子さんもいます。
そのため電車代やバス代、車で送迎する場合はガソリン代などの交通費がかかります。
寄付金・学校債
私立中学のなかには、寄付金や学校債を求められるところもあります。
寄付金は学校に寄付するお金で、学校債はお子さんの卒業時に返還してもらえるお金です。
この2つは校舎の建て替え費用などに充てられることが多いようです。どちらも支払いは任意です。
受験費用を抑える方法
受験費用を抑えるポイントは、早くから親子で話し合い、受験校を見極めることにあります。
受験校を絞る
受験校を絞ることで受験料を少なくできます。
「合格できるかわからないからたくさん受験させたい」というお気持ちはわかりますが、早い段階でお子さんと相談し、受験校を適切に見極めていきましょう。
複数回受験の割引制度を利用する
その学校を複数回受験するお子さんに対して、受験料を割引する制度を導入している学校もあります。
制度の有無や割引率は学校によって異なるため、ホームページなどで確認してみましょう。
学費を抑える方法
学費の支払いが厳しい場合は、自治体や学校独自の制度を利用するという方法があります。
もしくは公立の中高一貫校に通うという選択肢も視野に入れましょう。
自治体の助成制度を利用する
自治体によっては、経済的理由で私立中学での修学が難しい生徒の授業料を減免したり、成績優秀者に奨学金を貸与または給付したりしているところもあります。
該当の自治体に問い合わせてみましょう。
特待生制度や奨学金制度を利用する
成績が優秀な生徒の学費を免除する特待生制度や、独自の奨学金制度を設けている学校もあります。
特待生は入試の結果、もしくは在学中の成績で決まります。奨学金には給付型(もしくは免除型)と貸与型の2種類があります。
制度や有無や内容は学校によって異なるため、ホームページなどで確認してみましょう。
国公立の中高一貫校に通う 国公立の中高一貫校の中等部における3年間の学費は約40〜100万円(交通費は含まない)です。
つまり私立中学の3分の1程度の学費で通うことができます。
参照記事:市進中学受験情報ナビ『2022年度(令和4年度)首都圏 国立・私立・公立一貫 学費一覧』
*2022年度(令和4年度)首都圏 国立・私立・公立一貫 学費一覧』by市進中学受験情報ナビ
中学受験費用と学費は計画的に準備しよう
中学受験や入学後にはたくさんの費用が必要ですが、お子さんの希望はなるべく叶えてあげたいのが親心ですよね。
早くからお子さんと話し合い、費用を計画的に準備することで、お子さんの挑戦を心置きなく応援してあげられるとよいですね。