お子さんの志望校が家から遠い場合「毎日の通学が大変そう」と、親としては心配になりますよね。
ズバリ、志望校の通学時間はお子さんが6年間通うためにも考慮すべきです。
この記事をご覧になれば、通学時間で志望校を決めかねている場合の判断ポイントがわかります。
通学時間が長いメリット・デメリット
長距離通学というと大変なイメージが大きいかもしれませんが、意外にメリットもあります。
デメリットと合わせて確認してみましょう。
メリット
①通学中に勉強や読書ができる
毎日決まった時刻に決まった時間だけ電車やバスに乗ることで、勉強や読書を習慣化しやすくなります。
単語カードや用語集、電子辞書や本(→電子辞書や読書の記事に誘導?)などを持ち込み、勉強や読書を積み重ねていくことで、成績や語彙力がアップする可能性があります。
乗り換えがある場合でも「次の駅までに◯◯を覚える」というように、時間の区切りを逆手に取り、集中して勉強できます。
②規則正しい生活が身につく
長距離通学の場合、少しでも寝坊すると学校に遅刻する可能性があるため、自ずと夜早く寝るようになります。
それを繰り返しているうちに、規則正しい健康的な生活が自然と送れるようになるでしょう。
デメリット
①重い荷物を持っての移動が大変
最近は「置き勉」をしてもよい学校が増えていますが、宿題や授業の予習・復習をしようと思うと、結局はほとんどの教材を持って帰ることになります。
それにお弁当や水筒が加わると、カバンの重さは10kg以上になることもしばしば。
特に満員電車などで座れない場合、体に大きな負担がかかってしまいます。
②睡眠不足になる可能性がある
通学時間が長いということは、当然その分早く起きて出発しなければなりません。
始業前に朝学習を行っている学校も多く、夜の時間の使い方を間違えると睡眠不足になる可能性があります。
また私立中学は給食がない学校が多く、親御さんが早起きしてお弁当を作らなければならないため、親子で睡眠不足になることも考えられます。
平均60分・限界90分が目安、手段や乗り換え、混雑具合も要チェック
私立中学の通学時間に関してよく聞かれるのが「平均60分・限界90分」という数値です。
実際、日本最難関の学校の1つ開成中学校・高等学校のホームページによると、開成中学の生徒の通学時間(2021年4月時点)の分布は
・30〜59分 49.7%
・60〜89分 31.6%
・90分以上 5.3%
となっており、やはり「平均60分・限界90分」という数値は妥当だと言えます。
しかしそうは言っても、実際は交通手段や乗り換えの回数、交通機関の混み具合などによって、通学の疲労度は変わってきます。
時間だけでなく、これらの要素も必ずチェックしましょう。
主な交通手段
主にどの交通手段で通うのかによって疲労度は変わってきます。
たとえば電車やバスに乗っている時間が長くても、家や学校から最寄駅までが徒歩数分であれば、そこまで大きな負担にはなりません。
むしろ乗車時間を勉強や読書の時間に充てられます。反対に徒歩の時間が長いと疲れやすく、勉強の効率が落ちてしまう可能性があります。
乗り換えの回数
電車やバスの乗り換えの回数は、当然少ないほうが負担がかかりません。
乗り換えがあると、乗り過ごさないよう常に気を張っている必要があります。
特にバスは電車より本数が少ないため、1本乗り過ごしただけで遅刻する可能性があります。
そのため通学時間がそれほど長くなくても、乗り越えが多いと疲れてしまうでしょう。
交通機関の混雑具合
交通機関の混雑具合も、疲労度を大きく左右します。
学校が都市部にあるか郊外にあるかで、交通機関の混み具合は大きく変わってきます。
登校の時間帯、都市部へ向かう電車は混雑し、郊外へ向かう電車はすいている傾向があります。
下校の時間帯はその逆です。電車に乗っている時間は同じでも、混雑していれば精神的にも体力的にも疲れてしまうでしょう。
長距離通学するかどうかで迷ったら
上記をチェックした上で、それでもまだ長距離通学するかどうか迷うときは、以下の3つを確認してみてください。
平日の朝と夕方に下見をする
下見をすると通学のイメージが湧きやすいでしょう。
ただしここで重要なのは、実際にお子さんが登下校することになる、平日の朝と夕方に下見をすることです。
平日の昼間や休日は混み具合がまったく違うため参考になりません。
通学できそうか否かだけでなく、実際に通っている生徒の様子もわかるため、一石二鳥です。
その学校でなければダメな理由があるか確認する
下見をして通学するのが大変そうだと感じた場合でも、その学校でなければ学べないこと・できないことがある場合は、志望校候補に入れておきましょう。
明確な志望動機があるにもかかわらず、通学時間が長いからという理由で妥協すると後悔する可能性があります。
反対に、悩む理由が多少の進学実績の差などであれば、通学時間が短いほうの学校がおすすめです。
子どもの意見を優先する
6年間その学校に通うのは親御さんではなくお子さんです。
本人にその学校に行きたいという強い意志があれば志望校にし、そうでなければやめるのが賢明です。
長距離通学のメリット・デメリットや、ほかの学校の選択肢を提示してあげたうえで、最終的な判断はお子さんに委ねましょう。
親子でしっかり話し合おう
長距離通学ができるかどうかは、お子さんの体力や性格にもよるため、お子さんとしっかり話し合って決めることが大切です。
もし長距離通学をすることになったら、親として精一杯サポートしてあげられるとよいですね。