中学受験に英語は必須になるのか悩んでいるご家庭は少なくありません。
2020年度に小学校に英語が教科として導入されました。
今後、中学入試にどれだけ影響してくるか注視が必要な状況です。
今回は、中学受験における英語入試の傾向と対策を解説します。
中学受験に英語入試を検討する学校は多い
首都圏の私立中学では、英語を入試に用いるケースが増えています。
2014年度は15校だったのが、2022年度は146校もありました。
右肩上がりに見えるものの、取り入れた学校もあれば、取りやめた学校もあります。
つまり、現時点では英語入試の実施校が増え続けているとは断言できない状態です。
各学校が受験における英語の扱いを検討している段階といえるかもしれません。
しかし、多くの学校が英語を意識していることに違いはないといえます。
中学受験に英語入試が導入される背景
中学受験の入試に英語が取り入れられるようになった背景には、大学入試と小学校での英語導入があります。
大学受験で求められる英語力が上がる
2024年度から大学入試で求められる英語力が大きく変わります。
暗記中心ではなく、思考力や表現力を問われる問題が増える予定です。
文法や単語を覚えるだけでは対策がとれず、中高の英語教育にも変化が求められるでしょう。
そのため、中学受験の段階で英語力を求める必要性が出てきました。
小学校の指導要領に英語が加わった
2020年度から小学校に英語が教科として加わりました。
新学習指導要領も定められたので、今後は全国で同じレベルの学習が進むことでしょう。
小学校卒業時には中学1〜2年生程度の知識を習得する予定になっています。
そのため、小学校での主要科目を入試に扱ってきた学校が、英語を受験科目に加える可能性も高いでしょう。
中学受験で英語は必須になるのか?
今後、中学受験の準備に英語は必須になってくるのでしょうか。入試の傾向とあわせて解説します。
中学入試のスタイルは多様化
これまでの中学入試は主要科目の筆記試験が一般的でした。
ところが、最近の中学受験では「1教科入試」「AO入試」「適性検査型入試」など幅広い試験が導入されています。
そのため、今後は英語1教科入試や、英語力をアピールしてのAO入試が増えても不思議ではありません。
新学習指導要領の定着がポイント
英語入試の今後は、小学校の新学習指導要領の定着度合いも関係するでしょう。
中学入学後の英語力を求める学校は、英語入試を導入する可能性が高いかもしれません。
小学校卒業時の英語力が明確になる時期に合わせ、受験科目に英語を加える学校が増えるとも考えられます。
中学受験の英語入試は幅が広い
導入されて歴史の浅い英語入試ですが、現時点ではどのように実施されているのかをまとめました。
受験科目として必須
受験科目の1つとして英語の試験を実施しているケースです。
全受験生が同じ問題を解くので、他の教科と同様に受験勉強が必要になります。
受験科目の選択肢として
学校によっては受験生が受験科目を選びます。
その選択肢の1つに英語を加えるケースです。英語に自信のあるお子さんにとっては歓迎できる実施方法といえるでしょう。
英語1教科入試
数は多くないものの、英語1教科のみの入試をおこなう私立中学校もあります。
帰国子女に限らず、インターナショナルスクール出身者や両親が英語を話せる児童などが多く受験するようです。
筆記試験だけでなく、英語でのコミュニケーション力も求められるでしょう。
中学受験で問われる英語力
中学受験の英語入試は学校によって求めるレベルが異なります。
英検4級程度のレベルが一般的
英語教育に特化していない私立中学校の場合、英検4級レベルが一般的です。
これは、小学校卒業時に習得できる中学1~2年生レベルに相当します。
中学受験に向けて特別な対策を必要としないお子さんもいるでしょう。
国際クラスなどは高校卒業レベル
学校によっては、国際クラスや特進コースを設けています。
求められる英語力は高くなる傾向があり、英検準2〜2級レベルの問題が出題されることも少なくありません。
高校卒業レベルの英語力になるので、対策は必須といえるでしょう。
また、リスニングやスピーキングの能力も必要になるケースがほとんどです。
中学受験の英語対策はどのように進める?
志望校が英語入試を導入している場合、どのように対策を進めたらいいのかを紹介します。
志望校の傾向をつかむ
中学受験は、学校によって問題の傾向がさまざまです。
同じ英検4級レベルだとしても出題内容は異なるでしょう。
過去問や学校説明会などから分析と対策が必要になります。
ネイティブの発音に慣れる
リスニングやスピーキングの試験対策は、ネイティブの発音に慣れておく必要があります。
英語は習熟度に差がでやすいので、集団よりも個別学習の方がおすすめです。
早めに取り組んでおく
英語が中学受験に導入されてから日が浅いため、動向は安定していません。
お子さんが6年生になってから慌てることのないように、早い段階から勉強しておくと安心です。
まとめ
中学受験は、英語入試が増加する傾向にあります。
ただし、英語だけで合否を判断する学校はほとんどありません。
中学受験の準備は範囲が広く時間もかかります。
やみくもに英語を勉強せずに、志望校の状況を把握することからはじめましょう。
英語の対策が必要な場合は、集団よりも個別の方がお子さんの習熟度に合わせた授業が期待できます。