中学受験の算数の分数で覚えておきたいテクニックや工夫を紹介|大学受験エリート

中学受験の算数の分数で覚えておきたいテクニックや工夫を紹介

 

 

中学受験の算数の中で、分数が苦手というお子さんは多いです。

しかし一見すると難しいように思える分数ですが、テクニックや工夫を知るだけで簡単に解けるようになります。

 

ここでは中学受験で役立つ、分数のテクニックや工夫について紹介します。受験勉強にぜひ役立ててください。

 

【基本編】基本の分数のテクニックや工夫

 

ここでは中学受験の算数で覚えておきたい、基本の分数のテクニックや工夫を4つ紹介します。

基本部分なので、しっかりとおさえておきましょう。

 

小数を分数に変換する

 

小数を分数に変換するためには、分母に1を入れて〇/1にすることを意識しましょう。

例えば、以下のようにします。

 

10 = 10/1、5 = 5/1 小数も同じ様に、分母に1を入れます。

その後に整数に整えれば、簡単に小数が分数になります。

0.1 = 0.1/1 = 0.1 /1×10/10 = 1/10

整数に戻した後に、同じ数で割れるようなら割って完成です。

 

0.25 = 0.25/1 = 0.25 /1×100/100 = 25/100 = 25 /100÷ 25/ 25 = 1/4

 

中学受験で頻出の分数を覚えておけば、計算の時間を短縮することができます。

以下をできる限り覚えて、受験の時間を有効活用しましょう。

 

1/2 = 0.5、1/4 = 0.25、3/4 = 0.75、1/5 = 0.2、2/5 = 0.4、3/5 = 0.6、4/5 = 0.8、7/5 = 1.4、1/8 = 0.125、3/8 = 0.375、5/8 = 0.625、7/8 = 0.875

 

帯分数を仮分数に変換する

 

帯分数を仮分数にするためには、飛び出ている数字を分母とかけて分子に加えます。

下記の例では、2 × 3 をして5に加えます。

2 5/3 = 11/3 帯分数を仮分数に変換する際、つまづくお子さんは少ないです。

 

大事なことは、帯分数を見つけたら即座に仮分数に変換することです。

帯分数のままでは問題は解けません。すぐに変換できるように、練習を重ねておきましょう。

 

足し算・引き算は分母を揃える

 

足し算、引き算は分母を揃えてから計算します。

分数の下の数字が違ったら、同じ数字に揃えることを意識しましょう。

 

具体的には、以下のように計算します。

1/2 ⁺ 1/3 = 1 /2 × 3/3 ⁺ 1 /3× 2/ 2 = 3/6 ⁺ 2/6 = 5/6

 

この変換もつまずくお子さんは少ないです。

大事なことは、必ず分母を揃えてから足し算・引き算を行うことです。

 

割り算はかけ算に変換

 

割り算を行う場合は、割る部分を丸ごとひっくり返してかけ算に直すことがポイントです。

具体的には、以下のように計算します。

1/2 ÷ 3/5 = 1/2 × 5/3 = 5/6

 

割り算のまま計算しようとするお子さんもいますが、必ずかけ算に直すようにしましょう。

その際、分母と分子をひっくり返すことも忘れずに行います。

 

【応用編】キセル算でかけ算を引き算にする

 

キセル算を利用すれば、一見難しそうに見える問題も簡単に解けます。

例えば以下の問題について考えてみましょう。

 

1/6 ⁺ 1/12 ⁺ 1/20 ⁺ 1/30

上記を普通に解いてみると、以下のようになります。

1/6 ⁺ 1/12 ⁺ 1/20 ⁺ 1/30 = 10/60 ⁺ 5/60 ⁺ 3/60 ⁺ 2/60 = 20/60 = 13

 

これでもよいのですが、分母が60になると即座に判断できなければ多くの時間がかかってしまいます。

しかしキセル算を使うと、分母が分からなくても解けてしまうのです。

 

上記の式について、分母を分解すると以下のようになります。

1/6 ⁺ 1/12 ⁺ 1/20 ⁺ 1/30 = 1/2×3 ⁺ 1/3×4 ⁺ 1/4×5 ⁺ 1/5×6

 

上記の式には法則性があることが分かりましたか?

両端の数字である2と6以外の数字は、隣り合っているのです。

この式にある分数のかたまりは、以下のように書き換えられます。

 

1/2×3 = 1/2 - 1/3、 1/3×4 = 1/3 - 1/4、1/4×5 = 1/4 - 1/5、1/5×6 = 1/5 - 1/6

上記は「部分分数分解」というテクニックを使っています。

これは分数のかけ算を、分数の足し算に変えるためのものです。

 

そしてこの部分分数分解こそが、キセル算の正体です。

1/2×3や1/5×6のように、連続した数字が隣り合って並んでいて、左側の数字の方が小さいときに部分分数分解すると「1/A×B = 1/A - 1/B」という式が成り立ちます。

 

つまりこれを最初の式に当てはめると、以下のようになります。

1/6 ⁺ 1/12 ⁺ 1/20 ⁺ 1/30 = 1/2×3 ⁺ 1/3×4 ⁺ 1/4×5 ⁺ 1/5×6 = (1/2 - 1/3) + (1/3 - 1/4) + (1/4 - 1/5) + (1/5 - 1/6) = 1/2 - 1/6

 

最終的には式を分解したときに、両端の数字であった2と6以外は消えてしまいました。

そしてこれを計算すると以下のようになります。

 

1/2 - 1/6 = 3/6 - 1/6 = 2/6 = 1/3 分母を揃えて計算したときと、同じ答えがでることが分かりますね。

このようにキセル算を使うと、難しい分数の問題でも簡単に解けるようになります。

 

キセル算(部分分数分解)には、上記で説明した以外にも種類があります。

ここでは一覧で紹介するので、問題を解く際に使ってみてください。

 

①AとBが連続する整数でA<Bのとき、

1/A×B = 1/A - 1/B 例.1/2×3 = 1/2 - 1/3

 

②AとBが整数でA<Bのとき、

1/A×B = 1/B - A × (1/A - 1/B) 例.1/3×5 = 1/5 - 3 × (1/3 - 1/5)

 

③AとBとCが整数でA<B<Cのとき、

1/A×B×C = 1/C - A × (1/A×B - 1/B×C) 例.1/2×4×5 = 1/5 - 2 × (1/2×4 - 1/4×5)

 

分数のテクニックを駆使しよう!

 

この記事では、

分数の基本テクニック4つと、応用テクニックとしてキセル算について紹介しました。

 

分数は整数と形が大きく異なるため、苦手意識を持つお子さんも多いです。

 

しかし何度も繰り返し解くことで、無理なく取り組めるようになります。

中学受験までにいかに分数と触れ合えるかが、分数問題を解くコツです。

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