中学受験における女子の御三家とは|大学受験エリート

中学受験における女子の御三家とは

 

「女子御三家」、中学受験を考えている方なら一度は耳にしたことがあるかと思います。

さて、三校とも名前が出てくるでしょうか?

 

桜蔭中学校・高等学校(以下「桜蔭」)」「女子学院中学校・高等学校(以下「女子学院」)」「雙葉中学校・高等学校(以下「雙葉」)」の3校です。

 

いずれも東京23区内にあり、高い学力を誇る中高一貫校であることが特徴です。

 

仮に、どの学校でも狙える程度の学力がある場合、どの学校を選べばよいのでしょうか。

 

その校風を知ると、それぞれ三者三様に特徴があることを実感されると思います。

 

場所

予習復習の勉強時間などを考慮すると、通学時間は重要なポイントです。

幸い、全ての学校が都心に集中しています。

 

三校の所在地、および最寄駅を見ていきましょう。

 

桜蔭

文京区本郷一丁目。

偶然かもしれませんが、桜蔭から進学実績の高い東京大学に近いですね。

 

最寄駅は都営三田線の水道橋駅(徒歩5分)

JR総武線の水道橋駅、もしくは都営大江戸線・東京メトロ丸の内線の本郷三丁目駅からも徒歩圏内です。

 

学校へは、桜蔭坂と呼ばれる坂を上って登校します。

 

女子学院

千代田区一番町。

皇居や国会図書館などの施設が近く、治安も抜群です。

 

最寄駅は東京メトロ有楽町線の麹町駅(徒歩3分)

ほか、東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅、JR中央・総武線の市ヶ谷駅などからも徒歩圏内です。

 

雙葉

千代田区六番町。

所在地から分かるかと思いますが、女子学院とかなり近い場所にあります。

 

最寄駅はJR中央・総武線、東京メトロ丸の内線の四ツ谷駅(徒歩2分)

 

三校とも駅からのアクセスに恵まれており、通学しやすい場所にあるといえるでしょう。

 

官庁・企業のオフィスや文化施設も多いエリアです。

通学時にこういった建物を自然と目にし、身近に感じられるのも、長い目で見ると利点ではないでしょうか。

 

偏差値・試験傾向

受験にあたり重要視される偏差値。

また、各校とも、偏差値だけでは計れない試験傾向があります。

 

桜蔭

偏差値70~77程度

3校の中でもトップです。

卒業生の東大合格者数ランキングトップ10に、女子校で唯一名を連ねています。

他の進路先も名だたる大学ばかり、学力は女子校最高峰といえるでしょう。

 

試験科目は4科目。そのうち配点が高い国語・算数ともに相応の難易度を誇ります。

どちらかの科目が大きく苦手という状況ですと、合格は厳しいでしょう。

 

女子学院

偏差値は70~76程度

入学試験がやや特徴的です。

 

4科目とも問題の難易度がさほど高いわけではないのですが、問題数が多い割に時間が少ない傾向にあり、効率的に問題を解いていくスピードと正確性が要求されます。

 

また、三校とも面接を実施していますが、グループ面接を行っているのも女子学院だけです。

後述しますが、校風ゆえに、集団の中で自分をどう表現できるかを見ているのでしょう。

 

こちらも東大進学率は桜蔭に次ぐレベル。

難関校に多数の合格者を出しています。

 

雙葉

偏差値は68~74程度

 

試験科目は4科目。

以前は国語が得意、算数が苦手なお子さんが狙いやすい試験だったのですが、近年は算数も相応の難易度で出題されています。

 

とはいえ、国語は主人公の心情を問うような問題は出さず、記述力が試されるなど、独自の国語力を試されます

 

雙葉は女子御三家の中で唯一、幼稚園・小学校があります。

 

小学校からの内部進学者がいるため、中学からの募集人数はほか2校の半分以下です。

 

その影響もあるのか、実は女子御三家の中で一番倍率が高いのも雙葉です。

 

東大進学率は二校ほどではありませんが、医学部への進学率が高い等、大学名よりも進学目的を重要視しているのかもしれません。

 

三校とも、ことさら大学受験に重点を置いた授業をしている訳ではないのですが、それでいて多くの生徒が難関大学に合格しています。

 

また、医学部・薬学部など、女子校としては理系の進路に進む生徒が多いのも特徴です。

 

入試日

3校とも基本的には2月1日に設定しています。

また、試験日を複数設ける学校もありますが、女子御三家はいずれも試験日は1日きりです。

 

例外として、プロテスタントの女子学院は1日が日曜日に当たっている場合、日曜日に働いてはいけないという教義があるため、試験日を2月2日にずらします。

 

何年かに一度やってくるサンデーショックと言われていますが、この年に受験する場合は御三家の併願ができることになります。

 

特色

各校それぞれ、設立基盤に基づき培われてきた、個性ある校風があります。

 

桜蔭

女子校としては珍しく、特別な宗教基盤を持っていません。大事にされているのが「礼節」です。

 

桜蔭では中1では週1回、中2・中3では5週に1回、礼節を学びます。

社会人としての形を身に着けるべきという考え方によるものです。

 

ほか、習字や合気道といった、日本の伝統文化を感じる部活や科目が目を引きますが、これらも「体幹を整える」等の目的があります。

 

まさに、校訓の「責任を重んじ 礼儀を厚くし 良き社会人であれ」を体現しています。

 

また、昔ながらの制服を守っていますが、新たにベスト・スラックスが加わりました。

 

卒業後の進路に、政治家など男性社会と言われる職場で働く女性も多いため、ジェンダーフリーの機運を受けてのものでしょうか。

 

学業は宿題をさほど出さない、試験のランキングを出さない等、自主性を大事にしているようです。

 

特徴的なのが、中3で行われる自由研究です。

自分が関心を持っているテーマを、原稿用紙20~40枚程度にまとめる課題が出されます。

 

全生徒の作品が冊子にまとめられ、代表者には研究発表会も用意されています。

 

女子学院

プロテスタントの精神に基づいた、自由な校風が特徴敵です。

 

校則は「既定のバッヂをつける」「校内では指定の上履きを履く」「登校後の外出は禁止」「校外活動は学校に届け出る」の4つのみ。

 

制服着用義務がなく、茶髪やピアスも禁止されていません。

 

スカート丈が、髪型が…と注意されがちな女子校の中では、かなり異色です。

 

週5日制を維持しているのも、学業を重んじる私立校では珍しいことです。

 

その分宿題が多いようですが、6年間できちんと学べるようなカリキュラムが組まれています。

 

授業は観察・工作・演習など実技を通した学びや、ディスカッションを通した意見交換が盛んで、受け身でいられる授業は少ないようです。

 

学園祭などでもユニークな気風を感じられますが、これといった問題が起きたという話も聞きません。

 

生徒が「自由」という言葉の重みを理解しており、また、そういった教育がされているのでしょう。

 

雙葉

上皇后美智子様や皇后雅子さまが雙葉小学校に通われていたことが大きいのか、「お嬢様校」のイメージが強いようです。

 

現在でも、小学校は経済力が高い家庭のお子さんが集まるようですが、中学校からは特別そういったことはなく、内部生と外部生も自然と溶けこんでいくようです。

 

カトリック系の学校らしく「宗教」の授業が設けられていますが、そこでは宗教の話だけではなく、世界情勢や貧困についてなど、分野をまたがって話が展開するそうです。

 

その精神に則った、ボランティア活動や校内清掃などの道徳教育も特色です。

 

また、語学教育に力を入れられています。

 

小学校から教えられている英語に加え、生徒全員がフランス語の授業を履修します。

 

高校生からはフランス語を第一外国語として選択することも可能です。

 

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3校の特徴はお分かりいただけましたでしょうか。

 

いずれも大学はなく、内部進学はありません。

卒業後の進路を見据え、卒業生や社会人によるキャリアガイダンス等が用意されています。

 

女子の新御三家

御三家には、偏差値だけでなくその伝統などが含まれたうえでの呼ばれ方ですが、

「新御三家」と呼ばれる学校があることはご存知でしょうか。

 

豊島岡女子学園・鴎友学園女子中学校・吉祥女子中学校の三校です。

 

こちらも高い進学実績に加え、スーパーサイエンスハイスクール指定など、特色ある環境やカリキュラムを備えています。

 

部活の活発さ・大学受験に関しての面倒見の良さ等、御三家とはまた違った魅力があるかもしれません。

 

この三校はいずれも試験日を複数設けているため、御三家との併願が可能です。

 

まとめ

御三家とも、かなり校風が違っていることはご理解いただけたのではないでしょうか。

 

注意点は、校風の違いが試験傾向の違いに繋がっていることです。

 

行きたい学校が決まれば、その試験傾向に沿った勉強をする時間を取れます。

 

ネットの情報だけでなく、学園祭などには必ず行って、その学校の雰囲気や、生徒さんの表情を肌で感じましょう。

 

行ってみることで、その学校で生活している自分が想像できるかどうかつかめると思います。

 

中学・高校の6年間を過ごす学校です。

お子さんに合った学校を目指しましょう。

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