中学受験が終わり、手応えがあったにもかかわらず志望校に落ちた場合「もしかして繰り上げ合格になるのでは…」と期待を抱く方もいるでしょう。
この記事を読み繰り上げ合格について理解しておけば、お子さんにその可能性が出てきたときにも落ち着いて対処できます。
繰り上げ合格の概要
合格者が入学を辞退し、順位が繰り上がることで生まれる繰り上げ合格。
ただし、その可能性はごくわずかとされています。
繰り上げ合格のシステム
繰り上げ合格とは、入試で受かっていた生徒が入学を辞退したことで、一旦は落ちた生徒の順位が繰り上がり合格になることです。
中学受験では併願受験するお子さんがほとんどです。
そのため第一志望校に受かった場合、第二志望以下の学校への入学を辞退することがあります。
学校もそれを見越して定員より多めに合格者を出すようにしていますが、辞退者数を正確に予測するのは不可能なため、ときには定員割れすることがあります。
そこで一度は落ちてしまった生徒が繰り上がって合格となるのです。
枠はごく少数
繰り上げ合格になるのはごく少数です。
学校は前年までのデータに基づいて辞退者数を予測しているため、何十人も繰り上げ合格になることはまずないでしょう。
また第一志望にされることの多い難関校では、まったく出ない年も珍しくありません。
高得点の人から繰り上がる
繰り上げ合格者は、すべての教科の総合得点が高い人から順に選ばれます。
もし同点の生徒がいたときは、ある特定の教科の点数が高いほうを優先する、といった学校それぞれが持つ独自の規定が適用されます。
いずれにせよ、合格最低点まであと1,2点届かなかっただけ、という生徒が大半です。
入試における1点にはそれほどの重みがあるのです。
通知はいつどんな風に来る?
繰り上げ合格は、正規合格者の入学手続きが終わったあとに電話で通知されることがほとんどです。
合格発表後しばらくは着信に注意しておきましょう。
通知されるのは正規合格者の入学手続き完了後
繰り上げ合格の通知は、正規合格者が入学手続きを完了したあとに来ます。
これは入学辞退者を確定させ、それにより空いた枠を過不足なく埋めるためです。
基本的には数日以内に通知が来ますが、候補者が多いときなど、遅くなるケースもあります。
通知方法は電話が多い
入学するか否かの意思をスムーズに確認するため、通知は電話で来ることがほとんどです。
入学願書には一番連絡の取りやすい番号を記載しておきましょう。
電話に出られなかったときに留守電を残してくれる学校もありますが、可能な限り1回で出られるようにしましょう。
非通知でかかってくることもあるため、非通知の拒否設定も解除しておいてください。
電話が繋がらないと不合格になる恐れも
何度も電話に出られないことが続くと、入学する意思がないと判断され、せっかくの繰り上げ合格が次点の候補者に回されてしまう恐れがあります。
それは学校側が一刻も早く全入学者を確定させたいと考えているからです。
したがって今一度非通知を拒否する設定になっていないか確かめ、連絡が来ると予想される期間は着信に気をつけてください。
繰り上げ合格の可能性があるときの心づもり
入試での手応えや自己採点の結果からして繰り上げ合格になる可能性があるときには、その連絡が来たときに備え、入学するか否かを親子で相談したうえで決めておきましょう。
どう答えるか親子で相談しておく
繰り上げ合格の連絡が来た際にどう答えるのか、お子さんと相談したうえで決めておきましょう。
学校側は全入学者を一刻も早く確定させたい、入学を強く希望する生徒を入学させたい、と考えています。
そのため電話を受けたときに入学を即決できなければ、電話に出られなかったとき同様、次点の候補者に回されてしまう恐れがあります。
どう答えるか親子でよく考え、いざ連絡をもらったときに落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
どんな形の合格でも胸を張ろう
繰り上げ合格は誰がなんと言おうとれっきとした合格です。
ただ、なかには正規の試験で受かったわけではないからと自信をなくし、入学するのをためらってしまうお子さんがいるのも事実です。
しかし合格最低点にあとわずかまで迫る実力があったからこそ、最後に運と縁でお子さん自身がつかみ取った合格なのです。
お子さんが本当はその学校に行きたいけれど、繰り上げ合格だからという理由でためらっているときには、保護者の方が優しく背中を押してあげてください。
辞退するのもあり
そうは言っても、入学を辞退したほうがよいケースもあります。
繰り上げで受かった生徒のなかには「入ったあとに勉強が難しくてついていけなくなるかも…」と不安を感じるお子さんがいます。
このようにお子さんの期待より不安が大きいときや、併願で受かった学校に納得して通えそうなときは、辞退するのもまた賢明な判断です。
1点を大切に
受験の世界ではたった1点が合否を分けます。
ケアレスミスがないか何度も見直し、最後の最後まであきらめずに考え抜きましょう。
そうしてもぎ取った1点が、あなたを合格に導いてくれるかもしれません。