中学受験に挑む子たちの中には、理科を苦手としている子が多いです。
どうして理科が苦手な子は多いのでしょうか。
この記事では「理科を苦手とする子供が多い理由」「理科を得意科目にするための勉強法」などをわかりやすく解説していきたいと思います。
中学受験の理科の位置づけって?
中学受験のメイン科目の一つである理科。
4科目受験の学校では、必ずと言っていいほど採用される科目です。
4科目受験の学校では国語と算数が100点、理科と社会を50点という配分にしているところもあり、理科と社会というのは勉強が後回しにされる科目でもあります。
しかし、理科については学習する内容が複雑なものになるので、十分な時間を取らなければ成績を伸ばすことはできません。
たとえ配分が少なかったとしても、後回しにすることはせず十分な学習時間を確保するようにして下さい。
また、理科は好き・嫌い、得意・不得意が分かれる科目でもあります。
お子さんが理科が苦手ならば、その苦手意識を取り除かなければなりません。
ただ勉強するだけではなく、理科に興味を向けさせるということも考えるようにしましょう。
中学受験の理科の出題分野について
中学受験の理科は、主に4つの分野から出題されます。
植物や動物などの生き物について問われる『生物』、
星座や天気について問われる『地学』、
体積や濃度について問われる『化学』、
光や電気について問われる『物理』
という4つの分野の対策をしなければなりません。
また、暗記力と計算力、さらには文章の読解力も求められる科目であり、さまざまな角度から問われる問題が多くなります。
ただ暗記だけをしていればいいわけではなく、学習方法にもこだわらなければなりません。
中学受験の理科を苦手にする子が多い理由これ
苦手意識を持つ子供が多い理科。
なぜ、理科に苦手意識を持つ子は多いのでしょうか。
ここでは、その4つの理由について解説していきたいと思います。
聞き慣れない用語が多い
理科の勉強をしていると、日頃聞き慣れないような用語が頻繁に出てきます。
カタカナ用語や漢字のみの用語というものも多く、覚えづらいということで苦手意識を持つ子が多くなります。
特に、言葉からどんなものか想像できないような用語が多く、この部分に悩まされる子は多いです。
計算がある
理科は知識量を増やす暗記だけではなく、計算問題も出題されます。
理科の計算は、算数の計算と特色が違うもので、計算力だけで対応できるものではありません。
理科の計算問題は、その計算の前提となる知識も必要とします。
計算力がある子供でも、この前提知識がなければ計算問題で点数を積み重ねることはできません。
「算数が得意でも理科の計算問題は苦手」という子もいるくらいです。
算数と同じような勉強をしていても理科の計算問題を得意とすることはできません。
読解力や思考力も必要になる
近年の中学受験の理科の特徴として、理科的視点を問われる問題が増えてきています。
ただ暗記や計算をするだけではなく、読解力や思考力を問う問題が多く出題され、求められる力が変化しているのです。
この部分を問うために問題文が長文になったり、「何を問われているのか?」という部分を明確にしないような出題を行う学校も増えてきています。
近年の中学受験の理科で高得点を取りたいのなら、理科の知識だけではなく文章読解力や思考力も必要になります。
難関学校になればなるほど、読解力や思考力を試される問題が多くなるでしょう。
ただ理科の知識を学ぶだけではなく、この部分の力を伸ばせるような学習も必要です。
分野ごとのギャップに戸惑う子も多い
中学受験での理科は、生物・地学・化学・物理という4つの分野を用いて試験を行います。
この4つは、大きく性質が異なる分野でもあります。
「生物では生き物の分類や体の作りなどを学び、地学では天気や星座を学ぶ」「体積や濃度を求める化学を学び、電流などの物理を学ぶ」というように、ジャンルが違う分野を4つ学習する必要があるのです。
理科は、分野によっての出来が大きく分かれる科目でもあります。
「生き物が好きな子は生物の点数が伸びるけど、他の部分がダメ」というように、なにか得意な分野があったとしても、他の分野が苦手だという子もいます。
理科で得点を伸ばすためには、この4つの分野全てでバランスよく点数を取らなければなりません。
一つ得意な分野を作るよりも、全ての分野で点数を伸ばすための学習をしなければならないのです。
中学受験の理科のおすすめ勉強法はこちら
中学受験のメイン科目である理科。
多くの学校が受験で採用している科目なので、苦手な子はきちんと対策をしなければなりません。
ここでは、理科のおすすめ勉強法をいくつか紹介していくので、是非こちらを実践してお子さんの理科の点数を伸ばしてみて下さい。
理科について興味を持たせる
理科が苦手な子は、理科で学ぶ分野に対して興味を持てないことが多いです。
『好きこそ物の上手なれ』という言葉がある通り、まずはその分野に興味を持つことが大事になってきます。
「生物に興味をもたせたいのなら実際に生き物を見に行く」
「天体について興味を持たせたいのなら天体観測をする」
というように、実際にその分野に触れる機会を作ってあげるのです。
そうすることで、その分野について興味を持たせられるでしょう。
全く興味のない分野や、触れる機会がない分野の勉強というのは苦に感じることが多くなります。
興味をもたせたり触れさせたりすることで、その分野の学習を捗らせることも可能です。
出題形式への対応力が必要
最近の中学受験の理科では、出題形式が複雑化されています。
暗記をして知識を問う単純な問題ではなく、趣向を凝らした出題が多くなっているのです。
また、カラー写真や図を使った問題も多く、この部分にも対応しなければ理科で高得点は取れません。
予め、特殊な出題形式に対応しておくことで本番で面喰らうこともなくなります。
わかりやすい問題ばかりするのではなく、複雑な出題形式の問題にも触れておくようにしましょう。
実験は動画で復習しよう
中学受験では実験についても問われます。
自宅で実験をするというのは難しいので、一度学校で行った実験内容を忘れてしまうと、実験問題に対応するのが難しくなってしまいます。
そんな実験の復習をするときにおすすめしたいのが動画です。
動画投稿サイトには、中学受験で出題される実験を実際に行っている動画がアップされており、この動画を見ることで復習をすることができます。
また、動画での学習は実験以外でも使えるものです。
楽しく理科を学べる動画などもあるので積極的に活用してみて下さい。
過去問を使って出題傾向を学ぼう
先程紹介した通り、理科は出題形式が複雑化されている科目です。
基本的な出題形式から外れた独自の問い方を用意する学校が多くなるので、過去問での学習も大事になります。
赤本のような市販の過去問を購入するのもいいですし、ネットを使ってダウンロードするのもいいでしょう。
学校によっては、過去の試験問題のダウンロードデータを用意しているところもあります。
中学受験はどの科目も過去問を使って勉強をする必要がありますが、理科は特に過去問が大事です。
その学校によって出題形式が大きく変わるからこそ、過去問で慣れておきましょう。
理科では総合力を伸ばすことを意識する
中学受験の理科は総合力が必要な科目だと言われています。
問題文が長文化しているからこそ国語的な読解力、計算問題に対応するための計算力、社会のような暗記力も重要です。
理科で得点が取れる子供は、この総合力が高い子がほとんどです。
逆に、どれか一つの力が劣ってしまう子は理科の成績は伸び悩むことが多くなります。
お子さんの理科の勉強は、総合力を伸ばすことを意識するようにして下さい。